おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「彫刻家を父に持つとこうなる」色鉛筆にあらわれた笑顔のお地蔵様

 子どもが幼稚園や保育園に入園する際、親がする作業と言えば思い浮かぶのは「持ち物への名前入れ」。用具ひとつひとつにペンで記入をしたり、シールを貼ったり……大変な作業ではありますが、子どものことを思えば苦にはならないものです。

 妻に「娘の色鉛筆に名前を入れるところ、削っておいて」と言われたのは、仏像制作・修復等を行う京仏師の宮本我休さん(@Gakyu_Miyamoto)。「削る」という行為に際して、彫刻家としていてもたってもいられず……色鉛筆に”あるユニークな仕掛け”を施しました。

  •  宮本さんが「彫刻家を父に持つとこうなるんだよ」というつぶやきと共に、ツイッターに投稿した動画に映っていたのは、色鉛筆の端に佇むお地蔵様。そう、宮本さんは色鉛筆に、お地蔵様を彫刻したのです。こんなわずかなスペースに彫れてしまうとはびっくり!

    色鉛筆の先端にお地蔵さまが登場

     「私の親は役人で、日頃どういった仕事をしているかということを感じることなく育ってきて、大人になって知っておきたかった、という後悔が今もあります。この色鉛筆を通して、子供たちには父親の仕事を身近に感じてもらいたいですね」

     色鉛筆に彫刻した理由を、このように語った宮本さん。家庭環境によっては「親が何の仕事をしているのか」を子どもが理解していない場合もあるでしょう。たしかにこのお地蔵様を見れば「お父さんは木を彫る仕事をしている」という事が一目でわかります。

    長男さんの色鉛筆には大黒様の彫像が

     実は宮本さんが色鉛筆に彫像したのは今回が2回目。4年前、長男さんが保育園に入園した際には、色鉛筆に「大黒様」を彫っています。長男さんはとても喜んだそうですが、間もなく誤って削ってしまったのだそう。

     長男さんから「もう一度彫って欲しい」とせがまれましたが、当時は忙しくて叶えてあげられなかった、という経緯もあり、今回娘さんの色鉛筆で再挑戦。長男さんの時とは違う種類の仏様をと考え、子どもの守り仏であるお地蔵様をモチーフにしたとのことです。

     特にこだわったのは「お地蔵様の表情」。にっこり笑顔で彫るよう心掛けたというお地蔵様の顔は、子どもの健やかな成長を見守るかのような優しい笑顔です。微笑む小さなお地蔵様を見ていると、とても穏やかな気持ちになりますね。色鉛筆の赤色を利用した、かわいい前掛けもポイントです。

    娘さんは大喜びしたそうです

     お地蔵様が宿る色鉛筆を見た娘さんは、「これかみたま?(神様)」と聞いた後、満面の笑顔で大喜び。すぐに「使っていい?」と言って、赤の色鉛筆を手にしたそう。喜ぶ娘さんの姿に、宮本さんもきっと胸を熱くしたことでしょう。

    宮本さんも長男さんも真剣そのもの

     ちなみに、長男さんには「彫ってあげる」ことよりも「自分で彫ること」を教えている模様。その様子は宮本さんも長男さんも真剣そのもの。球体を彫る工程をとても楽しんでいたそうです。

    長男さんも彫刻にチャレンジ

     なお、宮本さんの仏師としての活動は、ツイッターの他、YouTubeやInstagram、ホームページでも発信中です。学生時代に服飾技術を学んだ経験を活かし、独自の衣紋表現を追求する宮本さんの仏像、仏具もぜひご覧ください。

    <記事化協力>
    京仏師 宮本我休さん(Twitter:@Gakyu_Miyamoto / Instagram:gakyu01

    (山口弘剛)

    あわせて読みたい関連記事
  • ゼニガメ希望のはずがピカチュウ!? 手作りケーキに起きた“育児あるある事件”
    インターネット, おもしろ

    ゼニガメ希望のはずがピカチュウ!? 手作りケーキに起きた“育児あるある事件”

  • 小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出
    インターネット, びっくり・驚き

    小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出

  • 絵本「ねずみくんのチョッキ」シリーズ、初のTVアニメ化が決定 誕生50周年の節目に
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    絵本「ねずみくんのチョッキ」シリーズ、初のTVアニメ化が決定 誕生50周年の節目…

  • 「男児を育ててるな」と実感する瞬間 廊下で壁登りする姿に共感続々
    インターネット, おもしろ

    「男児を育ててるな」と実感する瞬間 廊下で壁登りする姿に共感続々

  • 子どもとの遊びから始まった沼 ブレスレットづくりにオタク母が本気を出した結果
    インターネット, おもしろ

    子どもとの遊びから始まった沼 ブレスレットづくりにオタク母が本気を出した結果

  • 任天堂の新アプリ「かおマリオ」レビュー 大人にこそ遊んでほしいゆるゲーだった
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    任天堂の新アプリ「かおマリオ」レビュー 大人にこそ遊んでほしいゆるゲーだった

  • 作文嫌いの救世主 親子で楽しむ「魔法のワークシート」が超便利
    インターネット, おもしろ

    作文嫌いの救世主 親子で楽しむ「魔法のワークシート」が超便利

  • 子どものためにクレヨンで描いたイーブイ 妻が気に入りまさかの額装
    インターネット, おもしろ

    子どものためにクレヨンで描いたイーブイ 妻が気に入りまさかの額装

  • 映えスイーツのはずが…完成したデラウェアゼリーは“カエルの卵”?
    インターネット, おもしろ

    映えスイーツのはずが…完成したデラウェアゼリーは“カエルの卵”?

  • 無償のお手伝い券かと思いきや「1回100円」 小5息子の優しさと商魂にほっこり
    インターネット, おもしろ

    無償のお手伝い券かと思いきや「1回100円」 小5息子の優しさと商魂にほっこり

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 伝説のカンフー映画「酔拳」吹替版、YouTubeで1か月限定無料配信
    エンタメ, 映画

    伝説のカンフー映画「酔拳」吹替版、YouTubeで1か月限定無料配信

  • ゼニガメ希望のはずがピカチュウ!? 手作りケーキに起きた“育児あるある事件”
    インターネット, おもしろ

    ゼニガメ希望のはずがピカチュウ!? 手作りケーキに起きた“育児あるある事件”

  • カービィが駅員さんに変身!阪急電車コラボのガシャポン登場
    ゲーム, ニュース・話題

    カービィが駅員さんに変身!阪急電車コラボのガシャポン登場

  • 回し車の裏に「職人」発見 ハムスターの意外すぎる行動に爆笑
    インターネット, おもしろ

    回し車をまさかの手回し ハムスターの「職人」すぎる行動に爆笑

  • 絵本「ねずみくんのチョッキ」シリーズ、初のTVアニメ化が決定 誕生50周年の節目に
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    絵本「ねずみくんのチョッキ」シリーズ、初のTVアニメ化が決定 誕生50周年の節目…

  • 「男児を育ててるな」と実感する瞬間 廊下で壁登りする姿に共感続々
    インターネット, おもしろ

    「男児を育ててるな」と実感する瞬間 廊下で壁登りする姿に共感続々

  • トピックス

    1. 丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      焼き肉チェーンの牛角は9月4日より、サンマを丸ごと一尾のせた「牛角流秋刀魚ラーメン」を販売しています…
    2. 伝説のカンフー映画「酔拳」吹替版、YouTubeで1か月限定無料配信

      伝説のカンフー映画「酔拳」吹替版、YouTubeで1か月限定無料配信

      ジャッキー・チェン主演の名作アクション映画「酔拳(吹替版)」が、Prime Videoの「シネフィル…
    3. 小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出

      小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出

      小学6年生の男児が耳の痛みを訴え受診したところ、耳の奥からシャープペンシルの消しゴムが摘出されました…

    編集部おすすめ

    1. 松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      エイベックスの松浦勝人会長は9月4日、自身のX(旧Twitter)で新たに「松浦顧問制度 シーズン1」を立ち上げたことを報告した。内容は「月…
    2. 「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる……」Xで飼い主さんにこうつぶやかれたのは、4羽の白文鳥さんたち。添えられた写真には、4羽が棚の上に連なって集まり、まるで連…
    3. 法事でオリジナルTシャツ!?音楽フェスのような斬新な引き出物が話題

      法事で配られた家紋&没年入りTシャツが話題 “フェス感”漂うセンスに爆笑

      法事の引き出物(お返し)といえばお菓子やカタログギフトが王道ではないでしょうか。しかしときには予想だにしない品をもらうこともあるようで……。…
    4. 災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      フィリップ モリス ジャパン(PMJ)が、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と共同で、避難生活に特化した支援ネットワーク…
    5. 「週刊文春」2025年9月4日号(8月28日発売)

      週刊文春、最新号表紙は「白紙」 48年続いた和田誠さんの表紙絵に幕

      総合週刊誌「週刊文春」は、2025年8月28日発売の9月4日号で48年間にわたり表紙を飾り続けたイラストレーター・和田誠さんの絵を終了し、大…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト