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皮膚にシミがある部分では基底膜の脆弱化が起き、メラノサイトが活性化して過剰にメラニンを生成していることを発見

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日本メナード化粧品 総合研究所


 日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、藤田医科大学医学部(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪 1番地 98)応用細胞再生医学講座(教授:赤松 浩彦)及び皮膚科学講座(教授:杉浦 一充)と、シミのメカニズム解明に向けて共同研究を進めています。これまでの研究では、シミ部位において表皮と真皮を隔てる「基底膜」が脆弱化するメカニズムを見出してきました。今回、この基底膜の脆弱化によってメラノサイトが活性化し、メラニンを過剰に生成していることを発見しました。つまり、シミの改善には、基底膜の脆弱化を解消することが重要であると考えられました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-71ed7fe2ae6abe4a0f24e7d5b231f998-1335x730.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



 皮膚のシミは、紫外線などの影響によってメラノサイトがメラニンを過剰に生成することで生じます。また、シミがある部分は、表皮と真皮を隔てる基底膜が脆弱になっており、真皮にもメラニンが落ちていくことが報告されています。我々は以前の研究で、シミ部位において基底膜が脆弱になるメカニズムを発見しました*。
 今回は、基底膜の脆弱化がメラニンの生成にどのような影響を与えるのか研究しました。その結果、メラノサイトは通常、基底膜に接着して存在しますが、基底膜が脆弱化すると基底膜に接着できなくなり、その結果、メラノサイトが活性化し過剰にメラニンを生成するようになることがわかりました。この発見から、基底膜を正常に保つことは、表皮のメラノサイトの活性化を抑制し、シミを防ぐことにつながると考えられました。
 今回の研究では、基底膜の状態がメラニンの生成に関与するという新たなシミのメカニズムを見出しました。今後も、シミのメカニズムの解明に向けて、多方面からアプローチする研究を続けていきます。なお、本研究成果は2025年3月26日から29日にかけて福岡で開催される日本薬学会第145年会にて発表します。

* 2022年9月6日配信ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000048666.html


<参考資料>
1.シミ部位では基底膜が脆弱化している
 シミ部位では、基底膜の主要成分であるIV型コラーゲン(COL4)が減少して基底膜が脆弱になっており、真皮にまでメラニンが移行しています(図1)。我々はこれまでに、基底膜の脆弱化が起こるメカニズムを研究し、真皮に移行したメラニンが真皮幹細胞に取り込まれると、真皮幹細胞が本来持っている基底膜修復機能が低下することを発見しています(図2)※1。今回の研究では、基底膜の脆弱化がメラニン生成に及ぼす影響を検証しました。

※1 2022年9月6日配信ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000048666.html

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-d053437084eb97b24aa12e3dabc06195-1389x857.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 非シミ部位・シミ部位における基底膜の状態とメラニン分布


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-dbd65f19c78a040f4d5d6805110d6650-1454x796.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 シミ部位で起こっている基底膜脆弱化のメカニズム



2.メラノサイトは基底膜と接着できなくなることで活性化する
 シミ部位ではメラノサイトが活性化しており、メラニンを過剰に生成するとともに、樹状突起を伸ばして周囲の細胞にメラニンを活発に受け渡していることがわかっています。
 シミ部位のメラノサイトの活性化と基底膜との関連を調べるため、正常な基底膜(COL4あり)と脆弱化した基底膜(COL4なし)をシャーレで再現し、メラノサイトの培養を行いました。その結果、脆弱化した基底膜(COL4なし)で培養したメラノサイトでは、樹状突起が発達し活性化している様子が観察されました(図3)。さらに、メラノサイトの活性化に関与するMITF(Microphthalmia-Associated Transcription Factor)と呼ばれる転写因子の発現が増加するとともに、メラニン生成に関わる酵素チロシナーゼ(TYR: Tyrosinase)の発現も増加していました(図4)。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-2499c124677bc03a20be959dab90f8ac-1015x494.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 基底膜脆弱化によるメラノサイトの形態変化


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-d52c033d366d82f5d0f3770a828ed307-966x486.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 基底膜脆弱化によるメラノサイトの遺伝子発現変化


 また、正常な基底膜(COL4あり)で培養したメラノサイトに、基底膜とメラノサイトの接着を阻害する物質(DDR1阻害剤※2)を添加すると、MITFやTYRの発現が増加することも確認しました(図5)。
 以上の結果から、メラノサイトは基底膜に接着して存在することで、メラニンの生成が正常に保たれることがわかりました。つまり、シミ部位では、基底膜の脆弱化によりメラノサイトが基底膜に接着できなくなることで、メラノサイトの活性が高まっていると推測されます。このことから、基底膜を正常に保つことは、過剰なメラニン生成の抑制につながると考えられます。

※2 メラノサイトの細胞表面に発現し、COL4と結合するために必要なタンパク質DDR1(Discoidin Domain Receptor tyrosine kinase 1)を阻害する物質。

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-777027620ce80df52166b25233febb29-963x519.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図5 基底膜との接着によるメラノサイトの遺伝子発現変化


[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/81/48666-81-c1f14e6df3edafa35f66c5d990848f72-1116x491.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図6 基底膜脆弱化によるメラノサイトの活性化メカニズム

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