松屋史上最も辛いと言われた「水煮牛肉」の新作「水煮牛めし」が、4月15日より、一部店舗限定で販売されています。

 前作「水煮牛肉」でほんの少し食べ方をミスした筆者が、リベンジも兼ねて早速食べにいってきました。

■ “完飲”しても大丈夫!「水煮牛肉」初心者にも優しくなった牛めしスタイルの一品

 「水煮牛肉」とは唐辛子と花椒をたっぷり効かせた、煮込み料理。中国・四川風の辛さが堪能できる一品です。松屋では2025年1月から期間限定で販売されていました。

 今回の「水煮牛めし」は、そんな「水煮牛肉」を松屋らしい牛めしスタイルにアレンジしたものとなっています。販売は全国56店舗限定で、価格は税込630円。

店舗限定メニュー

価格は税込み630円

 ちなみに販売店舗は松屋の公式ホームページにある「店舗限定キャンペーン一覧」から確認することができます。

 さて、前回の「水煮牛肉」にも挑戦している筆者。実はそのときに1つミスを犯していました。

 それは「水煮牛肉」の汁まで完飲してしまったこと。

 煮込み料理と聞いていたので、和食と同じ気持ちでスープまで全部飲み干したのですが、実はこれは正しくないそうです。激辛中華は具だけを食べて唐辛子やスープといった部分は残すものだと、公開後に読者の方たちからおしえて貰いました。

 涙と鼻水を流しながらスープを啜ったあの時間は無駄だったというのか……そんな薄い絶望に囚われていた筆者です。

 しかし!今回の「水煮牛めし」は食べ慣れたスタイルなので心配は不要。初心者にも優しく(?)アップデートされているのです。

松屋

■ 口にしっかり残る辛さは健在!牛めしベースの甘辛味と、卵のまろやかさが美味しい

 提供された「水煮牛めし」は牛めし本体とお味噌汁、生卵という構成です。

水煮牛めし

 牛めしからは前回の辛さを舌に呼び起こす、唐辛子と花椒の香りがブワッと立ち上ります。

立ち上るシビ辛の香り

 「水煮牛めし」の具材は牛肉、玉ねぎ、輪切り唐辛子、花椒。玉ねぎはシャキッとした歯応えのありそうなものではなく、くたくたの牛めし仕様です。

 なくなった具材はキャベツ。「水煮牛肉」のときにはその甘みで筆者の舌をかなり助けてくれました。そしてその代わり、かどうかは不明ですが、生卵が加わっています。

卵黄あり

 まずは牛肉からいただきます。牛めしっぽさのある甘辛い味付けですが、同時に強烈なシビ辛さも備えています。一瞬で舌と口に辛さが広がり、飲み込んでもなお残り続けるこの辛さは「……よう、半年ぶりだな」と舐め上げたくなる存在感。

一瞬で舌と口に広がる辛さ

 白米と一緒に、生卵をしっかり絡めて食べても、辛さは少しも引きません。ビリビリと口の中に残り続けます。前回同様、涙と鼻水を抜きには食べ進められない辛さですが、美味しいのもまた事実。ベースが牛めしということもあり、より食べ慣れた味わいに仕上がっています。

ご飯といっしょに食べても辛さは引かない

 ご飯にもツユがしっかり染みていて、最初から最後まで余すことなく「水煮牛肉」を味わうことができるのです。また生卵が加わったことで全体的にまろやかになり、肉の旨味をより感じることができる気がしました。

スープがご飯に染み染み

 ただ、1つ難点があるとすれば、それは「逃げ場がない」ということ。

■ 牛めし1本勝負なので逃げ場なし!

 前回の「水煮牛肉」は定食スタイルだったため、メインが辛すぎても白米やお新香に逃げることが出来ました。しかし今回は牛めし一本勝負。白米は最初から「水煮牛肉」の手に落ちていますし、お新香はついていません。頼みの綱は味噌汁ですが、辛い料理と熱い料理の相性はあまりよくないので、期待はできません。

逃げ場のない辛さ

 記事冒頭で「初心者に優しく(?)」と書きました。食べ方に関してはその通りです。しかし味に関してはむしろ逆、他の味への逃げ場がない分、辛さを真っ正面から受け止めなければならないため、難易度が跳ね上がっている気がします。唐辛子や花椒もがっつりご飯の中に埋もれていて、「辛いから」と1つ1つを取り出して避けていくのは骨が折れる作業です。

唐辛子も花椒もたっぷり

 ただ、ご飯と「水煮牛肉」をしっかりあわせて食べることができるこの「水煮牛めし」は、前回の「水煮牛肉」が好きだった人なら、満足度高く召し上がれることは間違いないと思います。

 ちなみに本品はつゆだくも選択できますが、通常量ですでにごはんが真っ赤なので、苦手な人が「いつもつゆだくだから」と普通の牛めしの感覚でつゆだくを注文すると、無事に終了すること請け合いです。お気をつけください。

完食

(ヨシクラミク)