奈良県天理市にある前方後円墳「西山塚古墳」の麓に、新たな宿泊施設「cofunia(コフニア)」が2025年3月20日にグランドオープンする。

 この施設は、古代の思想である「陰陽五行」と「五感」をテーマに設計され、過去と未来をつなぐ特別な宿泊体験を提供する。宿泊料金は1泊2日朝食付きの2名で3万2000円(税込)からの設定。

 cofuniaの立地である「西山塚古墳」は、第26代継体天皇の皇后である手白香皇女の墓とされる場所。年間約25万人が訪れる「山の辺の道」ハイキングコースの途中に位置し、墳丘からは大和三山を見渡せる絶景が広がる。

西山塚古墳とcofunia

墳丘からは大和三山を見渡せる絶景が広がる

 cofuniaの誕生は、長年空き家だった築100年以上の古民家を活用したいという地元住民の声を受けて始まった。リノベーションは全国から集まった約100名のボランティアが地元コミュニティと協力して実施。資金はクラウドファンディングを通じて集めた。その結果、「木・火・土・金・水」の陰陽五行をテーマにした4棟の宿泊棟と1棟の飲食棟が完成。

中庭からの外観

 各宿泊棟には特徴がある。「こがね(金の棟)」は真鍮のシルエットが際立つ、静寂に包まれた空間。「みず(水の棟)」はツリーハウス風のデザインで冒険心を刺激する。「つち(土の棟)」は洞窟をイメージした独特の空間で墳丘を望む寝室付き。「き(木の棟)」は古材を活かした温かみのあるデザイン。「ひ(火の棟)」はおくどさんを模したキッチンカウンターが特徴の飲食棟である。

こがね(金の棟)

みず(水の棟)

つち(土の棟)

き(木の棟)

宿泊者専用の食堂(火の棟)

 宿泊費の一部は、西山塚古墳の保護活動や景観維持に充てられる。今後は、古墳に生息する植物や古代の道具を用いた体験プログラムも提供予定となっている。

情報提供:cofunia