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毛糸で海とパンダを表現した「南紀白浜に行きたくなるセーター」

 「南紀白浜」こと和歌山県白浜町といえば、日本でも有数のリゾート地。

 多くのファンを有していますが、ニッティングパパさんもそのひとり。自身の白浜愛を、自作の手編みセーターで表現しました。

  •  「白浜に行きたくなるセーター完成です。お盆休みに頑張って編みました。さて、あとは涼しくなるのを待つだけですね。行くぞ、白浜、AWS!」

     つぶやきとともにニッティングパパさんがTwitterで紹介したのは、青と白を基調としたセーター。

    、青と白を基調としたセーター

    最も苦心したというパンダの図柄。総勢66頭もが生息しています。

     胸元のパンダと腰回りの青海波(せいがいは)柄、シャチが目を引くデザインですが、これは、ニッティングパパさんが「とてもお気に入りの場所ですね」と語る、「南紀白浜アドベンチャーワールド」をイメージして手編みしたものです。

     「元々母の影響で、大学入学前から編み物をはじめました。学生時代は専ら『かぎ針』、社会人になってからは棒針で編んでいました。橋本治(※1)やドン小西(※2)のニットに触発されて、複雑で独創的なメンズセーターを編むことに憧れていましたね。結婚してからも、妻や娘用のセーターを編んでプレゼントしていました」
    ※1「桃尻娘」で知られる小説家。編み物作家としても有名。
    ※2 ファッションデザイナー。ワイドショーのファッションチェックコーナーでも活躍。

     そう語るニッティングパパさんですが、公私で多忙となり、他の趣味にも熱量をあげることとなった結果、編み物はしばらくお休みしていたそう。

     本格的に再開するようになったのは、仕事を定年退職し、再雇用で働きつつも、時間的な余裕が生まれたという昨年(2021年)。楽器・マラソン・お菓子作りと多趣味な中で、「家で一人で楽しめる」という理由から、約20年ぶりに再開しました。まずは編み物本に掲載されている作品を編むことでブランクを取り戻し、翌2022年よりオリジナル作品も制作するように。

    約20年ものブランクを経て、編み物活動を再開した投稿者。

     3作目にあたる本作は、2月に南紀白浜アドベンチャーワールドを訪問し、パンダを存分に堪能したことがきっかけでした。加えて、橋本治氏の著書「男の編み物」に掲載された作品にも、大きな影響を受けたと言います。

     「橋本治のセーターには『和柄』があり、自分でもやってみたいという気持ちが強くあったんです。セーター柄は『欧風』が基本なんですが、何とかそれ(和柄)をやってみたいと考えていたところで、白浜の『海』と『パンダ』をモチーフにして、憧れをデザインに反映させました」

     まずは、方眼紙に鉛筆でデザインの下書きを起こしたというニッティングパパさん。特に苦心しこだわったのがパンダの図柄と配置。最終的に総勢66頭を並べることで落ち着きました。

     そして次に苦心したのが色選び。「色選びが不得手でして……」という毛糸の選定に関しては、訪問した毛糸屋のスタッフに協力してもらい、相談して決めたそうです。

    ゼロベースのデザインは、方眼紙に下書きを描写するところから始まりました。

     ゼロベースから編み出した作品のため、完成時は感慨もひとしおだったというニッティングパパさん。「結果的に良い出来になりましたね」と、手ごたえを得る結果に。

     「3月にTwitterを始めて以来、一番の反響で、プレッシャーもありますが、それ以上に自分の原動力になり嬉しい限りです。秋にはこのセーターを着て、また白浜を訪れたいですね」

     一連の反響に対し、ニッティングパパさんはこのように振り返られています。

    <記事化協力>
    ニッティングパパさん(@knitting_papa)

    (向山純平)

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