来月に控えた七夕。7月7日は、織姫と彦星が年に一度会える日とも言われています。
日本には、7月7日に笹の葉を飾り、習い事や文字の上達など“何かの上達”を短冊に書いてぶらさげるという風習があります。
近年ではシーズンともなると、デパートやスーパーの催事場などあちこちで笹の葉が飾られ、多くの人がそこに願いを込めた短冊を吊るしていく光景が見かけられます。
ところが近年、そうした場所に吊るされる短冊には「ものの上達」どころか、その欠片も消え失せた煩悩渦巻く願い事が多く発見されるようになっています。
そろそろスーパーの催事場でも七夕飾りが施されはじめるこの季節。一足お先に、昨年記者がみかけた煩悩うずまく短冊の中からちょっと変わったものをご紹介。
――鬼上司の佐藤さんがはやく異動になりますように
これは昨年、静岡にある某水族館でみかけた短冊です。あれからそろそろ1年。これを書いた方の願いはかなったのでしょうか……。
でも、短冊にまで書くくらいですから、よほどこの上司のこと嫌いなんでしょうね。
――お金に困らないで充実した生活が送れますように
誰もが思う願いごとですが、わざわざ短冊に書くほどです。よほど未来に不安があるのでしょうか?
あれから一年、充実した生活が送れていますか?
――リア充になりたい
なんと言っていいのか。まず外出して友達作りから始めましょうね。
――彼女募集!090-××××-××××
短冊と出会い系の伝言板を勘違いしている方のよう。この番号にかけた人はいるのでしょうか。謎は深まるばかりですが、もしかすると誰かのいたずらだったのかも。
――世界征服
何を目指しているのでしょう。それとも「世界平和」と間違えたのでしょうか。
文字は達筆な方でした。うーん。残念。
――息子が引きこもりから脱しますように
お母さんでしょうか。切実です。某スーパーでみかけた短冊ですが、あまりに切実すぎてなけてきました。あれから1年、ご子息は「脱引きこもり」を果たせたのでしょうか。
――妻の料理の腕が上達しますように
確かに何かの上達を願ってはいますが……。妙な切実さが溢れていました。
昨年はこうした煩悩に出会えましたが、今年はどんな煩悩短冊に出会えるか、今から楽しみでしょうがありません。
ただ、そもそもは冒頭にも触れたよう「何かの上達を願う」というのが元来の意味。あまりに欲をかくと、何も願い事がかなわないことも大いにありえます。
何事もほどほどに願うのがちょうどいいのかもしれませんね。
(文:虹子)
※誤字がありました。訂正してお詫びいたします。(修正箇所:移動→異動)