過去にもたくさんの、精密な木工からくり作品を制作してきたK.Suzukiさん(@BellTreeNursing)がツイッターで新作を公開しました。今回の題材は「星のカービィ スーパーデラックス」に登場した「ギャラクティック・ノヴァ」。

 懐中時計をモチーフにした顔のパーツや、連動して動く風見鶏や電球。そんな個性的なキャラクターを、動くからくりとして再現しています。まぶたや時計の針などが動く様子は、まさに圧巻の一言。

 「星のカービィはゲームボーイやスーパーファミコンで何度も遊んだ」というK.Suzukiさん。いかにも機械っぽいデザインのギャラクティック・ノヴァをいつか作ってみたいと考えていたそうです。

 過去にも何度か作ろうとはしたものの、技術的な問題から先延ばしにしていましたが、自身の中で設計や加工の算段がついたので、改めて制作してみようと今回のチャレンジを決意しました。

 制作にかかった期間は10日。初めの2日でからくりで動かす場所を決めたあと3Dデータを作り、その後の5日で部品を加工、残りの3日で組み立てを行うという超スピーディな工程で作り上げました。これだけ複雑な機構でありながら、どう動くかについてはデータ上では検証せず、推測で作っているとのことですから驚きです。

複雑な機構はずっと見ていても飽きません

 特にこだわったと話すのは「まぶたの加工」。3Dプリンターならすぐに出来るような三次元の曲面形状ですが、木材を使った制作につき、無垢の木から厚さ0.5mmに削り出す作業が必要になります。加工はとても難しかったそうですが、そんな苦労の甲斐もあり、滑らかな球の形状が見事に再現されています。

まぶたのパーツ

美しい球の形状になっています

 さまざまなこだわりが詰まった本作品について、制作後の感想を伺うと、「表情のある作品を作ったのは初めてですが、からくりを使い生きているように動かすことができました。また、木の本来の色味を活かした作品にすることができて、個人的にはかなり気に入っています」と渾身の出来栄えとなったようです。

 呼び出すと願いがひとつ叶う、という設定がある「ギャラクティック・ノヴァ」。K.Suzukiさんの長年の想いに応え、ついに出現となったようです。ちなみに……爆発はしませんので、ご安心ください。

https://twitter.com/BellTreeNursing/status/1504016251009466372

<記事化協力>
K.Suzukiさん(@BellTreeNursing)

(山口弘剛)