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ハンドメイド作家が悲痛な思いをツイート「作品に対して値下げ交渉をするのはやめて」 公開されたやりとりに注目集まる

 「ハンドメイド作品に対して値下げ交渉をするのはやめてください」

 ツイッターにて悲痛な思いをツイートしたのは、ハンドメイド作家のねこわらびさん。投稿に添えられた写真を見てみると、そこには作品の購入希望者からのメッセージが記されています。

 しかし、やり取りの内容は惨憺たるもの。個人的な事情による値下げ交渉や、作家の技術や労力を貶すような発言など、目に余るものがあります。

  •  このやり取りは、9月11日にねこわらびさんが作品を販売するためにツイートを行ったあと、ダイレクトメッセージが寄せられたことから始まります。

    「夜分遅くにDM失礼します。今ツイ販されている作品の9番をお迎えさせていただきたいのですが、1800円だと予算がオーバーしてしまうのでお値下げしてもらうことって出来ますか?」

     一見すると丁寧なメッセージですが、個人的な事情を理由にいきなり値下げ交渉をもちかけています。これに対し、ねこわらびさんは、

    「DMよりご連絡ありがとうございます!大変申し訳ないのですが、作品のお値引きはお断りさせていただいております」

     と、お詫びの気持ちを込めて、値引きに応じられないことを返答。しかし、この後から相手の態度が一変します。

    「当方学生の身なのでお金がありません。それでもお迎えしたいからお声掛けしたのですが、譲歩もしてくれないんですか?」

     まさに目を疑うような内容。トゲのある言葉遣いに加え、学生の身であるということを盾にして、ねこわらびさんを攻撃するようなメッセージ……。

    これに対して、

    「当方も学生の身のため、そう言われる気持ちも十分分かります。ですが、ハンドメイドは量産品ではありませんし、学生さんだからと値引きをしてしまっては他の定価で買って下さったお客様に対して不公平になってしまいます。ですので、大変心苦しくはありますが当方の作品に手が出せないのであれば、お客様の手の届く範囲の作品でお気に召したものをお迎えされてはいかがでしょうか」

     と返事をしたねこわらびさん。非常識とも言えるメッセージに対して、冷静に回答していますが、その言葉尻から静かな怒りを感じる内容です。しかし、これに腹を立てたのか、相手の発言は更にエスカレート。

    「コルクとレジンって原価300円くらいですよね?そうまでして高く売りたいんですか?」

     ねこわらびさんに対して、明らかに敵意をむき出しにしています。原価を示して値下げの根拠にする、ということがどれだけ無茶な要求であるかを理解していないとも取れる内容。そんな発言に対し、ねこわらびさんは諭すように返答します。

    「ハンドメイド作品を作るのに、必要な費用は原価だけではありません。原価+労力+アイデア料など、原価の値段のみで販売されている作家さんはほぼいません。上記のことを理解された上でお客様が購入してくださることで成り立つのがハンドメイド作家でございます。ですので、大変恐縮ですが○○○○※のご期待には沿うことが出来ません」

    ※〇で記した箇所は、ねこわらびさんが投稿の際に伏せた箇所です。

     このように返したところで、相手からのブロックによりDMは終了。一方的な拒絶により、何とも後味の悪いやり取りとなってしまいました。

    ねこわらびさんと相手のやり取り

    ねこわらびさんと相手のやり取り

    ねこわらびさんと相手のやり取り

    ■ 作品は作家のアイデアの結晶「見た目以上に時間と手間がかかるものなんです」

     ねこわらびさんの作品は、小さなコルクの中に、海の情景を作るという、とても繊細で美しい作風が特徴。その工程もコルクをくり抜くことから始まり、コルクのコーティング、砂に葉っぱ、ドライフラワーなどを植えて硬化させ、レジンを複数回に分けて入れ、その都度モチーフを封入していく。といった、とても素人には真似できない手作業により、ひとつずつ丁寧に作られています。

    ねこわらびさんが作るハンドメイド作品

     こうしたモノ作りの工程や、モノ作りを行う作家に対して、今回のメッセージはとてもではありませんが譲歩の余地もありません。しかも、作家の苦労は作業をして作品を作ることだけにありません。

     そこには、アイデアを出すまでの過程や、作り方の考案、パーツの組み合わせ、どんなデザインにするか、どんな大きさにするか、といった試行錯誤が詰まっています。これを考えずに、原価のみで販売を要求するなど、失礼にもほどがある行為であると考えます。

     もちろん、ハンドメイド作家の中には、個別値段交渉に応じてくれる方もいるでしょう。しかし、そこには相手に対する言葉遣いなど、最低限礼儀やマナーがあって然るべきですし、当然ですが、売り手がNOと言えば納得をするべきです。それは作家が魂を込めて生み出した作品であり、フリマサイトで中古品を転売するのとは訳が違うのですから。

    ■ 活動を継続するためには利益が必要「嬉しさだけでずっとやっていけるほど甘い世界じゃない」

     多くのハンドメイド作家さんは、お客様に喜んでもらうことを活動の原動力の一つにしているでしょう。しかし、それは「対価」をもらい、「利益」が出なければ、続けることは出来ません。

     ねこわらびさん自身も、ギリギリ採算が取れるか取れないかの値段設定をしていると言い、これはおそらく他の作家さんも同じではないか、と憶測ながら考えているとのこと。そこから値下げに応じてしまうと、当然ながら利益は減りますし、自分の作品への自信も失われてしまいます。作れば作るほど気力も資材もなくなるのに利益だけが上がらない。そんな商売、誰が好んで行うでしょうか。

     こうしたことを踏まえ、今回のツイートに至ったねこわらびさん。ハンドメイド作家の作品への、愛やこだわりを無下にしないためにも、値下げの交渉は控えて頂きたい……背景を理解すれば、こうしたメッセージの意味が、痛いほどわかると思います。

    さまざまな試行錯誤の上作られた作品です

     「自分の作品をお迎えしてもらうのはもちろんすごく嬉しいことなんですが、嬉しさだけでずっとハンドメイド作家をやっていけるほど甘い世界じゃないんだなと痛感しております」

     インタビューの最後に、ツイートについての見解をこう述べたねこわらびさん。創作活動を行う全ての作家さんが、自分のやりたいことに集中できるよう、今後こうした心無いメッセージが送られることがなくなって欲しいと願うばかりです。

    https://twitter.com/YFYmiv4mA1HbPRi/status/1569234609975742465

    <記事化協力>
    ねこわらびさん(@YFYmiv4mA1HbPRi)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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