一見シンプルに見えますが、電力や送電の形によっていろいろな形が存在するコンセント。そのユニーク世界を漫画「ゆゆ式」(著:三上小又)のキャラクターの“顔“で表現したファンアートがSNSで話題に。投稿者の方に話を聞きました。
■ さまざまなタイプのコンセントを「ゆゆ式」キャラの目と口で表現
話題になったのは、しいたけさんが自身のXアカウントに投稿したイラスト。4コマ漫画「ゆゆ式」のキャラクターである、“縁ちゃん”こと日向縁が4つのキュートな表情を見せています。
注目ポイントは、その細かな表情の違いと、顔の下に書かれた文字。縦長の目で小さく口を「O」の字に開けた表情の下には「100V+接地」、同じく縦長の目で口が描かれていない表情には「AC100V」と書かれています。
さらに、点のような目で「ワ」の形に微笑む表情には「Kタイプ230V デンマーク」、目を閉じて小さく口を「O」の字に開けた表情には「200V 30A 接地2P」の文字が。ちょっと眠たげな縁ちゃんの表情で、電力タイプ別に異なるコンセントの形が表現されています。
「AC 100V」は、日本でメジャーな「Aタイプ」と呼ばれるコンセントですが、各国をはじめ、電力の供給形態ごとにその形態はさまざま。誤って異なるプラグを挿してしまわないよう、電力タイプによってまったく異なる形状を持っています。
ちなみに「100V+接地」は、Aタイプをベースに、アース端子が付いているタイプ。電力用の縦長ピン2つに接地(アース)用の丸いピン1つがセットになっています。
「Kタイプ 230V デンマーク」は、電力用の丸いピン2つとアース端子用の半円型ピン1つが特徴。デンマークでは日本と異なり、家電などで使用する電力は単相230Vと高電圧になっています。
そして「200V 30A 接地2P」は、日本では洗濯機やエアコンなど、ハイパワーで稼働させる機器などに使用される規格。100V用とは異なり、電力用のピンが横向きに2つ付いていて、アース用のピンもついています。
ちなみに形状が同じでも、国によって供給される電力のタイプは異なるため、海外旅行などに行く際は、あらかじめ行き先の電力形式を確認する必要があります。
ひとくちに「電気」といっても、その世界は本当に奥深いもの。その入口をキュートな形で知ることができるしいたけさんのファンアートは、なんとも秀逸なものです。
■ 「家の中あちこちに顔がある」しいたけさんが語るコンセントの魅力
それにしても、コンセントの形状を、なぜ縁ちゃんで表現しようとしたのでしょうか。
しいたけさんいわく、「縁ちゃんはたまに縦長の目になることがあり、一部のファンの間では『コンセントみたいな目』と言われています」とのこと。「今回の(イラストの)発想になるのは難しくなかったし、いずれ誰かがやっていたであろうと思います」といいます。
もともと仕事で電気を扱うことがあり、コンセントのバリエーションがあることは知っていたというしいたけさん。今回のイラストを描くうえでは特にアース端子にこだわり、形状のほか、位置や大きさなども細かく変えているということです。
特徴をしっかり掴んだイラストにコンセントマニアたちの心は大いに刺激されたようで、投稿にはさまざまなコンセントの形が投稿される大喜利状態に。この様子にしいたけさんも、「楽しんでもらえたようでうれしいたけです」と喜びのコメントを寄せています。
ちなみに、しいたけさんお気に入りのコンセントを尋ねると、「原点にして頂点の100Vですね」との答えが。たしかに、縦長の目に見えるキュートなデザインは、その洗練された形もあって、飽きのこない味があります。
「家の中あちこちに顔があるのがなんかおかしいです」と、コンセントの魅力ポイントを語ったしいたけさん。「『ゆゆ式』を読みましょう。アニメもあるよ!」と、作品のキュートでほんわかした世界観へも誘っていました。
— しいたけ (@shiitk_) July 2, 2025
<記事化協力>
しいたけさん(@shiitk_)
(天谷窓大)