蛇口から水とお湯を出すために取り付けられている「混合水栓」。赤と青で分かれているハンドルを、ホテルや銭湯、もちろん自宅でも見慣れている方は多いと思います。

 そんな混合水栓をモチーフにしたユニークな作品がツイッターで話題です。その名も「混合水栓のクリスタルハンドル指輪」。ついひねってみたくなってしまう、昔懐かしいデザインの混合水栓が印象的です。

 作者は脚本家、演出家、造形作家、舞台・美術・映像を作る団体「ゆうめい」代表……と、たくさんの肩書を持ち、多方面で活躍する池田 亮さん(@yyyry_ikeda)。

 今回の作品以外にも「たわしマットコースター」や「バリカーブローチ」など、日常的に目にするものをモチーフにした雑貨を制作し、WEBショップ「トイフクロ」にて販売しています。

池田さんの作品「たわしマットコースター」

 元々クリスタルなハンドルに特別感を抱いていた、という池田さん。中に入っている金具の反射による光り具合や、温度調整に手こずった記憶が残っており、以前から作品にしたい、という思いがあったのだそう。

 ツイッターでクリスタルハンドルの画像を見かけたり、実家や区役所のトイレで眺めたりするたび、「ずっと回していたいなー」と考えてたところ、ある時突然「そうだ、指輪にすればずっと回せるな」とひらめき、その勢いのまま制作に取り掛かりました。

クリスタルハンドルの混合水栓指輪

 池田さんが特にこだわったと話すのは「ハンドルを回せるようにした点」と「クリスタル部分から透けて見える金具のリアリティ」。

 実物を見つつ研究しながら、ホームセンターやネットで必要な材料を吟味し、何度かの実験を重ねて完成したという本作は、着用すると「指が蛇口に見える」という遊びゴコロも。ペアリングとして男女で着けても良さそうですね。

着用すると指が蛇口のように

ペアリングとして男女で着けても良さそう

 ユニークな作品を生み出してきた、池田さんらしさが詰まった作品。今作の出来栄えについては「自分でもこれ欲しかったやつだ!」と満足のいく完成度となった模様。

 「ハンドメイドのテーマは『たまに夢で見るようなお店を再現すること』と『今の自分が1番欲しいと思えるものを作ること』なので、記憶の片隅にある、ふとした体験にもう一度会えるような、ニッチだけど特別なアイテムをこれからも目指していきます」

 と、造形作家としての活動への意気込みを、力強く語ってくれました。

 一方、自身が代表を務める団体「ゆうめい」では、5月28日より初となるツアー公演「あかあか」を神奈川、三重にて開催予定と、多事多端の日々を過ごしている様子。池田さんの今後の活躍に、さらなる注目が集まりそうです。

※「混合水栓のクリスタルハンドル指輪」は現在(本稿執筆2022年3月28日)、完売にて品切れ中となっています。

<記事化協力>
池田 亮さん(@yyyry_ikeda)

(山口弘剛)