おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

銀色に輝くリアルなウルトラ怪獣 アルミホイルで作ったファンアート

 映画「シン・ウルトラマン」の公開で、ウルトラシリーズや登場する怪獣に注目が集まる2022年。ウルトラマンや怪獣の様々なファンアートもSNSに投稿されています。

 アルミホイルを素材に立体作品を作るアルミホイルアート作家、箔屋スフィカさんも、アルミホイルでウルトラ怪獣のファンアートを制作。全部で7つの作品をTwitterで発表しました。

  •  箔屋さんが作ったのは、五十音順にエレキング(ウルトラセブン)、ガボラ(ウルトラマン)、グドン(帰ってきたウルトラマン)、ゼットン(ウルトラマン)、ツインテール(帰ってきたウルトラマン)、レッドキング(ウルトラマン)の怪獣6体と、バルタン星人(ウルトラマンほか)の宇宙人1体、計7体です。

     これらの作品で、最初に作ったのはレッドキングとのこと。「新しい造形手法を試すのが目的でしたが、思いのほか出来が良く、怪獣熱に火がつきました。元々アルミホイルアートを始めた頃、ウルトラ怪獣は常に創作のテーマでしたから、初心に戻った気分ですね」と語るように、ある種の原点回帰にもつながったようです。

    レッドキング(箔屋スフィカさん提供)

     レッドキングは、ボリューム感のある脚部と、体の割に小さな頭部が造形上の特徴。このため、アオリの構図で撮影すると遠近感がより強調され、劇中の多々良島で科特隊員が遭遇した際の巨大感を感じられます。

     続いて作ったのは「最もお気に入りの部類」という、グドンとツインテール。グドンはツインテールをエサにしているという設定があり、ウルトラシリーズでは珍しく、捕食者と獲物という関係がはっきりした怪獣で「作るならセットで、と考えていました」と箔屋さん。

    グドンとツインテール(箔屋スフィカさん提供)

     ツインテールはその名の通り2本の尾が、そしてグドンは両腕の先端部がムチのようになっており、双方とも武器として使用します。「捕食する側される側ということで、お互いが対峙した時のせめぎ合いが動きに現れたほうが良いと考え、このポーズにしました」との言葉がよく分かる躍動感。

     実はグドンとツインテールの制作中、脳内ではウルトラマンが間に割って入って苦戦する様子を想像していたとのこと。「ウルトラマンを作る時が来たら、グドンとツインテールの真ん中に置いて苦戦してもらいます(笑)」とも語ってくれました。

     これ以降は有名どころを、という感じでバルタン星人、ガボラ、エレキング、ゼットンと作っていったそうで、愛着のある怪獣たちを気の向くまま形にしたのだとか。それぞれ劇中を思わせる、特徴的なポーズで作られています。

    ゼットン(箔屋スフィカさん提供)

     制作期間は「やはり新規技術の試作として作ったレッドキングが一番長く、2〜3週間かけたと思います。このシリーズでは大きめに作っていますので、それも影響しています。逆に最短はガボラですね。小さいサイズにしたので、2日ほどでできました」。

    ガボラ(左)とバルタン星人(箔屋スフィカさん提供)

     これらの作品で、あえて1番のお気に入りを挙げてもらうと、ツインテールとのお答えが返ってきました。

     「怪獣は基本スーツアクターの方が中に入るわけですが、ツインテールは人の形とはかけ離れたフォルムをしています。怪獣は異形感がそのまま迫力に繋がると考えていますが、その中でもツインテールはトップクラスのデザインだと思います」

     ツインテールは尾を腕で操演するという、いわば逆転の発想でデザインされた怪獣ですが、見た目は人間がどのように入るのか分からない、非常に独特なフォルム。箔屋さんもその異形さに深い思い入れがあるようです。

     箔屋さんにとっては原点回帰のモチーフともいえる、ウルトラシリーズの怪獣たち。これだけ魅力的なファンアートを見せられると、さらなる新作も期待してしまいそうです。もし次回作があるとしたら、どんな怪獣が選ばれるのか、興味は尽きませんね。

    <記事化協力>
    箔屋スフィカさん(@hakuya_89)

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 弁当箱から自作 こだわりが凄すぎる「8番出口弁当」に圧倒
    ゲーム, ニュース・話題

    弁当箱から自作 こだわりが凄すぎる「8番出口弁当」に圧倒

  • 「推し愛」で生まれた海の化身 ナス製カイオーガ精霊馬が24万いいね
    ゲーム, ニュース・話題

    「推し愛」で生まれた海の化身 ナス製カイオーガ精霊馬が24万いいね

  • 「ジオン水泳部」がスイーツ&パンに変身?食欲そそる塗装作品に注目
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ジオン水泳部」がスイーツ&パンに変身?食欲そそる塗装作品に注目

  • まさに「まな板の上のコイキング」……粘土で再現されたファンアートが切ない
    ゲーム, ニュース・話題

    まさに「まな板の上のコイキング」……粘土で再現されたファンアートが切ない

  • 「ゆゆ式」縁ちゃんが“コンセントの顔”に! 世界の規格を表現したファンアートが話題
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ゆゆ式」縁ちゃんが“コンセントの顔”に! 世界の規格を表現したファンアートが話…

  • なんか思ってたのと違う……けど似合いすぎ!父の集めた怪獣ソフビが大反響
    インターネット, おもしろ

    なんか思ってたのと違う……けど似合いすぎ!父の集めた怪獣ソフビが大反響

  • 「ジークアクスハロ」のファンアートが凄まじい完成度 劇中のパック状態も再現
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ジークアクスハロ」のファンアートが凄まじい完成度 劇中のパック状態も再現

  • 小石で描かれる斬新ファンアート 映画「碁盤斬り」草彅剛の肖像を描く
    インターネット, びっくり・驚き

    小石で描かれる斬新ファンアート 映画「碁盤斬り」草彅剛の肖像を描く

  • 「8番出口」に新たな異変?ファンメイドの再現ジオラマに巨大な黒猫が出現
    インターネット, おもしろ

    「8番出口」に新たな異変?ファンメイドの再現ジオラマに巨大な黒猫が出現

  • 画像提供:Ran(パンの人)さん(@konel_bread)
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「おぱんちゅうさぎ」を食パンで再現 切っても切っても出てくる姿に朝からにっこり

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • Discordの発表
    インターネット, 社会・物議

    「Discord」で外部委託先に不正アクセス 一部ユーザーの個人情報が影響か

  • 江口拓也さん&鬼頭明里さん、“声で伝える広報”第2章へ ENEOS「#こえ報部」新企画が始動
    イベント・キャンペーン, 経済

    江口拓也さん&鬼頭明里さん、“声で伝える広報”第2章へ ENEOS「#こえ報部」…

  • 旨辛ユッケジャンクッパ風スープ
    商品・物販

    ダイドードリンコ、韓国の味わいを缶スープで再現 「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ…

  • 新作ゲーム「裏バイト:逃亡禁止 たつ子の謎」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「裏バイト:逃亡禁止」の恐怖をゲームで 小学館がマダミス「たつ子の謎」を11月配…

  • 新物板うに手巻きセット(5貫分)
    商品・物販, 経済

    くら寿司、旬の「新物うに」登場 板うに手巻きセットや北海たこうにも販売

  • 無印良品、大盛りカレーを拡充 和出汁仕立てと香味野菜デミグラス登場
    商品・物販, 経済

    無印良品、大盛りカレーを拡充 和出汁仕立てと香味野菜デミグラス登場

  • トピックス

    1. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…
    2. 母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      大阪・関西万博をきっかけに、55年前の1970年の大阪万博(以下、70年万博)に興味を抱くようになっ…
    3. ハチワレ特製「暗殺者のチャルメラ」を再現 トマトと粉チーズでインスタントラーメンが大変身

      ハチワレ特製「暗殺者のチャルメラ」を再現 トマトと粉チーズでインスタントラーメンが大変身

      10月1日にXで公開された漫画「ちいかわ」にて、ハチワレがちいかわに振る舞った“暗殺者のチャルメラ”…

    編集部おすすめ

    1. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    2. フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉にドン・キホーテが展開している偏愛メシシリーズ。10月1日に「本当にこの組み合わせが好きな人が…
    3. 将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      オンライン将棋対局サービス「将棋倶楽部24」が、2025年12月31日をもって終了することが発表された。運営する席主の久米宏氏が10月1日付…
    4. pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      アパレルブランド「pium」が9月30日、店舗スタッフの接客に対する多数の指摘や批判を受け、公式Xにて謝罪文を公開しました。併せて再発防止策…
    5. 「ビー・バップ」クラファン始動、清水で“高校与太郎祭”実現へ 返礼に「鉄橋ダイブ」関連も

      「ビー・バップ」クラファン始動、清水で“高校与太郎祭”実現へ 返礼に「鉄橋ダイブ」関連も

      映画「ビー・バップ・ハイスクール」のロケ地として知られる静岡市清水区で、作品ゆかりの企画を集めた大型オフラインイベント「清水 ビー・バップ・…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト