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株式会社帝国データバンクは、「経営コンサルティング業界」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
SUMMARY
2025年1-10月に発生した経営コンサルティング業者の倒産は146件発生し、過去最多だった前年累計の159件を上回るペースで推移した。特に資本金1000万円未満の小規模事業者が多く、淘汰が進んでいる。コロナ禍で増加したIT導入需要に代わり、顧客ニーズはM&Aなどの高度な経営問題に変化している。生成AIの進展も背景に、専門性の高い企業とそうでない企業の選別が進行するとみられる。
集計期間:2000年1月1日~2025年10月31日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
経営コンサルの倒産、過去最多を更新へ 「まずはIT」需要減少
2025年1-10月に発生した「経営コンサルティング」業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は146件となった。集計を開始した2000年以降で最多だった前年(159件)を上回るペースで推移しており、年間で過去最多の更新が確実とみられる。特に、資本金「1000万円未満」の割合が8割超を占めるなど小規模な事業者で淘汰が続き、規模の拡大が続く中堅・大規模ファームとの格差が広がっている。
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経営コンサルでは、コロナ禍前後にかけて業務プロセスの見直しや自動化ツール・ERPパッケージの導入といったDXの推進からリモートワーク体制の構築など、「まずはIT」の需要が中小企業を中心に急拡大したことで、多くの経営コンサルで特需が発生した。国内の経営コンサルティング市場(事業者売上高ベース)では2021年度以降に前年度比1割前後の成長を続け、2023年度には初めて4兆円を突破したほか、社員数も16万人を超えた。
一方で、2024年度は引き続き4兆円市場を維持するものの、前年度からの伸び率は3%以下となり、「踊り場」局面に差し掛かっている。足元では「まずはIT」需要から、リスクマネジメントやM&A、新規ビジネスの開拓など、顧客ニーズが専門的な経営問題へ変化しているほか、クライアント企業の収益悪化なども背景に、単価競争や納期の厳格化、「1年以内の成果」といった短期的な目標達成を要求するケースも増えている。
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コロナ禍で多く参入してきた、申請代行など専門性の低い分野を請け負ってきたコンサル事業者では、大手ファームなどとの価格競争に耐え切れず、淘汰を余儀なくされる厳しい経営環境に直面した。特に小規模なコンサル事業者では、案件受注が少数の企業に依存しやすく、クライアント側の予算見直しやプロジェクト中断といった影響を受けやすい。目立った成果が得られず、不満を持ったクライアントから契約解除を受けるなど案件を失注したケースや、代替案件が獲得できず、人件費負担など固定費をまかなえず、経営に行き詰まるといったケースもみられた。
足元では、近年のコンサル需要増を背景に、将来の案件受注を見越した積極的な人材採用を行う経営コンサル企業が多かった一方で、高単価に見合う付加価値を提供できないなど稼働率の低下が課題となり、海外では大規模なレイオフを行うケースも発生している。簡易なデータ収集や分析など、経営コンサルが従来得意だった作業を生成AIが代替できるようになるなど、生成AIによるコンサル業務の侵食も始まるなか、高度な専門性を持つ経営コンサル企業とそうでない企業との選別が、今後より進行するとみられる。





















