
NTTビジネスソリューションズ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:北山 泰三、以下、NTTビジネスソリューションズ)と株式会社ジェー・フィルズ(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:谷 一身、以下、ジェー・フィルズ)、株式会社ウエルクリエイト(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:松尾 康志、以下、ウエルクリエイト)は、工場排水処理設備の性能向上により汚泥の大幅な削減、および有機資源の循環を実現する酵素循環式排水処理システムのトライアルを開始します。
1.背景
近年、カーボンニュートラルや持続可能な世界実現のために、脱炭素や省エネ、省資源によって環境保全に貢献することが、企業に強く求められています。
NTTビジネスソリューションズは、食品残渣を堆肥化して新たな農作物を生み出す「地域食品資源循環ソリューション」を2019年から提供しており、循環型社会の実現に向けて課題解決を行ってまいりました。
「地域食品資源循環ソリューション」をご利用いただく中で、食品残渣以外の排水処理にお困りの声を数多くいただき、排水・汚泥の処理にかかるコストや、廃棄過程での温室効果ガス排出等の課題を実感しました。
これらの課題解決に向け、各社がこれまで培ってきたノウハウを統合し、新たに産業排水の再利用と汚泥削減、および有機資源循環を実現する、酵素循環式排水処理システムのトライアルを開始します。
2.トライアル内容について
産業排水処理で多く利用されている従来の活性汚泥法の処理性能を、酵素循環式排水処理システムを使い向上させることで、排出される汚泥を大幅削減するとともに、排出された汚泥のうち要件を満たすものは肥料化して活用することで、有機資源を循環させます。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/85099/109/85099-109-4d7f1a875a1a9fb786707504a874d708-1789x1069.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 有機資源の循環イメージ
● お客さま保有の排水処理設備に酵素循環式排水処理システムを増設。設備全体に酵素
を行き渡らせることで(以下、「酵素化」)、微生物分解を安定化かつ促進させます。
● 処理水は工場内で再利用いただき、リンなどの有用資源を含む有機汚泥を回収します。
● 肥料化して農作物等生育に向けた有用性を検証します。
3.期待される効果
酵素循環式排水処理システムの導入により、有機資源の再利用、各種コスト削減や脱炭素促進への貢献などの効果が期待できます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/85099/109/85099-109-fe08dbeb15cff7628a6ad2216aead605-1781x2133.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 酵素循環式排水処理システム導入イメージ
● 水資源再利用・有機汚泥の循環:BOD※4 10,000mg/L以上の高濃度有機排水も分解
可能であるため、環境への影響を最小限に抑制します。また、酵素を含む処理水は油分
分解も可能で工場清掃等の用途で再利用できます。成分を満たす余剰汚泥は回収して
肥料化するため、資源循環を実現することができます。
● 経費削減:余剰汚泥処理コスト、下水道加算金、pH調整剤・脱水凝集剤等の薬品費用を
削減します。
● 臭気軽減:「酵素化」による化学変化で臭いを無臭化するため、悪臭による近隣トラブル
を回避します。
● 脱炭素促進への貢献:「酵素化」された既存処理設備では微生物の死骸をも自己消化するため、
余剰汚泥を減容します(最大90%削減※5)。これにより、産業廃棄物処理過程の脱炭素を
促進します。
※4 生物化学的酸素要求量。生物が水中にある有機物を分解するのに必要とする酸素の量。
※5 酵素循環式排水処理システムの導入実績(ジェー・フィルズ調査)による。汚泥削減率は、原水の水質等諸条件によって変動します。
4.各社の役割
● NTTビジネスソリューションズ:本トライアルの企画・販売・検証
● ジェー・フィルズ:酵素循環式排水処理システムでの原水分解テスト・設備設計・構築
● ウエルクリエイト:汚泥の肥料化試験
5.トライアル開始日
2025年3月6日(木)9:00~
6.今後の展開
NTTビジネスソリューションズは、本トライアルを通して、製造業のライフサイクルアセスメントにおける温室効果ガス排出量等の指標改善を、産業廃棄物量の削減と有機資源の再利用によりご支援致します。
また、人による管理が当たり前とされている排水処理設備において、画像認識AIを用いた設備の遠隔管理や、排水処理に必要なエネルギー量の最適化など、NTTグループが有するICT技術を活用することで、効率的な排水処理の実現をめざします。さらに本システムで排出されるリン含有の有機汚泥の肥料化を実現することで、既に提供している「食品リサイクル事業」と連携し、理想的な資源循環型社会、持続的な環境保護、およびカーボンニュートラルに貢献していきます。
7.本件に関するお問い合わせ先
NTTビジネスソリューションズ株式会社
バリューデザイン部 ソーシャルイノベーション部門 松岡 入戸野(にっとの)
e-mail: water_recycle@west.ntt.co.jp
※お問い合わせの際はメールアドレスをお確かめのうえ、お間違いのないようお願いいたします。
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。