江戸時代の地名や地形を現代風の地図で再現した「れきちず」などを開発・公開している、グラフィックデザイナーの加藤さん。

 今回SNSに公開した地図は、なんと新宿駅周辺にある高層ビルを山に見立てて作成した、都山地図「新宿連峰」。

 地図や路線図が好きという加藤さん。3月20日、自身のSNSで「新宿の高層ビル群を山にした地図を作りました」と報告。公開された「新宿連峰」の地図には、東京都庁をはじめ、新宿センタービルや京王プラザホテルなどが、山に変えられ地図に記されています。

新宿駅周辺にある高層ビルを山に見立てて作成した「都山地図『新宿連峰』」

 さらに面白いのはネーミング。NTTドコモ代々木ビルは「ドコモ岳」、モード学園コクーンタワー(コクーン=「繭」の意)は「繭岳」などと表記されています。この地図を持って、新宿の街を散歩してみたくなった人も多いのではないでしょうか。

 ちなみに「新宿連峰」に記載されている建物の高さの数値は国土交通省の「Project PLATEAU」データを参照。道路・鉄道データはOpenStreetMapより主要なものを掲載し、一部簡略化しているとのことです。

■ ビルの名前にこだわった!

 今回、加藤さんに「新宿連峰」を作った理由やこだわりポイントなどをインタビューしました。

――高層ビルを山に見立てて地図を作成したのは今回が初めてだったのでしょうか?

 今回が初めてです。

――「新宿連峰」の発想は、どのようにして生まれたのでしょうか?

 私はもともと首都圏で生まれ育った人間で、一昨年札幌に引っ越しました。札幌は街中から当たり前に山が見えるのですが、東京都心では周囲の建物に邪魔されて地表から山を見ることは難しいです。

 そう考えると、そびえ立つ高層ビルのような建物も「ある意味では『山』と同じなのではないか」と思い、作ってみました。

――「新宿連峰」を作る上で大変だったことを教えてください。

 国土交通省の「Project PLATEAU」データを、「QGIS」という誰でも利用可能な地理情報ソフトを使用して等高線を描き出したのですが、等高線の形がイマイチだったので最終的には手描きで等高線を引き直したところが苦労した点です。

――こだわった部分は、どこでしょうか?

 ビルの名前を山っぽい名前に変えるのにこだわりました。NTTドコモ代々木ビルを「ドコモ岳」にしたことについて、「これがやりたかっただけだろ」と多くの方にコメントを頂きましたが、実際はビルを山にするというアイデアが元々あって、名前を考えている途中で気づきました(笑)。

――「新宿連峰」が完成した時の感想を教えてください。

 そこそこ山の地図っぽくできた気がします。ただ、かなり省略しているビルが多いので、もう少し新宿にクローズアップしても良かったかなと思いました。

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 加藤さんは「そこそこ山の地図っぽく」と語っていますが、本物の地図なのではないかと勘違いしてしまうほどリアル。

 「新宿連峰」の投稿には、「渋谷も作ったら面白そう」「色んな街のも見たくなってしまいました」などのコメントが寄せられ、次回作を期待している人が数多くいます。

<記事化協力>
地図とかデザインとかさん(@chizutodesign

(佐藤圭亮)