今年の土用の丑の日に食べるうなぎは、“重”ではなく“バーガー”になるかもしれません。
ロッテリアに7月16日から、期間限定で新商品「うな丼バーガー」が登場しています。かなり尖ったコンセプトのこのバーガー、気になりすぎたので早速食べてきました。
■ “うなぎ”単体ではなく“うな丼”をバーガーにした新商品が登場
19日の土用の丑の日に先駆けてロッテリアが販売開始した「うな丼バーガー」は、文字通り“うな丼”を挟んだバーガーです。“うなぎ”ではありません。“うな丼”です。バンズの間にうなぎの蒲焼のほか、ごはんパティが挟まれているのです。
うなぎを単体で挟んだバーガーですら驚くのに、そこを通り越して米まで含めたうな丼を挟むという、衝撃の発想。「美味しいの?」「美味しくないの?」という疑問が浮かぶより先に「食べたい!」の気持ちが溢れてきました。
早速ロッテリアに足を運びます。本品は一部店舗を除く全国223店舗で販売されており、ほぼ全国どこでも購入可能。価格は単品で税込990円です。
うな丼バーガーはバーガーラップではなく、箱に入った状態での提供。蓋の隙間から漏れ出てくるうなぎの香ばしい匂いに、食欲をそそられます。
箱を開けると、イメージビジュアル以上の迫力。思っていた以上にうなぎが大きく、上から取るとバンズからはみ出して見えます。このボリュームは期待大。
バンズの間にはうなぎの蒲焼、国産米100%のご飯パティ、錦糸卵、レタスが入っており、それらが特製てりやきソースとマヨネーズでまとめられています。
また別添えで山椒がついてくるのも嬉しい。やはり、うな丼に山椒は欠かせませんからね。
■ うなぎとバンズの相性はよく、美味しいには美味しい!が……
早速食べていきますが、うな丼バーガーはバンズ、ごはんパティ、うなぎの蒲焼と中身が多いため、裸で食べるのは少し難易度が高め。
ロッテリア側もそれを見越してか、食べやすいようにバーガーラップも別でつけてくれています。
バーガーをラップへ移し替え、まずは一口。
……ん?
真っ先に口の中に広がるのは、特製てりやきソースの甘じょっぱい味。てりやきバーガーの亜種といった食べ心地で、美味しいです。
美味しいのですが……いたか?うなぎ。
うな丼バーガーのうなぎは、バンズからはみ出るほどボリューミー。いないはずがありません。
そう思いながら数口食べ進めていくと……あ。いる。うなぎはちゃんといます。レタスやバンズの間に紛れて、ふっくらと柔らかいうなぎの蒲焼は、確かにいました。
うなぎに気がついた瞬間、口の中はてりやきバーガーからうな丼に様変わり。もちもちとしたごはんパティや錦糸卵との相性もよく、かなり美味しいです。
しかし気を抜くと、うなぎはすぐにいなくなってしまいます。うなぎがいなくなると口の中はまたてりやきバーガーに。あれぇ……なんだぁ、これ……。
まるで手でつかまえたうなぎが、ぬるんと滑って川へと戻っていくような状態。
どうやらうなぎの蒲焼が柔らかすぎるあまり、どの具材よりも先に口の中から消えてしまうことが原因のようです。そのため、うな丼を感じることができるのは、かぶりついてすぐのタイミングだけ。
うなぎが消えた後は、残ったレタスやごはんパティ、バンズによって存在が上書きされていってしまうため、ただのてりやきバーガーの味になってしまっています。なんて切ないバーガーなんだ。
■ 別添えの山椒を加えたら変わるか……?
別添えの山椒を加えたらなにか変わるかと思い試してみますが……てりやきソースとマヨという濃いめの調味料が相手では、山椒はあまりに無力。
かすかにピリッとした辛みを感じるものの、うな重を食べるときと同じだけの香り高さはありません。こちらも味が上書きされてしまいます。
全体的には非常に美味しいバーガーです。うなぎ単体はふっくらした食感で食べごたえがあり、てりやきソースもよく馴染んでいます。マヨネーズも、うなぎの新たな魅力を引き出しています。ごはんパティとバンズの相性もよく、味には文句のつけようがありません。
ただ、うなぎが繊細すぎる。食感も味もほかの具材に比べて上品すぎるせいか、メイン具材のはずなのに存在感がかなり薄いです。山椒もまたしかり。
「うな丼バーガー」というより、「うな丼」と「てりやきバーガー」の2種類のバーガーを同時に食べているような感覚。食後には「美味しさ」と「もどかしさ」の両方が残りました。
とはいえ、かなりポテンシャルを秘めている組み合わせではあります。好きな人は、絶対に好きなはず。間違いなく一度食べてみる価値のあるバーガーです。
(ヨシクラミク)