おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「未来を強くする子育てプロジェクト」表彰式開催 12組の団体と10名の女性研究者が受賞

 住友生命保険相互会社が主催する「未来を強くする子育てプロジェクト」の表彰式が2月28日、東京国際フォーラムで開催された。

 今年で18回目を迎えるこのプロジェクトでは、子育て支援活動に取り組む12の団体と、子育てと研究を両立する女性研究者10名が表彰された。

  •  住友生命は2007年の創業100周年を機に、このプロジェクトを開始。これまでに194の子育て支援団体と171名の女性研究者を支援してきた。今回は、209組の子育て支援活動団体・個人と139名の女性研究者の応募の中から、厳正な審査を経て受賞者が選ばれた。

    第18回「未来を強くする子育てプロジェクト」表彰式

     表彰式の冒頭では、住友生命の高田幸徳社長が、物価高騰などの影響で子育てや研究の環境が厳しさを増す中、前向きに活動する受賞者を称えた。また、こども家庭庁の竹林悟史氏は「子どもたちが健やかで幸せに成長することができる子ども真ん中社会の実現」を使命とする同庁の立場から、本プロジェクトの意義を強調した。

    高田幸徳氏

    竹林悟史氏

     選考委員長の汐見稔幸氏は、選考員を代表して「子育て支援活動」と「スミセイ女性研究者奨励賞」の両方の講評を行った。

    汐見稔幸氏

     子育て支援については、「繋ぐ」という言葉がキーワードにあるのではないかと汐見氏。本音が言いづらくなった現代で、窮屈な子育てを強いられがちな母親たちが気軽に本音を吐き出せる場所を作り、母親たちを繋げていくことも、出生率の増加には不可欠だと話した。

     女性研究者の支援については、昨今、海外へ出て研究をしようとする日本人が減りつつあることに言及。将来の日本人ノーベル賞受賞者を絶やさないためにも、外国での研究活動はしていくべきだと話した。そのモデルを作るためにも、女性研究者を支援し、研究者の裾野を広げていくことに大きな意義があるとのことだ。

     最後に汐見氏は、現代の日本社会はさまざまな課題を抱えてはいるものの「課題があるって、逆にこれから可能性もあることだと思ってます」と話し、式を締めくくった。

     今年の「スミセイ未来大賞」では、「一般社団法人タウンスペースWAKWAK」が内閣府特命担当大臣賞を受賞。「ひとりぼっちのいないまちをつくる」という理念のもと、多くの機関と連携し、子どもたちの居場所を提供している。「NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもと」は文部科学大臣賞を受賞し、外国ルーツの子どもたちの日本語学習支援の取り組みが評価された。

    一般社団法人 タウンスペースWAKWAK・岡本茂氏

    NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもと・竹村智子氏

     そのほか、「スミセイ未来賞」には、子どもたちの遊びや仲間づくりを支援している「足立子ども組織を育てる会」、長期療養中の子どもと家族の支援を行う「チャイルド・ケモ・サポート基金」、地域文化を次世代に伝えるイベント「カルチャーナイト」を開催している「カルチャーナイト北海道」など、10の団体が選ばれた。

    受賞した10団体

     一方、「スミセイ女性研究者奨励賞」では、「貧困層の包摂へ取り組むフェアトレードの課題と考察 −ボリビアの先住民女性によるフェアトレードを事例に」の猪岡愛佳氏、「19世紀英国の女性作家・旅行家が描いた日本と中国」の中越亜理紗氏など、10名の女性研究者が受賞。

    「スミセイ女性研究者奨励賞」受賞者

     受賞者の中越氏は、研究費の確保の難しさや育児との両立の困難さを語りながら、「今回いただく助成金を大いに活用しさらに研究を充実させて論文や発表など成果を出していきたいと考えております」と意気込みを語った。

    中越亜理紗氏

     「未来を強くする子育てプロジェクト」は、今後も地域社会に根ざした支援活動や、子育てと研究を両立する女性の支援を続ける予定だ。

    取材協力:住友生命保険相互会社主催 第18回「未来を強くする子育てプロジェクト」

    (ヨシクラミク)

    あわせて読みたい関連記事
  • ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に
    インターネット, おもしろ

    ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に…

  • 「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖
    インターネット, おもしろ

    「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖

  • 「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑
    インターネット, おもしろ

    「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑

  • 幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」にほっこり
    インターネット, おもしろ

    幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」に…

  • 危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果
    インターネット, おもしろ

    危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果

  • コストコのクマさん
    インターネット, おもしろ

    「クマさんが見てるよ」言っても聞かない我が子への“愛ある最終手段”

  • まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」
    インターネット, おもしろ

    まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」

  • 「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!
    インターネット, おもしろ

    「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!

  • 畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ
    インターネット, おもしろ

    畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ

  • 「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり

  • ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”
    グルメ, 食レポ

    【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出…

  • 見ているだけで健康になれる
    インターネット, おもしろ

    ここに入るために生まれてきた?芯にジャストフィットなハムスター

  • 自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋
    インターネット, びっくり・驚き

    自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

  • これが……猫?全力ダッシュで飼い主から逃げる猫ちゃんがカートゥーンすぎる
    インターネット, おもしろ

    これが……猫?全力ダッシュで飼い主から逃げる猫ちゃんがカートゥーンすぎる

  • “おうちゲーセン”が話題!個人宅のガレージに作られた光景に「家の要素どこ?」
    インターネット, おもしろ

    “おうちゲーセン”が話題!個人宅のガレージに作られた光景に「家の要素どこ?」

  • ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた
    グルメ, 食レポ

    ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた

  • トピックス

    1. 【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      コメダ珈琲店は10月16日から「ドデカメンチバーガー」と「ドデカチーズメンチバーガー」の2種類のバー…
    2. 自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      趣味を持つ人なら憧れる、好きなもので埋め尽くされた趣味専用の部屋。本、ゲーム、楽器、絵画、彫刻など自…
    3. 藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      プロの声楽家として活動する傍ら、1時間1000円から自分の時間を「レンタル」している男性。キャリア豊…

    編集部おすすめ

    1. 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      三重県の鳥羽水族館は10月15日、人気配信「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」の映像内容を一部変更すると発表しました。今後は、給餌の際などに…
    2. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    3. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    4. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    5. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト