兵庫県尼崎市の国道2号沿いにある「シャレコーベ・ミュージアム」。頭蓋骨の博物館というその珍しさはもちろんですが、ドクロの形をした建物の外観もインパクト抜群で、地域の名物スポットとして知られています。
そんな同館が、2023年12月19日に公式Xでつぶやいたのは「閉館の話、具体的になって参りました……」というショッキングな内容。二代目館長の山本さんに話をうかがいました。
シャレコーベ・ミュージアムは2011年に、初代館長である河本圭司さんがオープンさせた博物館。関西医科大学脳神経外科教授として頭蓋骨に興味をもち、書籍を出版する傍ら収集してきたシャレコーベグッズおよそ8000点超のうち1000点ほどが、3階建ての建物に余すところなく展示されています。
河本さんはその後2019年に永眠。跡を継ぐ形で、長女である山本さんが館長に就任しました。
Xにおいても投稿が度々話題になったり、施設を訪れた多くの方がポストしたりと賑わいを見せていたことから、業績は順調に推移しているかと思っていたところの、閉館危機の投稿。いったい何があったのでしょうか。
■ 課題は維持費 このままいくと2024年閉館予定
山本さんによると、閉館の話が出始めたのは12月中旬のこと。来館者数はコロナ禍以降でも伸長していたのですが、それ以上に維持費がかかるとのことで、2023年いっぱいをもって閉館する予定でした。
これを直に訴えた投稿に大きな反響が寄せられ、12月24日の開館日には100名を超える入場者を記録。Xにも感謝の言葉を綴ったものの、依然として楽観視できない状況は続いているそうです。
館の存続に対する思いをうかがうと「シャレコーベ・ミュージアムは、建物も含めて圧倒される世界観であふれております。一人でも多くの方に来ていただき、シャレコーベを通して生きていることや様々な事を考えてもらえる場所でありたいと思っています」とコメント。
亡き父から受け継いだ意思と、スタッフの想いを乗せ、なんとしても存続させていきたいという決意を語っています。
■ 2024年からは毎週日曜に加え、祝日も開館
これまでは毎週日曜日限定でオープンしていましたが、2024年から祝日も対象となるそうで、1月は7日、8日、14日、21日、28日の午前10時から午後5時まで開館予定。入場料は大人1000円、子ども(小学生以下)500円、乳幼児無料となっており、館内ではさまざまなシャレコーベグッズの販売も行われています。
単なる名物スポット、マニア向けの施設ではなく、ドクロを通して死生観と向き合える「シャレコーベ・ミュージアム」。開館日に兵庫を訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
<記事化協力>
シャレコーベ・ミュージアム(住所:兵庫県尼崎市浜田町5-49/公式X:@skull_museum)
(山口弘剛)