8月1日に中野セントラルパークで開催された「中野駅前大盆踊り大会」の前夜祭について、中野区と同所の指定管理業者である東京建物株式会社が、8月8日付で主催者に対して抗議文を送付しました。
抗議文では、「イベントにおいて公序良俗に反する内容を想起させる演目があった」と指摘。同区の公式サイトでは「事前にこのような内容が含まれていることを分かっていれば使用許可を出すことはありませんでした」と、極めて強い口調で非難しています。
「中野駅前大盆踊り大会」は、中野駅前大盆踊り大会実行委員会の主催、中野区民謡連盟の共催で2013年より行われているイベント。日本全国の民謡盆踊り生演奏のほか、昨年の開催ではボン・ジョヴィの楽曲にあわせて踊る「盆ジョヴィ」で話題を集めました。
今回問題となったのは、8月1日に中野セントラルパークアベニューで開催された前夜祭。イベントの公式サイトでは開催のみが告知され、内容や出演者については直前まで伏せられていました。
ところが当日、「マジックミラー号」と呼ばれるアダルトビデオ撮影用車両がネオンサイン付きで展示され、記念撮影用に開放されていたことが関係者や参加者のSNS投稿で発覚。物議を醸していました。
「中野駅前大盆踊り大会前夜祭に係る公衆の利用に著しい支障を及ぼす行為について」と題した抗議文では、「当該イベントについては公序良俗に反する内容を想起させる演目等が含まれており、許可条件に反する行為」と指摘。
「非常に公共性の高い空間である中野四季の森公園において、アダルトビデオの撮影用車両を無許可で設置したことは、公衆の利用に著しい支障を及ぼす行為」とし、「中野区および中野四季の森公園指定管理者として、看過できない重大な事態」と厳しく非難しました。
抗議文を掲載した中野区の公式サイトでは、「事前にこのような内容が含まれていることを分かっていれば使用許可を出すことはありませんでした」と抗議。内容について、事前の相談や共有が主催者側から区側になされていなかったことを示唆しています。
現時点で区や指定管理業者には、区民から抗議が相次いでいるとのこと。抗議文では「区民や地域社会の信頼を著しく損ない、多大な不安と不快感を与えていることは明白」とし、「区および指定管理者の信用失墜につながるもの」と強く抗議しています。
抗議文では主催者に向けた要請として、「本件を取り巻く状況に対する見解、および本件に関して今後区民や地域社会にどのように説明するのか、区および指定管理者への書面での提示」を求めていますが、8月13日夕方の時点で主催者側からの公式な発表はなく、動向が注目されます。
2025年8月1日に行われた中野駅前大盆踊り大会前夜祭について、区と、公園の指定管理者であり中野セントラルパーク パークアベニューの管理者である東京建物株式会社は、主催者あてに抗議文を送付いたしました。
詳細はこちらをご確認ください↓https://t.co/08BWtg6i4l— 東京都中野区(広報係) (@tokyo_nakano) August 9, 2025
<参考・引用>
中野駅前大盆踊り大会実行委員会に対する抗議文
中野駅前大盆踊り大会前夜祭に対する抗議文について | 中野区
中野駅前大盆踊り大会2025公式ウェブサイト
中野駅前大盆踊り大会 Instagram
※初出時、開催内容については事前には伏せられていたとしておりましたが、その後の調査で、7月30日頃から情報が出ていたことを確認しました。そのため、表現を「事前」から「直前まで」に変更しました。(8月14日08時04分更新)
(天谷窓大)