「いいよなあ、上級市民は“本物の肉”が食べられて。こっちは生まれてからずっと“合成肉”暮らしだってのに」

 ……なんて声が聞こえてきそうな、まるでディストピアSFに登場するような食事風景がXに投稿され、話題を集めています。

■ 豪華なお重と無機質なステンレスプレート……夫婦の間に生じた「食卓格差」

 52Hzという漫才コンビとして活躍する、吉本興業所属のお笑い芸人・瑞希さんが先日Xに投稿したのは、“妻との食事シーン”を収めた1枚。

 奥側、妻さんの手元にあるのは彩り豊かで豪華なお重。一方で手前側、瑞希さんの手元にあるのは、無機質なブロック、タブレットタイプの食品ばかりが盛られたステンレスのフードトレイ。

まるで上級市民と下級市民のような格差

 政府によって国民が選別され、職業や住居、日々の食事までもが厳しく管理されるようになった数百年後の未来……を描いたディストピアSFのような食事シーンです。

 投稿には「階級格差…」「なんで一緒に過ごしてんの?」「おや?何番の地区の方ですかな?上官殿と食を共に出来るとは」などと同じ世界の住人と思しきユーザーからのリプライも……。

 もちろんこれは遠い未来を描いたフィクションではなく、瑞希さんの日常の一幕。

 瑞希さんの過去の投稿を見ると、ブロック食品やゼリー飲料をワンプレートにのった“ディストピア飯”が何件も確認できます。なんて模範的な下級市民の振る舞いなのでしょう。

ディストピア飯を嗜む瑞希さん

 食にあまり興味がなく、しばしばこういった“ディストピア飯”を嗜むという瑞希さんに、詳しくお話をうかがってみました。

■ 豪華なご飯は妻に献上し、自分はディストピア飯「基本的に食に興味がないので」

-- ディストピア飯はよく作られているようですが、いつごろから始められたのでしょうか?

 2023年の5月頃からだと思います。

はじめてのディストピア飯

-- ゼリー飲料、ブロック食品、キューブ状の飴、謎のカプセル……絵に描いたようなディストピア飯だ……。どんなときにこういったプレートを作るのでしょう?

 妻が外食で不在の際や、「これはディストピア飯っぽいな」と思う食材が手に入ったときなどにこういったご飯を作ることが多いです。

-- 今回投稿されたプレートのメニューの詳細を教えて下さい

 今回のものは「タフグミ」(カバヤ食品株式会社 )、「THE救難食糧ER」(萬有栄養)、「ナタデココ」(メーカー不明)、「大粒ラムネ」(森永製菓)になります。

-- 妻さんの手元にあるお重は、瑞希さんが職場の新年会でもらったものとのことですが、豪華な食事を妻さんに献上して、自分はディストピア飯……?

 基本的に旦那の僕のほうが食に興味がないので、良いご飯をもらった際には妻にあげるようにしています。

妻さんのお重

 今回僕の職場のリモート新年会としてご飯をもらったので妻に譲り、良い対比になるかと思いディストピア飯を作成しました。

-- なるほど……あげたときの妻さんの反応はいかがだったでしょうか?

 妻は僕と対照的に食にとても興味があるので、自分のローストビーフに大興奮していました

-- ローストビーフ美味しそうですもんね。瑞希さんのディストピア飯に対しては、何か反応がありましたか?

 こちらのディストピア飯には全く興味を示していません (笑)全く理解できない趣味だという目でよく見られています。

瑞希さんのディストピア飯

-- ところで今回のプレートのお味はいかがだったでしょうか?

 今までディストピア飯を作成して、味に満足したり美味しかったと思ったことはありません(笑)ロマンや世界観の設定に思いを馳せながら、無心で食べています。

-- おお、なんというか……凄みがありますね。確かに実際の格差SFでも味は二の次で、労働ができる程度の栄養・エネルギー摂取がメインみたいなところありますしね。

* * *

 ちなみに瑞希さんの漫才の相方はしおりちゃんというVTuberの方。

 実際の漫才の様子はYouTubeチャンネル「52Hzのしおりちゃん」で見ることが出来るのですが、動画サイトあるあるが詰まったネタになっていて面白いです。

 人間とVTuberの漫才コンビというのもまた、ディストピア感がありますね。

<記事化協力>
「てーくん(52Hz 瑞希)」さん(@taken_0114

(ヨシクラミク)