今の連絡手段の主流といえば「スマホ」であり、「スマホ」がなければ、生活ができないというほどのインフラになりました。しかしかつては、当然のことながら「スマホ」は存在せず、「携帯電話」や「PHS」、そして「ポケベル」などを駆使して相手と連絡をとっていたのです。
中でも「ポケベル」は今の40代中頃あたりの人にとっては、「青春」の象徴とも言うべきアイテム。今から25~28年程前には、重要な連絡手段として使われていました。そうした世代を狙い打ちする「カプセルトイ」が発売されています。再現されたのは「ポケベル mola(モーラ)」。覚えているかな?
■ 「ベル打ち(ポケベル打ち)」ってあったよね
カプセルトイを手がける「ケンエレファント」から登場したのは、「東京テレメッセージ監修 ポケベル ボールチェーンマスコット」。ボケベル全盛期に一世を風靡したポケベル「mola(モーラ)」を、東京テレメッセージ監修のもと、ミニチュア化したカプセルトイです。
ミニチュアと言ってもほぼ原寸大らしいです。まさしく平成のおっさんホイホイ商品としか言いようがないのですが、ポケベルを片手に必死にお目当ての子とやり取りしていた時代を思い出します。
今なら「LINE」でポンと送るだけですが、当時は相手から「ベル番(ポケベルの番号)」を聞いて、暗号のようなメッセージを送るという流れ。特に初期の頃は数字だけしか表示されなかったため、「724106(なにしてる)」なーんて風に入力して相手に意志を伝えていました。
それが1996年頃にカタカナなどが送信できるように。今回ミニチュア化された「mola」もその一つ。とはいえ直接カタカナが入力できるわけではありませんでした。「ベル打ち(ポケベル打ち)」と呼ばれる番号(コード)を押して文字を呼び出し、文章を作るという世界が繰り広げられていたのです。
それを考えると今は便利になりましたね、そんなこんなを思い出しつつ、回していきます。
■ ポケベルmola ボールチェーンマスコットをまわしていく
価格は1回500円という、割といいお値段の「カプセルトイ」です。カプセルトイ自販機の中身を見てみると売れ行きは……うん、まずまずですね。
出てきたのはなんとも可愛らしい、ショッキングピンクのカプセル。ちなみに中身のラインナップは、Blue・Gray・White・Pinkの4種類。
そして出てきたのは、「Gray」うーん渋い。ちなみに筆者が持っていたポケベルは、東京テレメッセージのものではなく、NTTドコモのポケベルで、今でもある意味話題の「広末涼子」がCMをしていたモデルです。
当時始まったばかりの「漢字」が送信できるという画期的なモデルでしたが、こちらの東京テレメッセージのモデルは「カタカナ」「英数字」のみですね。
画面には、Blue(コンヤアイテル?ノミニイカナイ?)、Gray(ナニシテル?TELクダサイ)、White(フンスイマエデアイマショウ!)、Pink(スキダヨ(ハート)ハヤクアイタイ)と書かれております。
Grayの(ナニシテル?)は、相手の気を引く際の常套句で、このメッセージが来ると、遊んでくれるのかな?みたいな期待を寄せてしまいます。ただ、返信をしても「スルー」され、ただの挨拶だったという可能性もあり、一概に「ウレシイ」メッセージとも限りません。
ちなみに、左矢印ボタンを押すと、2種類のメロディが交互になります。また振動もしますので実機さながら。あの頃に戻った気分です。そうそう、このチープな単音がいいんですよ。
今のスマホと並べてみると、通信手段もだいぶ変わったな……と実感。まさかこんな巨大な画面を指で操作する時代が来るとは夢にも思っておりませんでした。
さてさて、約半世紀後にはいったいどんな機種がメジャーとなっているのでしょうか。時代に逆行して、画面がなくなって音や信号だけになるなんてことは……ないでしょうかね。もしくは文明が後退して「矢文」が主流になってたり……。
<参考>
東京テレメッセージ
ケンエレファント(発売元)
(たまちゃん)