おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

SNSで話題になった鮮魚仲卸「築地ラッパー」のその後 豊洲でも「マジでそうさ!」しつつ新曲リリース

 かつて東京の卸売市場「築地」の場外市場にて、店頭で来客者に向けラップを刻みながら接客をするという姿が話題となった「築地ラッパー」こと、鮮魚仲卸・蔵立(くらたつ)のFRANKENさん。弊社でも2018年にインタビュー記事で紹介しましたが、豊洲移転後も二足のわらじで活躍中。このたび新曲「STAY POSITIVE」を発表しました。

  •  築地市場の名物となっていた、蔵立のFRANKENさん。しかしながら、その「ステージ(舞台)」であった築地市場は2018年10月をもって閉場(場外市場は引き続き営業中)。現在は、東京都中央卸売市場・豊洲市場へと移転しています。

     「FRANKENさんって、今どうしているんだろうなあ……」

    かつては築地市場にて「魚屋兼ラッパー」として活躍していたFRANKENさん。

     あれから3年。そんな想いをふと巡らせていたところ、FRANKENさん本人から編集部へ「新曲ができたのでぜひ聞いてほしい」という連絡が。

     リンクをクリックして聴いてみると、なんだかとてもファンキーな曲。そうだ、これも何かの縁だしFRANKENさんの今を聞いてみよう。というわけで、編集部は「元・築地ラッパー」の現在の活動状況を聞いてみました。

    話題の「魚屋ラッパー」が新曲をリリース。

    ■「魚屋の仕事も好きですから」

     現在FRANKENさんは、豊洲市場に移転した「蔵立」にて、引き続き店員として勤務。毎日、日付が変わったばかりの深夜0時半から働いており、昨今のコロナ禍の影響も受けながら、魚屋に取り組んでいるそうです。

    現在は豊洲の地にて「魚屋兼ラッパー」をしているFRANKENさん。

     また同時に、ラッパーとしての活動も続けています。こちらについては、ラップバトルやアルバム制作、またYouTubeでの動画投稿などをされているとのこと。というわけで、FRANKENさんは2021年現在も「魚屋兼ラッパー」なんです。

     しかし、魚とマイクの二刀流というのは、語感の響きは良いものの、内情はなかなかにハードなようです。

     「やはり『本業』の方たちと比べると、活動時間は制限されるのが悩みですね。地方遠征や海外ロケのオファーもいただくんですが、断る機会も多くなっています」

     さらに家庭がある自身の環境も考慮し、常に安定した収入を得た上でラッパー活動をしていると語るFRANKENさん。

     とはいえ、そのようなオファーが都度舞い込んでくるのは、FRANKENさんがラッパーとして評価されていることの証左。また、先述の弊社記事など「話題性」についても事欠きません。あくまで外野の一個人の印象ですが、「ラッパー1本」でも十分やっていけそうにも感じます。

     「でも僕、魚屋の仕事も好きなんですよ。もしラップだけで生きていけるほどの収入を手にしたとしても、この仕事は辞めないでしょうね。なんせ『市場の仕事』が好きですから」

    ■「ネガティブな状況だからこそポジティブが必要」

     FRANKENさんは、ラッパーとしてこれまで途切れることなく曲作りもされてきました。そんな中で、今回編集部に紹介してくれた曲というのが「STAY POSITIVE」。

     「コロナ禍でネガティブな状況だからこそ、それに立ち向かう『POSITIVE(ポジティブ)』をトピックに制作した曲なんです」

     今のタイミングならハマると思い、新曲「STAY POSITIVE」をリリースしたFRANKENさん。ちなみにこの曲は、同じくラッパーのK-JACKさんと、セクシー女優のあべみかこさんとのフィーチャリングナンバー。MV(ミュージックビデオ)動画については、あべみかこさんの公式YouTubeチャンネルにて配信されています。

     そんな「STAY POSITIVE」、一体どんな曲かというと、まずFRANKENさんの代名詞である「マジでそうさ」のフレーズからスタート。

     そして「幸せの神泣き虫キライだ」「このご時世どう転ぶかなんて自分次第」「全世界の笑顔を取り戻す」など、ともすればネガティブ思考に陥りそうな世間に対して、お三方がそれぞれの想いを吐露したパンチラインが心に響く、強烈なメッセージソングとなっています。

    「STAY POSITIVE」には同じラッパーのK-JACKさんも参加。

    紅一点のあべみかこさんのYouTubeチャンネルで曲は配信。

     ちなみに、筆者も先述の通り「STAY POSITIVE」を拝聴したのですが、あべさんが「この曲で新しい可能性を見せる」と曲冒頭で意気込んだのも頷けるほど、「力強く生きる」ことを意識した曲に感じました。

    ■「STAY POSITIVE」に込めた想い

     新曲「STAY POSITIVE」で「困難に負けず、意思を曲げず突き進んでいく姿勢を歌いました」と語るFRANKENさんに、最後に曲に込めた想いを聞いてみました。

     「僕も常に葛藤、失敗や後悔を繰り返し生活しています。
      しかし諦めたらそこで試合終了。
      失敗しても後退し後悔する事なく攻めの姿勢を忘れずに前に倒れる。

      人は強い気持ちがあれば何度失敗したって立ち上がれる。
      終わりにするかしないかは全てUP TO U。

      成功は約束されていないが成長は約束されている。

      まだ身体が動くんだから声が出せるんだからやるしかないだろ?

      HIPHOPについては色んな定義があるかもしれないが
      僕は自信を持って言わせてもらいたい。

      FRANKENは生きるHIPHOPだと」

     マジでそうさ!

    <記事化協力>
    FRANKENさん(@FRANKEN_03)

    (向山純平)

    あわせて読みたい関連記事
  • 令和の小学生、休み時間は「ラップバトル」 語彙力とノリで頂点を競う
    インターネット, おもしろ

    令和の小学生、休み時間は「ラップバトル」 語彙力とノリで頂点を競う

  • 般若×キンカン、三軒茶屋発のコラボMV「地元の唄 キンカン Remix」公開
    エンタメ, 音楽・映像

    般若×キンカン、三軒茶屋発のコラボMV「地元の唄 キンカン Remix」公開

  • インターネット, おもしろ

    築地に響く高速魚屋ラップ 築地ラッパー・蔵立のFRANKENが熱い

  • 商品・物販, 経済

    築地名物「ターレー」が机を走る!カプセルトイで登場

  • インターネット, 雑学・コラム

    ちりめん混入の「チリモン」は今やラッキー!じゃなくてクレーム対象?

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え
    エンタメ, 芸能人

    松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超…

  • 「金曜ロードショー」40周年
    エンタメ, 映画

    金曜ロードショー、40周年を記念した豪華2時間SP 国民が選ぶ名場面集

  • 新商品「クリスピーピザポテト チーズチーズチーズ」
    商品・物販, 経済

    ピザポテトが進化!チーズ2倍「クリスピーピザポテト」期間限定で発売

  • 魔改造カップヌードル
    商品・物販, 経済

    日清食品「魔改造カップヌードル」4品を新発売 定番フレーバーを背徳アレンジ

  • 企業と株主対立を“見える化” ストラテジックキャピタル、ガンホー批判サイト公開
    社会, 経済

    企業と株主対立を“見える化” ストラテジックキャピタル、ガンホー批判サイト公開

  • 無料クーポンリレー
    イベント・キャンペーン, 経済

    ファミリーマート、ファミペイ新規登録者向け「無料クーポンリレー」開始へ

  • トピックス

    1. お笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹さんの公式X

      アインシュタイン稲田の“潔白”が証明された日 暴露文化とSNS拡散が残したもの

      お笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹さんのInstagramが不正にログインされ、卑猥なやり取り…
    2. 【体験レポ】「落とし物:黒い封筒」を開封してみた 自宅で本当に心霊現象が起きる?一夜のゾク体験

      【体験レポ】「落とし物:黒い封筒」を開封してみた 自宅で本当に心霊現象が起きる?一夜のゾク体験

      ホラーイベント「笑える事故物件 笑えない事故物件」公式グッズの体験型キット「落とし物:黒い封筒」を体…
    3. 丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      焼き肉チェーンの牛角は9月4日より、サンマを丸ごと一尾のせた「牛角流秋刀魚ラーメン」を販売しています…

    編集部おすすめ

    1. 松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      エイベックスの松浦勝人会長は9月4日、自身のX(旧Twitter)で新たに「松浦顧問制度 シーズン1」を立ち上げたことを報告した。内容は「月…
    2. 「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる……」Xで飼い主さんにこうつぶやかれたのは、4羽の白文鳥さんたち。添えられた写真には、4羽が棚の上に連なって集まり、まるで連…
    3. 法事でオリジナルTシャツ!?音楽フェスのような斬新な引き出物が話題

      法事で配られた家紋&没年入りTシャツが話題 “フェス感”漂うセンスに爆笑

      法事の引き出物(お返し)といえばお菓子やカタログギフトが王道ではないでしょうか。しかしときには予想だにしない品をもらうこともあるようで……。…
    4. 災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      フィリップ モリス ジャパン(PMJ)が、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と共同で、避難生活に特化した支援ネットワーク…
    5. 「週刊文春」2025年9月4日号(8月28日発売)

      週刊文春、最新号表紙は「白紙」 48年続いた和田誠さんの表紙絵に幕

      総合週刊誌「週刊文春」は、2025年8月28日発売の9月4日号で48年間にわたり表紙を飾り続けたイラストレーター・和田誠さんの絵を終了し、大…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト