公園でも人気の遊具であるすべり台。全国にさまざまな形状のすべり台がありますが、千葉県柏市の柏公園には、かつて家庭用に普及していたプッシュホンの形をしたすべり台があるんです。

 現地に自宅の電話機を持参し、実物とすべり台とを比較したツイートが話題となっています。

 大きなプッシュホン形のすべり台と、自宅から持参したプッシュホンを比較した画像をTwitterに投稿したのは、たまさん。

 「我が家の電話機の親分が千葉の柏公園にいると聞いたのでツーショット撮ってきました。バカ小旅行」との文が添えられています。

 たまさんにうかがうと、このすべり台の存在を知ったのは2020年12月のこと。新聞で柏公園が紹介され、そこで興味を抱いたのだそうです。

 千葉県柏市が管理し、国道16号と大堀川に挟まれた場所にある柏公園。柏市民文化会館と東京慈恵会医科大学附属柏病院に隣接しており、駐車場がないため柏駅東口からのバス(坂東バス「ウェルネス柏」行き「柏市民分会会館前」バス停下車)がアクセス手段となっています。

 訪問した第一印象は「意外と地味な公園だなと思いました」というたまさん。しかし「公園内に『忠霊之碑』というものがあり、戦没者を祀るための施設として建設されたという説明が書かれてあったので、なるほどと納得しました」と、静かな環境である理由を理解したのだそう。

千葉県柏市の柏公園にある「プッシュホン形すべり台」全景(たまさん提供)

 すべり台はプッシュホンの本体がモチーフ。横の階段から上って、背後にすべり下りる構造。受話器は少し離れた場所にベンチとして再現されています。

 側面には「千葉県の加入電話150万台/公衆電話3万台突破記念」と書かれたプレートがあり、昭和56年(1981年)3月に当時の電電公社(現:NTTグループ)と柏電報電話局が連名で寄贈したとのこと。電電公社のマークに懐かしさを覚える方も少なくないかもしれません。

「プッシュホン形すべり台」のプレートと実物のプッシュホン(たまさん提供)

 存在感あるすべり台を見て、たまさんは「でかくても可愛い!改めて、色も形もこれが最高と思い直しました」と感想を語ってくれました。

 たまさんによると、以前、電話機のコードを飼っている猫さんがかじってダメにしてしまい、急遽予備を買い足したことがあったのだとか。このため、ご自宅には電電公社とNTT、それぞれのロゴが入ったプッシュホンが1台ずつあるのだそう。

たまさん宅にある2台のプッシュホン(たまさん提供)

 2台が写った写真も見せてもらいましたが、本体に入ったロゴの違いが興味深いですね。公園に持参したのは電電公社の方だと教えてくれました。

 たまさんは「ますます我が家の電話も大事にしたいと思いました」と語っています。ご自宅に同型のプッシュホンがある方だけでなく、大きな電話機のすべり台は、一度見ると新鮮な印象を覚えるかもしれませんね。

<記事化協力>
たまさん(@tama11304862

(咲村珠樹)