「天才」「これを求めていた!」とTwitter上で絶賛されたステーショナリーグッズがあります。それはyonanp(ヨナンペ)が開発した「L字の付箋」。

 文字通り付箋をL字型にすることで、本の文字が隠れてしまう問題を解決したアイデアグッズです。今回はyonanpの三宅さんに開発の経緯などについてインタビューしました。

 yonanpとは、2人のデザイナーによるデザインユニットです。金沢美術工芸大学を卒業後、2013年に活動を開始。「L字の付箋」の他、これまで見る人の視線の高さによって表情が変化するハンガーフック「FACE」や、文字に潜む気持ちが浮かび上がって感じられる不思議な記号の磁石「メッセージシャク」など、ユニークでユーモアあふれる個性的なアイテムを生み出しています。

■ 付箋は「どうしたら邪魔にならないか?」

 元々、三宅さんは普段の生活で付箋をまったく使用していなかったそう。「なぜ自分は付箋を使用しないのか?」と考えた結果、「付箋は邪魔」という理由が浮かび上がったのだとか。そこから「では、どうしたら邪魔にならないか?」と、再び考え始めたのが開発のきっかけだといいます。たしかに、いちいちはがすのも面倒ですし、かといって貼り付けたままだと文字が見づらいです。

yonanp(ヨナンペ)が開発した「L字の付箋」

 「デザインなどが個性的すぎると長く使われない」という考えを持ちながら商品を開発している三宅さん。

 今回の付箋の時も、「一般的に付箋といわれたときに想像するものの延長線上にあるもの」を作った方が共感してもらいやすいのではないかと思い、「カタチをちょっとだけ曲げる」というアイデアに至ったと語ります。

■ 店舗などでの販売は不向き?

 L字の付箋を作る上では、世の中にはたくさん付箋があるので、代用できるものもたくさんあると危惧していたそう。そのため「ちょっと曲げるだけ」のアイデアを「どうすればユニークに伝えられるのか?」を熟考。「1~2秒、見たら大体のコンセプトが伝わる」「差別化が分かりやすいように」という2点を調整するのに苦労したと振り返ります。

「どうすればユニークに伝えられるのか?」を熟考

 「Twitter上で共感の声も多く非常にありがたい」と語る三宅さん。ただし、商品として考えると使用する人を選んでしまう部分が多いので、店舗などで販売するのは不向きと分析。「個人的には出版社などのノベルティや販促品などの方が相性いい気がしています」と語っていました。

 アイデアだけでなく、誰にどのような方法で届けるかということも非常に重要ということですね。今後、yonanpの2人からどんな便利で面白いアイテムが誕生するのか楽しみです。

<記事化協力>
yonanp

(佐藤圭亮)