高齢者運転による事故増加傾向をうけて4月1日から、兵庫県明石市の明石署などが作る「市交通安全推進協議会」が市内在住の70歳以上を対象に、運転免許証を自主返納すると「商品券」が受け取れる取り組みを行っています。
神戸新聞の報道によると1日の制度開始以降、市に返納した人は139人(4日時点)と昨年1年間に明石署に返納した118人を上回る「大反響」となっているそうです。
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自主返納した場合に申請して受け取れるのは、市販の商品券5千円分とバスかタクシーの利用券5千円分。さらに自主返納を勧めた人も中学生以上ならクオカード千円分。小学生以下なら「こども商品券」3千円分が受け取れるそうです。
なお、この特典が受け取れるのは申し込み先着300人まで。受付は9月末までを予定していますが、早々に達成する事が見込まれています。
■ネットには疑問の声
今報道をうけ、ネットでは「いい事だ」と賞賛する声がある一方で、「普段運転しない人が換金してるだけな気もする」「更新の適正テストをもう少し厳しくすればいいだけ」「お金をばらまいてるだけ」という厳しい声、さらには「過疎地だとどうしても免許証が手放せない」「車=ライフラインの一つになってるところもあるから」など、様々な声が上げられています。
今回の明石市の取り組みは、普段運転する高齢者の「返納するきっかけ」として機能しているのであれば問題ありませんが、ネットで指摘されている通り「返納したのが普段運転しない人ばかり」という事ならば、本来の目的からは外れている可能性があります。
今後この取り組みは枠の拡大を含め検討されるそうですが、今回返納した人の中にどれだけ普段運転している人がいるのか、結果どれだけ事故減少に繋がったのかなどきちんと見極めた上判断する事が世論からは求められそうです。
▼参考:
神戸新聞『特典制度の効果抜群 明石で免許証返納者急増』
(文:HideI)