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「評価」と向き合う重要性 「絵描き」を例にした投稿に反響

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 対象の価値や価格を定める「評価」。

 多くの人が何かしらの評価を受けている中、まるで呪縛のようにとらわれている人も一定数存在します。

 TwitterユーザーのYukiさんは、それを「絵描き」で見立てて例示。投稿には、2万を超えるいいねが寄せられています。

  • 「絵を描いてて人に評価されないんだ・・と凹むひとに『そんなことないです、わたしはあなたの絵好きですよ!』と褒めてくれるFFさんなんかがあらわれたとき『そういうことじゃないんです』みたいな言い方をしてしまう人は、気持ちはわからなくもないけど、終わりだよそれでは」

     イラストレーターをやっているYukiさんが、この日Twitterに投稿した上記のエピソード。過去の体験談をもとにつぶやいたそうですが、自分自身についてではありません。

     「僕は過去に、イラストレーターやデザイナーの採用の仕事をやっていたことがあり、その際に遭遇した出来事なんです。そこでは、たくさんの『志望』という名の『残念』を見てきました」

     Yukiさんは、イラストレーターやデザイナーといった技術職を採用する際には、「まず何より『人と会話が出来ること』」を重視しているといいます。

     「もちろん、画力もあればいうことなしです。でも、画力を極めるには家に閉じこもって絵を描きまくるしかない。そうなると、人と話す機会を失う。結局トレードオフなんです。仕事には『打ち合わせ』というものが必ず存在します。発注を受けるための絶対必要なフェーズですね。なので、多少画力は落ちたとしても、顧客としっかりコミュニケーションを取れる人の方が重要なんです」

     「ただ、そういった方が本当にいませんでして……」と、嘆きを込めたのが今回の投稿。悪い意味での「あるある」パターンでもあるそうです。

     「この投稿は、特に定職も就かずに家で絵を描いていて、見かねた親が勝手に求人応募してきたケースでよく見られたものなんです。面接の際には、『今まで評価されたことがないので自信がない』と、僕の目を見ずにしゃべり、挙句大泣きされてしまいました」

     その中で、面接者の作品は、一目見ただけで「とてもいいものでした」と、純粋なアートとして“評価”していたたというYukiさん。自身のポケットマネーで、面接者の絵を購入しようとしたんだとか。投稿にある、「そんなことないです、わたしはあなたの絵好きですよ!」はYukiさん自身の言葉でした。

     しかし、差し出された紙幣を見て、面接者は激高。「そういうことじゃないんです!」と破り捨てて怒鳴られたそうです。

     面接者は、自分の理想とする「評価」に固執するあまり、眼前に現れた「評価者」をないがしろにしてしまったのです。おお……もう……。

     Yukiさんは、面接官として、これまでにも様々な「絵描き」と相対されてきています。

     「僕が募集していたのは『仕事をする人』だったのですが、1枚描くのに2年もかかったり、僕に泣きながら説教をする人もいましたね。『山籠もりをした仙人』みたいな感じの、でも仙人にはなり切れていない人が多かったです。あれはあれで極めるのは難しいポジションですから」

     一方、画力に関しては、文句なしのスキルを有していた方が大半だったそうです。しかしそれは、「社会性を失った代わりに得たもの」。「仕事」としては、成り立つものではありません。

     先述の通り、今回の投稿には2万を超えるいいねが寄せられたのですが、Yukiさんは最後に現在置かれた立場が似ている人たちに向けて次のようなメッセージを語ってくださいました。

     「SNS上の『いいね!』も『仕事』も根っこはいっしょ、『絵を見る人を楽しませる』という『ミッション』があるわけです。自分が好きなもの、描きたいものを描くと同時に見るひとにもワクワクを与えられる折衷案を盛り込むミッションなんです。特にSNSに限って言えば『評価』が欲しいのであれば、というか欲しいからSNSをやっているわけです。欲しくない人はネットを切ればいい。嘘を自分につくのはよくありません」

     「私達は本来、いいねを押すときや物を買うとき、そこに至るまでの心理プロセスは自分自身なのでよく理解しているはずです。しかしいざ自分がコンテンツを提供する側に立つと、他に優先すべきことがあらわれてそれをすべて忘れてしまいがちです」

     「というもの、『作品が世に出る』ということを、なかば諦めている方を多く見受けます。『私は最初からそんなポジションをねらっていないのだ』と豪語してしまう。それは嘘です。というか正直甘えているなと思います。一番人口が多いのは、そのどちらにも振り切ることができない人たちなんです。あなたがそうであれば、いつか変われる日が来ることを願っています」

    <記事化協力>
    Yuki 優綺さん(@_nanaakai)

    (向山純平)

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