使う度にちょっとわくわくしてしまう、古代エジプトのヒエログリフがあしらわれた『エジプシャンクラフトテープ』(4種)が4月に超限定販売されます。価格は1巻1,300円(税別)。

取り扱いが行われるのは、兵庫県宝塚市にあるアートカフェ『Atelier cafe CAST』と大阪市西区九条南にある『精光堂文房具店』の2店のみ。

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エジプシャンクラフトテープ

こんな素敵な商品なのにもったいないですよね。ぜひ一般販売して欲しいところですが、実はこれ元は非売品なのです。だから販売されるのもほんのちょっぴり。

神殿の柱みたい

でもあまりに残念すぎるので、作者である万請負デザイナーのfengfeeldesign阪口哲清さんに「もっと沢山売ってください!」という直訴がてら詳しい話を聞いてみたところ、元々このテープはfengfeeldesignで販売・配布している「装飾活字データ」の製品化見本の一例として作ったものだそうです。「実証用なので、今後こういった加工の仕事がきた時に品質を確かめてもらうために使います。」と仰ってました。
だから売ってもほんの「ちょっぴり」なのはそれが理由。取扱先も、関係あるところだけに絞っているそうです。

エジプシャンクラフトテープ
エジプシャンクラフトテープ全4種
沢山壁にはればエジプトの間とかつくれそう

『エジプシャンクラフトテープ』は120円で配布中の素材データ『ヒエログリフ』(ベクターデータ)を使ってデザインされています。『ヒエログリフ』は、古代エジプトのヒエログリフ757種類を抜粋し阪口さんが手作業で修正と変更を加えデータ化したもの。他にもヒエログリフを使用したものには、黄金色がまばゆいフォイルテープ『王家の黄金』というものも作っているそうです。

フォイルテープ
王家の黄金

フォイルテープには可愛い柄が施された『未知の白銀』もあります。こちらはヒエログリフではなく装飾活字『フルニエ』があしらわれています。フランスパリで1742年に発行された『Fournier(フルニエ)鋳造所 活字見本帳』を、現地の方にお願いして取り寄せ、ヒエログリフと同じように阪口さんが一つ一つデータに起こしたそうです。一部オリジナルと異なる部分もあるそうですが、こちらは無償配布されています。

未知の白銀

そして、テープはどれも特殊印刷で知られる有限会社コスモテックが印刷をてがけたもの。だから製品自体のクオリティはお墨付きをもらったようなもの!なのにどれも一般販売はしないというのはホントもったいないです。

最後に念のための確認として「売ってください希望が沢山きたらどうしますか?」と聞いてみたところ、「販売は考えてません。お金無いしねー。これでなんか1つぐらい仕事取れたら儲けもんです!」と仰ってました。物を売って儲けようとは考えていないそうです。

さらに凄いのが「ヒエロとか120円だしフルニエも無料で配布してるんで、活用してもらってどんどん加工して機械を動かしてもらえたらハッピーです」「みんなほらー、作っちゃえよー、コスモテックに発注しちゃえよー、って感じです。絶対稼げる。」とのこと。アバウトだけど太っ腹すぎる!

ちなみに阪口さんはデザイナーとして自身のサイト『花形装飾活字を愛でる』を運営している他、音楽プロジェクト『特撮ギター研究所』や、ディープすぎる専門誌『月刊タニシ』(データ販売のみ)の中の人もやっているそうです。あなたがタニシの人だったのか!!!と驚きを隠せない部分ではありますが、とにかくストイックにふざけたことをするのが大好きな人物。エジプシャンクラフトテープにフォイルテープと作って販売しても怒らないそうなので商魂たくましい方は、ぜひご検討を!

(文:宮崎美和子)