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ispace EUROPE、ユネスコの言語・文化遺産を月へ輸送

update:
   
株式会社ispace
~Barrelhandと記憶ディスクの月面輸送契約を締結、文化・言語遺産の保存に貢献~



 株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、当社欧州法人であるispace EUROPE S.A.(以下ispace EUROPE)と米国カリフォルニア州を拠点に宇宙における経済圏の拡大を目的した革新的なプラットフォーム企業Barrelhand Inc.(以下、Barrelhand)との間で、ユネスコの文化・言語遺産を保存した記憶ディスク「Memory Disc V3」を月面に輸送するペイロードサービス契約を締結したことを発表しましたので、お知らせいたします。

 本契約に基づき、「Memory Disc V3」は、ispace EUROPEが開発するマイクロローバー(小型月面探査車)に搭載されます。マイクロローバーは当社米国法人ispace technologies U.S., inc.(ispace-U.S.)が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の、一環として、月の南極・シュレディンガー・クレーターを目指す「APEX 1.0」ランダーから月面に展開される予定です。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/81/140640-81-de80f52bd708181b6fca26b0cc4192cc-1377x775.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ispace-U.S.が開発を進めるAPEX 1.0ランダーのイメージ画像

 「Memory Disc V3」は、直径19mm、厚さ1.2mm、重さわずか1.7グラムという小型の記憶媒体で、このディスクには、ナノフィッシュ(Nano Fiche)技術を用いて、約4GB分の現代の象形文字に相当する情報が、原材料であるニッケルの表面に超微細に刻まれています。当初は宇宙飛行士の心理的な支えとなることを目的としてBarrelhandにより考案されましたが、現在では、人類の記憶や文化を後世へと継承するための、普遍的かつ象徴的なプラットフォームへと進化を遂げています。
本ディスクは、放射線や極端な温度変化、真空といった過酷な宇宙環境にも耐えられるよう、ニッケルが持つ高い耐久性を活かして設計されていて、紙や一般的なデジタルメディアとは異なり、物理的な劣化がほとんど生じないことから、数百万年単位での長期保存が可能です。さらに、最大13万DPI(ドット・パー・インチ)という顕微鏡レベルの超高解像度で刻まれた情報は、極限の環境でも電力やデジタル機器を使うことなく、光学的な拡大だけで読むことができ、まさに、現代版のロゼッタストーンと呼ぶにふさわしい技術です。現在も開発は進められており、「Memory Disc V3」は、これまでのシリーズの中でも最も洗練されたものです。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/81/140640-81-c1cf5fea42617f5b5669920d829ac266-441x331.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/81/140640-81-4d7032f5c3987e5305dd9b897b26a4e3-439x585.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/81/140640-81-45b25f4a9960ee1c84b78a8e278aafc3-454x299.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
上・中・下:「Memory Disc V3」とディスクに刻まれた情報の画像 (Barrelhand提供)

 ユネスコによると、「国際の10年(International Decade)」は、特定のテーマや地球規模の関心事に対する認識を高めるための国際的な協力の枠組みであり、世界中のさまざまな関係者を結集し、連携した行動を促すための重要な手段とされています。
 先住民族の権利に関する2016年の国連総会決議71/178に続き、2019年には、国連総会において「国際先住民族言語の10年(2022~2032年)」の制定が決議されました。これは、先住民族問題に関する常設フォーラムからの提案に基づくものです。同フォーラムでは2016年時点において、世界で使用されている推定6,700の言語のうち40%が消滅の危機にあると警鐘を鳴らしており、その大半が先住民族の言語であることから、これらの言語と共に文化や知識体系までもが失われるリスクについて指摘しています。


■ ispace Europe CEO Julien-Alexandre Lamamyのコメント
 「人類が宇宙を探査するにあたって、私たちは技術だけでなく、物語や価値観、そして文化遺産も携えていく必要があります。ispaceは、政府や文化機関、民間パートナーと連携しながら、人類の歴史を地球外にも保存する枠組みづくりに取り組んでいきます。それにより、地球の遺産が新たなフロンティアへの探査とともに未来へと継承されることを目指しています。月面探査やシスルナ経済圏の発展を目指すお客様に対して、マイクロローバやランダーの開発を通じ、人類の暮らしを豊かにする文化的なペイロードの輸送にも対応してまいります。」


■ ユネスコの広報・情報担当事務次長 Dr. Tawfik Jelassi氏のコメント
 「言語は、人々の知識やアイデンティティ、そして世界観を伝える上で、重要な存在です。ユネスコは、多言語主義の推進および「国際先住民族言語の10年」の取り組みを通じて、いかなる言語も、そしていかなる文化も、この意義深いプロジェクトから取り残されることのないよう尽力しています。」


■ Barellehand社の共同創業者Michael Sorkin氏のコメント
 「このディスクは、アーカイブと同時に橋渡しの存在となるよう設計されました。人類の心理的、物理的、精神的な側面を5年間にわたり探求し、時間と宇宙を超えて深いつながりと発見を生むことを目指しています」


 ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了し、最短で2025年6月6日に月面着陸へ再挑戦の予定です。2027年には、米国法人が主導するミッション3および、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。


■ Barrelhand Inc. について
 米国カリフォルニア州に本社を持つBarrelhandは、宇宙経済へのアクセス拡大をミッションとした民間のイノベーションプラットフォームです。業界のリーダーや科学者、文化機関との協業を通じて、Barrelhandはテクノロジー、探査、人類の遺産が交わる領域の研究を推進し、宇宙開発の次章を作ることを目指しています。


■ ispace-EUROPE S.A.について
 ルクセンブルクに拠点を置く欧州法人であるispace EUROPEは、月面探査車の開発を重点的に取り組んでいます。欧州初となる独自設計および製造、組み立てを行い、マイクロローバー(小型月面探査車)の開発をしています。世界トップクラスの人材が集まり、ロボット工学技術やルクセンブルクのエコシステムとの強固なつながりを持つispace Europeは、欧州における月面産業の創出を加速させ、拡大する法人や個人顧客のニーズに応えます。
同社には、月面を模した月面ヤードや関連ミッションのシミュレーションを行うためのミッションコントロールルーム(管制室)を構え、月面探査車のナビゲーション技術の開発をサポートしています。


■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
 「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。ミッション3およびミッション4(旧ミッション6)は2027年に[i]打ち上げを行う予定。
 ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。




[i] 2025年5月時点の想定

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