全国の組織で作られる萌えキャラを探し出し、紹介する当企画。防衛省が直接企画してる訳じゃないから、結構発掘が大変だったりする訳ですが(なので情報も募集してますよ!)、今回は各方面から大反響の萌えキャラ4姉妹をご紹介。
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千葉県木更津市にある、陸上自衛隊木更津駐屯地。ここの東部方面航空隊・第4対戦車ヘリコプター隊に所属する「木更津4姉妹」です。
そもそもの発端は2011年10月。開設記念行事・航空祭に地上展示する第4対戦車ヘリコプター隊のAH-1S対戦車ヘリコプター(コブラ)に、隊員が描いたオリジナルキャラ「AOIちゃん」をデザインしたスペシャルマーキングを実施したことでした。
これがネットで「自衛隊始まってたwww」と評判に。たまたま『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむらに似ていた為に「ほむほむの痛コブラ」なんて話も聞かれましたが、あくまでもオリジナルキャラです。
翌2012年は、第4対戦車ヘリコプター隊の20周年(1992年3月27日新編)にあたるので「どうせならプロにデザインを頼もう!」と、広報・取材で付き合いのある市ヶ谷の某出版社を通じて、企画に乗ってくれる方を紹介してもらうことに。結果『MC☆あくしず』などで活躍するイラストレーター、藤沢孝さんが快諾してくれて「パイロット・木更津茜2等陸尉」のデザインが完成。
この際、前年に登場したキャラを含めて「木更津4姉妹」が設定されました。
木更津茜(長女・2等陸尉)
木更津葵(次女・3等陸尉)
木更津若菜(三女・陸士長)
木更津柚子(四女)
第「4」対戦車ヘリコプター隊だから4姉妹なのかもしれません。長女と次女はパイロット、三女は通信士という設定。機体だけではもったいないので、女性隊員に茜と同じ赤いロングヘアのカツラをかぶせて、展示機と一緒に登場。実際には、女性のヘリコプターパイロットは存在するものの、職域制限で対戦車ヘリコプターのパイロットにはなれないそうです。
彼女達をデザインしたオリジナルグッズも制作して頒布。著作権・版権については、ワンフェス同様「当日限定」で藤沢さんから許可を貰ったそうです。ちなみにこの「痛コブラ」他の制作には約15万円ほどかかったとか。費用は隊員らのカンパで捻出されました。
プロがデザインした「痛コブラ」は前年を上回る評判を呼び、来場者によって撮影・アップロードされた動画はすごい再生数を記録する人気に。よいアピールになったのですが……その「評判」が陸上幕僚監部の方にも届き、直後の火曜日「やりすぎ」とキツいお叱りの電話が来たそうです。
そんなこともあってか、この「木更津4姉妹」の痛ヘリコプターは2013年度限りということに。先日行われた2013年度の開設記念行事・航空祭では、4姉妹のうち痛ヘリコプターになっていなかった、三女若菜と四女の柚子をモチーフにした機体2機が登場して有終の美を飾りました。
使われたのは、第1飛行隊の対戦車ヘリコプターAH-1Sと、観測ヘリコプターOH-1。公式に「痛コブラ」「痛オメガ」の名称が用いられました。オメガというのはOH-1のコールサイン(無線通信時の呼び出し符号)。
AH-1Sは若菜、OH-1は柚子。AH-1Sには今年の駐屯地開設記念行事・航空祭のキャッチフレーズ「上総から羽ばたけ未来へ」も書かれています。
柚子のOH-1には手裏剣も書かれてますが、これはOH-1の愛称「ニンジャ」を反映したものです。そして今回も「木更津若菜によく似た隊員」が登場。第4対戦車ヘリコプター隊の任務である「対戦車道」を解説した装備品展示で解説役も務めました。
今回はマーキングが2機になったので、かかった予算は30万円以上に膨らんだそうです。もちろん予算はカンパ。グッズの販売で穴埋めするそうですが、とにかく関係者の熱意によって実現したのがよく判ります。
展示機の周りでは、木更津若菜似の隊員(公式には「コスプレではない」そうですよ)や、展示機と一緒に設置されたキャラの等身大パネルと記念撮影する来場者の姿も。
最後ということで、お昼の装備品展示前にはデザインを担当した藤沢孝さんを来場者に紹介。今までの厚意に感謝の意を伝えていました。
さすがに「やりすぎ」と上からお叱りを受けた為、もうできないのが残念です。しかし1990年代、航空自衛隊・第204飛行隊のF-15に施されたスペシャルマーキング「ミスティックイーグル」シリーズ同様、伝説になったことは間違いなさそうです。
(文・写真:咲村珠樹)
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