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ヤマト運輸、元従業員が取引先情報を不正持ち出し 2社に流出、営業活動での使用も確認

update:

 ヤマト運輸株式会社は10月14日、同社の元従業員が兵庫県内の取引先企業に関する情報を不正に持ち出し、第三者2社に流出させていたことを明らかにしました。

 流出した情報の一部が営業活動に使われていたことも判明したとしています。

  •  ヤマト運輸によると、不正に持ち出されたのは兵庫県姫路市、加古川市、高砂市、宍粟市などに所在する一部取引先企業に関する情報2万6790件(1万1356社分)。内容は顧客コードや会社名、住所、発送個数、方面別・サイズ別比率、請求金額などです。

     このうち750件(561社分)には請求書宛名に含まれる氏名が、また324件にはヤマト運輸姫路主管支店の従業員・元従業員の氏名が含まれていました。

     一方で、荷物の届け先情報や「ヤマトビジネスメンバーズ」のログインID・パスワード、メールアドレス、口座情報などは含まれていないとしています。

    ■ 不審な営業活動から発覚、警察への相談も

     今回の件は、取引先から「(流出先の1社から)不審な営業活動を受けた」との連絡があり、同社が調査を実施したことで発覚しました。9月16日の時点で、元従業員による不正な情報持ち出しと、2社への流出が判明したとしています。

     流出先2社のうち1社では、実際に流出情報を利用した営業活動が1件確認されていますが、それ以外の不正利用は現時点で確認されていません。

     ヤマト運輸は両社に対して情報の破棄を求め、すでに「破棄済み」との回答を得ていますが、今後も必要な検証を行う方針です。

     同社は関係当局への報告を済ませており、警察にも相談。元従業員および流出先2社への刑事告訴を検討しているとしています。

    ■ 対象企業へ順次連絡、再発防止へ全社で体制強化

     流出が確認された取引先企業には順次個別に連絡を行っており、連絡が難しい場合には今回の発表をもって報告としています。また専用の問い合わせ窓口を設置し、「不審な電話や訪問を受けた際には当社までご連絡を」と呼びかけています。

     ヤマト運輸は「今回の事態を重く受け止めている」とし、全社員を対象とした情報セキュリティ教育の再実施や管理体制の強化を進める方針を発表。不正な情報の持ち出しや使用については、就業規則および法令に基づき厳正に対処する姿勢を示しています。

    <参考・引用>
    ヤマト運輸「元従業員による情報の不正持ち出しに関するご報告とお詫び

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