世界で活躍する天才奏者たちは、その才能が早熟であることが多いようですが、日本でも将来があまりに楽しみな若きドラマーが注目されています。
多くの聴き手に感動を与えているのは現在4歳のとらたろうさん。
老人ホームの慰問で披露したX JAPANの『紅』ドラム演奏があまりに素晴らしく、お父さんがネットにアップした動画投稿には1万2千以上も「いいね!」がつき、あちこちから「すごすぎる」「え、4歳!?」などと絶賛されています。また、お父さんの話によると老人ホームでの紅は意外にも盛りあがったそうです。
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小さい体とは思えないほどの堂々とした演奏の後、おねだりしたのは何とイヤーモニター(※イヤーモニターとは音響を確認するためのヘッドフォンの一種)だそうで、間違いなく只者でない雰囲気を醸し出しているじゃないですか!!
というわけで、今回はそんな旬の人物であるとらたろうさんについて、お父さんから詳しい話を聞いてみました。
■「神楽」が目覚めのきっかけに
とらたろうさんはプロの演奏者を両親に持つ広島県広島市在住の2012年生まれ。現在は広島市内の安田幼稚園に通っているそうです。
音楽に目覚めたのは2歳のとき。中国地方で盛んな舞楽である「神楽」を見に行ったことがきっかけで、奏楽の和太鼓に興味を示し、その後リズム打ちを真似はじめたんだとか。
3歳になるとお父さんが主催する室内楽団からお下がりの小型ドラムをもらい受け、毎晩毎晩お父さんにセッションをおねだりし、親子でドラム&ピアノのセッションをする日々に。しかしながらプロのトロンボーン奏者であるお父さんはドラムについて教える技術は持ち合わせていなかったため、とらたろうさんは「耳で聴き、感覚的に真似る」という独学で技術を磨いていったんだそうです。
お父さんとのセッションも徐々に本格的になり、2016年4月にはドラムとトロンボーンによる親子バンド・楽隊龍虎を結成。老人ホームへの慰問演奏を始めます。
■しかしスランプに……
しかし2016年、とらたろうさんはスランプに陥ります。それまでは毎日のようにお父さんにセッションをねだっていたところ「ドラムあきた!」と宣言。しかし紆余曲折へてスランプを脱出。これがきっかけとなって「遊び」から「本気の練習」へとステップアップしていったのだそうです。楽隊龍虎のライブでは成功体験を積み重ねていき、ドラムの楽しさと実感も得るようになったと言います。
同年12月にはYouTubeで公開されている「壬生の乱」の模範演奏動画でも有名な“手数王”こと菅沼孝三さんと川口千里さんが主催するドラムレッスン・マスタークラスを受講。これをきっかけに2017年1月からは菅沼さんに師事し大阪まで新幹線でレッスンを受けに通っているそうです。
■幅広い演奏曲
とらたろうさんは老人ホームへの慰問をしていることもあり『ブルーライトヨコハマ』や『恋のバカンス』などの昭和の名曲も得意曲とし、本人もとても気に入っているそうです。
一方で『千本桜』や、『恋』『ペンパイナポーアッポーペン』などの最近流行している楽曲も好み演奏しているんだとか。
YouTubeで神楽を見ながら和太鼓を演奏する時間をとても大事にしているという天才児らしい横顔もありながら、普段はスキーやスケートが好きだというスポーツマンな一面も。温泉が大好きで、特に道後温泉に魅了されているなど、多くのものに興味を抱きながらドラマーとしての資質も磨いていっているのかもしれませんね。
今後の目標は「自分のドラムで全国各地を渡り歩くこと。特に鹿児島や大阪、東京、秋田に行きたい」と語るとらたろうさん。お父さんもそんなとらたろうさんに全面的に協力する姿勢だそうですよ。
幼少期から才覚を発揮している人は少なからず親御さんの協力が後押し、より才能を成長させていっていることは紛れもない事実です。
たった4歳でこれほどの才能を持つとらたろうさんが、どんなドラマーとして成長していくのか計り知れませんよね。今後も彼の活躍に大注目です!!
▼参考
4歳ドラマー とらたろう
(大路実歩子)