健康ブームから様々なアレンジレシピが流行していますが、その中でも昨今流行中なのが「玄米豆乳ヨーグルト」です。
玄米に人肌の豆乳を注いで発酵させ自家製ヨーグルトにするというレシピが健康を気にする人の間で流行しだしたのは、インターネット上にあるレシピを見てみるとどうやら2009年頃から。健康マニアの人たちの間では長い間、密かにブームになっていたようです。
■そんな健康食にまさかの健康被害が
植物性で無添加だし手作りだから安全。そんなふうに謳われてレシピが拡散されてしまった玄米豆乳ヨーグルトですが、どうやらこのレシピは大変危険だとしてこのところTwitterを中心に騒がれていました。
注意喚起の発端は鍼灸師である若林理砂氏のツイート。
若林氏はこの存在を患者さんから教えられたそうです。そして、気になり詳しく調べてみたところ「怖いものが流行している」と驚いたそうです。
筆者の親類で食品関連の資格を多数もつ食品専門家の人に意見をもとめてみたところ、やはり「雑菌がかなり増えることが予想され食あたりの原因になりかねないのでは」とのことでした。
■なんで危険なの?
通常、ケフィアなどでつくる自家製ヨーグルトは種となるケフィア菌が人体に無害であることが大前提として生まれたレシピです。しかしこの玄米豆乳ヨーグルトの場合は、まずどんな菌でそのような発酵をさせるのかがハッキリとしていません。
ネット上では「カンジタ菌などの人体に有毒である菌が生んだ酸で発酵しているのではないか」、と食品関係の専門家たちが指摘しています。さらに作る過程でよほど衛生面をしっかりしない限り、他の菌が付着し一緒に繁殖することも考えられるそうです。
カンジタ菌とはカビの仲間で、経口から取り込んでしまうと食道炎の原因にもなりえる細菌です。常在菌ではありますが、免疫力が低下した人や子供などには牙を剥くこともあり、そんな菌を酸性にならない食べ物の中で増殖させ加熱もしない状態で口にしたら……考えるのも怖いですよね。
■「流行=安全性が高い」は間違い
インターネットが発達して欲しい情報がいつでも手に入る世の中になり、オシャレだったり美味しそうだったり、はたまた今回のように健康に良さそうだったりするレシピはすぐに拡散されてたちまち流行してしまいますが、一度ちょっと立ち止まってみてはどうでしょうか。
昨年、爆発的に流行したジャーサラダや水と野菜や果実と人の手についた菌でつくる酵素ジュースはそれぞれ衛生的に問題がある、とこちらも専門家たちが注意喚起を促しています。
ネット上で広がるレシピはオシャレで美味しそうなものが多いですが、そこに安全性があると保証されたものではありません。ジャーサラダや酵素ジュースに関しては、水分の多い野菜や果実を素手で触った時点から雑菌が繁殖していくことは容易に考えられます。おそらく「みんながやっているから大丈夫」だと思った人が非常に多かったようですが、そんなことはありません。
今回も身体にいいものを好む健康を気にする方々が流行の発信源だったようで、そこから「そんな人たちが広めたレシピなんだから大丈夫」だと思った人たちが共感して実践してしまっていたようです。残念ながら今まで食べていた方もこれから始めようと思った方も、今回のことを踏まえて玄米豆乳ヨーグルトならず少しでも安全性に疑問を感じるものについては手を出さないか、どうしてもつくりたい場合は衛生面と安全面をきちんと調べてからつくるようにしたほうがよさそうですね。
(文:大路実歩子)