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[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/35/83531-35-f88d0dd031f250272c907af56f932a46-960x540.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
燈株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長兼CEO:野呂 侑希)は、インフロニア・ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:岐部 一誠)とともに、AIによる道路構造物点検システム(以下、本システム)を開発しました。
本システムにより、車にスマートフォンを取り付けて走行しながら道路空間のビデオを撮影することでデータ収集とリアルタイムの異常検知、三次元データ作成が可能となり、舗装の異常(ひびわれ、ポットホールなど)のほか、道路落下物や植栽などの建築限界への侵食、ガードレールなどの道路施設の変形や損傷を自動検知することができます。道路点検、パトロールによる道路損傷の検知を客観的なデジタルデータで取得することができ、サービス水準の信頼性確保に寄与します。
1.背景
日本全国で老朽化が進む道路インフラの維持管理は、社会的に大きな課題となっています。損傷が進行してからの「事後保全」ではなく、軽微な損傷のうちに修繕を行う「予防保全」がSDGsの観点からも重要とされています。一方で、従来の点検では点検員が目視で異常を確認するため、点検員による結果のばらつきが発生し、点検結果の信頼性の点で課題がありました。昨今は、AIを活用した点検支援システムが開発されていますが、その多くは大量の教師データを事前に用意する必要がある上、検知できる対象が教師データとして学習された特定の異常(例:ひび割れ、ポットホールなど)に限定され、網羅的な道路施設の経年変化を把握できないという技術的な課題も存在しました。
2.概要
本システムでは、車両にスマートフォンを搭載し、走行しながら撮影を行うだけで、道路のひび割れやポットホール、植栽の侵食、ガードレール・標識の倒壊など、さまざまな異常箇所を車載のスマートフォン上で、様々なAI技術を用いて「教師データなしで」ほぼリアルタイムに自動的に検知することが可能であり、緊急度の高い損傷に対してその場での処置を判断することが可能となります。大量の教師データを事前に準備することなく汎用的な異常抽出が行えるため、これまで課題となっていた作業負担の大幅な軽減が期待できます。さらに、差分検知AIにより、道路空間の損傷個々の進行量を計測することができます。
本システムでは、道路の損傷検知に留まらず、必要な道路空間区間を対象として現場で3次元点群データの生成を可能とします。また、その場で管理に必要な個所の3次元点群データを生成することで、データの管理費用を削減することができます。それにより、道路空間の更新が必要な個所の3次元点群データの更新が容易にでき、いつでも最新の3次元点群データに更新することができます。そして、そのデータは、道路維持管理に限らず道路空間の施設管理、リスクマネジメント等、幅広い分野で利用できます。
下表に示すように、本システムでは複数のAI技術を適用することで、多様な検出対象の異常抽出や経年変化の把握を可能としています。
表:本システムにおける主な検出対象と適用AI技術、判定方法・メリット
[表: https://prtimes.jp/data/corp/83531/table/35_1_c6f3be649b1487752eab4fbe374a2276.jpg ]
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/35/83531-35-41f9d4b609f723dfadc19cbe7110306e-3560x1968.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[動画1: https://www.youtube.com/watch?v=Rdi-N0RIZkI ]
図1:舗装異常(ひび割れ、ポットホール)の検知
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/35/83531-35-60a7c4a12e4876bff4158278fe934b60-3112x1748.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2:ガードレール/標識などの変形の検出事例
[動画2: https://www.youtube.com/watch?v=bXVynrXhhbI ]
図3:植栽などの建築限界への侵入の検出事例(https://youtu.be/bXVynrXhhbI)
3.取得データの有効活用●必要な箇所及び見たい時だけ 3 次元点群データに変換してデジタルツインの構築が可能なため、クラウドデータ容量の負荷を軽減することが可能です(従来の約 1/100 程度)。
●動画データを取得する度に最新の 3 次元点群データへの更新が可能となることから、時系列での構造物の変状や災害前後などの変状を 2 時期の比較により確認ができます。
●損傷のある箇所を 3 次元点群データでデジタルツイン化することで、遠隔による点検から補修設計、工事まで一連の維持管理業務の支援ができます。
●構築された 3 次元点群データは補修設計や災害復旧への利用も可能です。
●AI を活用した点検技術によって、道路空間の点検結果を最短即日で確認することが可能になる他、技術者の経験年数に左右されないインフラメンテナンスが可能になります。
●日々の点検によるひびなどの異常の進展速度の可視化により、着手すべきインフラメンテナンス項目に対して優先度をつけることが可能になります。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/35/83531-35-20425287ad4babc5dd9327c5dabb0d6c-1032x2248.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4:システム画面(イメージ) ※画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。
4.今後の展開
今後は本システムの実証実験をさらに進めるとともに、蓄積した撮影データにより精錬された教師データの利用が可能となることから、継続的なシステム精度向上のための仕組みを構築予定です。
また、2025年夏を目標に自治体への導入・提供を本格化させ、インフラメンテナンスの効率化と安全性の向上に貢献してまいります。