おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

本物そっくり!「換気扇のミニチュアブローチ」がレトロで可愛い

 換気扇をモチーフにしたブローチ「換気扇のミニチュアブローチ」が話題を集めています。

 こちらは、本業は映像作家をしているという「しばたたかひろさん」が作った作品。Twitterでは、25000件以上も「いいね」がつき、「面白い可愛らしい(笑い)」や「換気扇大好きな息子が喜んじゃいます!」などたくさんのコメントが続々と寄せられています。それにしても、なぜ「換気扇」をモチーフにしたのか聞いてみたい!ということで、しばたたかひろさんに取材しました。

  • ――換気扇ブローチを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

    4年前からイベントなどでグッズの販売を行っており、換気扇のブローチもそのために制作したものでした。イベントで展示販売される数多くの作品の中に埋もれてしまわないよう、モチーフ選びには気を使っています。馴染みはあるが、ミニチュアにされることが少ないモチーフを日々探しています。

    ――小麦粘土とはどのような粘土なのでしょうか?

    小麦粘土は幼児向けの、口に入れても安全な粘土です。小麦粉、食塩、油などが原料です。

    ――ほぼ毎日粘土で創作をしているとのことですが、作る上でのコンセプトなどあれば教えてください。

    コンセプトは「日常生活にとけ込みすぎて見逃してしまうもの」です。生活の中で存在感を放っているものよりも、つい見逃してしまうような些細な物を作品化する方がインパクトもありますし、意外性の高い作品は、毎日の楽しみにして頂けるのではないかと思っています。

    ――換気扇ブローチを作る上で、一番大変だったパーツはありますか?

    間違いなくファンのパーツです。形が複雑なため原型作りも一苦労しましたが、複雑な形状故に、シリコンでの型取りも時間がかかります。仕上げに塗装などもありますので、一番大変でした。

    ――大量に制作する際に、難しい点はどこですか?

    ひとつひとつ手作業のため、品質を一定に保つことが難点の一つです。手作業で大量に制作していると、形が歪んでしまうものや、塗装がうまくいかないものなど無駄が出てきます。それらを排除しながら制作すると、完成までにかなりの時間を要します。また、私の作品の多くはシリコン型を用いて量産するのですが、そのシリコン型を作るのも一苦労です。モチーフの形状に合わせて型の取り方を適宜変化させなければなりませんし、1つの型で複製できる回数も限られていますので、難しい型取り作業を何度も繰り返すことは、なかなかに大変だったりします。

    ――普段は映像制作をされているとのことですが、粘土で作品を作ることと何か通じることはありますか?

    普段はアートアニメーションの分野で活動をしているのですが、アニメーションの背景にジオラマを用いています。立体のジオラマに手描きの平面アニメーションを合成し、新たな世界観や空気感を作り出せないかと日々研究を行っております。私にとって立体とアニメーションは切っても切れない組み合わせであり、日々粘土で立体造形をすることは、結果的にアニメーションのクオリティーを上げる事に繋がっています。

    ――今後作りたい作品などあれば教えてください。

    「日常生活にとけ込みすぎて見逃してしまうもの」をコンセプトに小麦粘土で作品を作っていますが、小麦粘土では金属などの質感や、透明の表現が出来ません。そのため閃いてもお蔵入りにしてしまったアイデアが沢山あります。今後、素材を小麦粘土に限定しない作品の制作も考えており、一週間に一回程度の頻度で、ツイッターにて公開できたらと考えています。

     換気扇のミニチュアブローチ以外にも、イヤリングやイヤーカフなど女性が身につけるものを多く制作されているしばたたかひろさん。取材前は、Twitter上では男性名でも、実は女性の方が制作されているのでは?……と思い、恐る恐る聞いてみると「髭の生えた男性です(笑)。ミニチュアはインテリアとして扱われる事が多い気がするのですが、もっと外へ持ち出してほしいと思ったとき、アクセサリーにするのが最適でした」とのこと。クリエイティブは、性別なんて関係ないのだなと改めて思った筆者でした。

    <取材協力>
    しばたたかひろさん(@iine_piroshiki)

    (黒田芽以)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • 「全長25mmの工具」登場 キャステムが医療機器部品と同じ製法で再現
    商品・物販, 経済

    「全長25mmの工具」登場 キャステムが医療機器部品と同じ製法で再現

  • 画像提供:こるはさん(@kasuga_maru)
    インターネット, おもしろ

    大トロやウニが盛り付けられた豪華海鮮丼にゴクリ!粘土だと分かっていても食べたい!…

  • カプセルトイで「本当に使える香炉」登場 本当に使えるのか検証してみた
    インターネット, おもしろ

    カプセルトイで「本当に使える香炉」登場 本当に使えるのか検証してみた

  • 画像提供:イシバシエレクトロニクスさん(@ishibashi_elect)
    インターネット, おもしろ

    小窓から広がる架空の図書館 ミニチュア作家が描く壮大な物語

  • 携帯型扇風機が突然爆発……「落としたら即時使用中止を」経済産業省が呼び掛け
    インターネット, 雑学・コラム

    携帯型扇風機が突然爆発……「落としたら即時使用中止を」経済産業省が呼び掛け

  • 画像提供:タコナクションさん(@takonaction_)
    インターネット, おもしろ

    まるでタコ足のマフラー 夢が叶ったタコ作家が歓喜の投稿

  • 画像提供:金沢美味しい作家@ミニチュアの世界さん(@minimini_japan)
    インターネット, おもしろ

    能登の復興を願って ミニチュア作家が技術を生かして魅力を発信

  • 画像提供:タコナクションさん(@takonaction_)
    インターネット, おもしろ

    思わず二度見の「タコ足ネックレス」 実物の仕入れから始まる制作の裏側を聞く

  • 話題の信号機ピアスがまさかの猫モチーフに 猫好き必見の「にゃん号機ピアス」
    インターネット, おもしろ

    話題の信号機ピアスがまさかの猫モチーフに 猫好き必見の「にゃん号機ピアス」

  • 画像提供:サトラボさん(@satolabo0125)
    インターネット, おもしろ

    言い訳ピアス新作は「明日から頑張る」 つけてるうちはずっと明日延長?

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布
    商品・物販, 経済

    誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償…

  • Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに
    企業・サービス, 経済

    Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに

  • 期間限定で大阪・関西万博をモチーフにしたデザインも登場
    イベント・キャンペーン, 経済

    モリサワ、「フォント de スタンプ」公開 大阪・関西万博モチーフも

  • メガ“豚”級のウマさ 日清「ガーリックスタミナ豚丼」全国発売
    商品・物販, 経済

    メガ“豚”級のウマさ 日清「ガーリックスタミナ豚丼」全国発売

  • 警告画面
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Google、goo.glリンク廃止方針を一部撤回 アクティブなリンクは継続

  • Nick Turley氏(@nickaturley)の投稿
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ChatGPT、週次アクティブユーザー7億人目前に 4か月で2億人増加

  • トピックス

    1. 定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      夏になると、どうしてもあっさりしたものばかり選びがち。そんな中、「のり弁を冷やして食べる」──気にな…
    2. カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      東京・汐留の商業施設「カレッタ汐留」にある異色の立ち食いそば屋「そば さやか」がSNSで話題です。極…
    3. キャラ画像の誹謗中傷利用に懸念、「ワタシってサバサバしてるから」公式が注意喚起

      キャラ画像の誹謗中傷利用に懸念、「ワタシってサバサバしてるから」公式が注意喚起

      漫画「ワタシってサバサバしてるから」の公式Xが8月5日、登場キャラクター・網浜奈美の画像を、誹謗中傷…

    編集部おすすめ

    1. 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      育児用品メーカーのピジョン株式会社は8月6日、同社が2023年6月より販売している管理医療機器「電動鼻吸い器 SHUPOT(シュポット)」に…
    2. 怨念渦巻く家で、ナダルと村重杏奈が「リフォームホラーハウス」に挑む

      一軒家を魔改築する「リフォームホラーハウス」、MBSテレビで放送

      一軒家を丸ごとホラー仕様に魔改築する前代未聞のホラー×バラエティ番組「リフォームホラーハウス」が、8月8日と15日の深夜にMBSテレビで放送…
    3. RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      「RTA in Japan」は8月4日、2025年夏大会において、任天堂株式会社のゲームを利用しないことについて、経緯を説明。法人による任天…
    4. Nick Turley氏(@nickaturley)の投稿

      ChatGPT、週次アクティブユーザー7億人目前に 4か月で2億人増加

      米OpenAIが開発する対話型AI「ChatGPT」の人気が、再び急上昇しています。ChatGPTのプロダクト責任者であるNick Turl…
    5. 日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある“アボカドスキャナー”が便利すぎる

      日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある「アボカドスキャナー」が便利すぎる

      アボカドはギャンブルです。スーパーなどで見かけても、どれくらい熟してるのかは見た目ではわかりません。触って確かめることもできますが確度は高く…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト