9月2日、自身のXにて「なりすまし詐欺」について注意喚起を行ったGACKTさんが、5日に再度ポストを投稿。「芸能人を騙るなりすまし詐欺をなぜ信じてしまうのか」について自身の考えを述べました。

■ 「そのGACKTはGACKTじゃない」

 GACKTさんは9月2日、DMに届いたという自身のなりすましに関する被害相談を公開。

 寄せられた話によると、連絡してきた人物の母がGACKTさんを騙る何者かとSNSにて繋がり、いずれは結婚すると言い出しているという内容。そこで母の目を覚まさせるために、GACKTさんに対し「それは詐欺だ」「そんなやりとりはしていない」と返事をして欲しいと助けを求めていました。

 これに対しGACKTさんは、DMを公開するかたちで返信。「ボクのプロフィールにあるアカウント以外は全部ウソ。そのGACKTはGACKTじゃない」と全てのファンに対して注意を呼びかけたのです。

 この投稿は、1.2万リポストされ大きな注目を集めましたが、同時に一部からは、なぜ騙されるのか、といった被害者に対する意見も寄せられていました。

■ 退屈であればあるほど、その退屈を紛らわす【何か】を求めるのが人間

 それから数日たった5日に、他人から見れば明らかな嘘だと分かるものでも、なぜ信じてしまう人がいるのかについて自身の考えを投稿しました。

 信じてしまう理由についてGACKTさんは「退屈であればあるほど、その退屈を紛らわす【何か】を求めるのが人間だから」と考察。

 続けて「怪しむ気持ちを持っていたとしても、日常に刺激をくれるその出来事が頭から離れなくなる」「だからこそ、【そんな嘘】に騙されてしまう」と、指摘。

 その上で「騙されない為には周りとの関わりや、寂しさと退屈を埋める趣味や熱中できるものが必要」と結論付け、「最近毎日が退屈だなと思う人ほど、気をつけて欲しい」と、再度注意を呼びかけました。

■ 増加傾向にあるSNS型投資やロマンス詐欺にも共通しているかも

 今回のケースは芸能人のなりすまし詐欺、ロマンス詐欺にあたりますが、GACKTさんが指摘する被害者になりやすい人物像は、劣悪な商材詐欺や、金融詐欺に騙される人にも共通していると言えそう。

 おたくま経済新聞ではネットを介した詐欺について度々特集しています。その中で被害者から話しを聞くことも多々あるのですが、被害に遭われた方は、婚活中の方や、恋人と別れたばかりの方、病気を抱え周囲から孤立している方など、GACKTさんが指摘するよう「孤独」を抱えている人ばかりでした。

 加えて、同じ人が投資詐欺、ロマンス詐欺など複数の詐欺に騙されてしまったケースもよく聞きます。さらに周りに相談できる人がいない、もしくはできない環境にいるのか、編集部に対して被害相談を寄せてくるケースも。

 こうした「孤独」を詐欺師たちは見逃さず、愛情やお金が充実した非日常への憧れを抱かせることによって、「怪しい」と感じてはいても、心のどこかで「本物かもしれない」という期待をもたせ、嘘を信じ込ませようとしてくるのです。

 SNS型投資やロマンス詐欺といったネットを介した詐欺は年々増加傾向にあります。GACKTさんが言うように、周囲との関わりや熱中出来るものを見つけることは良い対策と言えるでしょう。くれぐれも詐欺に騙されることがないようご注意ください。

<参考・引用>
GACKTさん公式Xアカウント(@GACKT

(山口弘剛)