電車やバスなどの公共交通機関を使う子ども連れ、赤ちゃん連れの方は結構いらっしゃるかと思います。筆者も子どもが小さい頃は車の免許を持っていなかった事もあり、また繁華街などへ行かざるを得ない時にはよく地下鉄やバスを利用していました。
地下鉄などを利用していると、ベビーカーの上げ下ろしを手伝ってくれたりそれとなく子どもをあやしてくれたりとやさしい世界を感じた一方、子どもがぐずりだした時に感じる刺さるような冷たい視線がとても痛かったことを10年以上たった今でも未だに思い出します。そんな子育てをしている人の共感を大きく呼んだツイートがあります。
ハッピーなろうぜなるたぬき(@narunaru000427)さんが投稿した。こんな内容。
「電車で子供が泣き出して視線がつらそうなママさん、お疲れ様です。私は「子供の泣き声をきくと身体のなんらかの仕組みによっておっぱいが大きくなる」ときいたあの日から、子供が泣き出すと脳内で「バストアップタァァ~イムッ!!!チャッチャラ~」というBGMが鳴りますのでお気遣いなく」
このツイートは3万6千回以上リツイートされ、4万4千回のいいね!が付けられることとなりました。リプライにも母親の皆さんから「嬉しい」「救われた」という声があり、やはり今でも子育てをめぐる環境というのはあまり変わらないんだな……というのが筆者の実感です。
■本当に子どもの泣き声でバストアップするの?
一応筆者は看護師。そういう知識からぶっちゃけますと、他人の赤ちゃんの泣き声でバストアップするという研究論文などの医学的根拠は残念なことに……ありません。泣き声でバストアップというような動画も出回っているようですが、眉唾モノだったりします。
しかし、自分で生んだ子どもが母乳を欲している時に泣く声を聞くことで母乳の分泌が良くなるのはこれまでの医学的な研究で明らかにされています。
赤ちゃんを母乳で育てるための動物的本能による反射で、射乳反射といいます。これは女性ホルモンが大きく作用しており、特にオキシトシンというホルモンが主にこの作用を担っています。また、母乳を出しやすくする為に乳腺が発達し、この影響で乳房に脂肪が蓄えられ結果的にバストサイズが上がることがあります。(筆者も一時的にバストアップしました。授乳が終わった後の事は聞かないでください……。)
なお、授乳中の方は他のお子さんの泣き声でも射乳反射が出る事もあります。
■みんな最初は赤ちゃんだった
当たり前の事ですが、子どもが好きでも嫌いでも、最初から大人だったなんて人はどこにもいません。最初は赤ちゃんからスタートなのです。
泣き声が耳に付く、という方もいらっしゃる事かと思います。ですが、そこでイライラする前に一呼吸おいて、もし自分のお母さんが子どもの泣き声で周りを気にして困っていたら……と想像してみると、ちょっと優しい気持ちになれるかもしれませんね。
ちなみに「子供がきらーい」「子供の泣き声いらつくー」という方は当たり前にそれなりの数いらっしゃいます。が、しかし。これは看護師ではなく個人的経験から言わせていただくと、そういう人達に限って自分の子供ができると「子供大好き!!!」「溺愛」になるケースが少なくありません。
数年前まで、近所の子供に当たり散らしていたヤンキーなお兄さんが、結婚して子供が出来ると毎日子供の写真を持ち歩いているなんて話はよくある話。もし今「子供きらーい」と思っていても、数年後には「大好きー」になることだって充分あるわけです。
それに老齢の方で「子供がうるさいわー」「私たちが子育て中は~」なんて言っている方も同じく。孫ができるところっと「おーよちよち、子供は泣くのが仕事よー」なんて言ってることもこれもまた、あるある。
みな、立場が違えば感じ方が変わるのは当然。だからこそ、ほんのちょっと相手の事を想像するだけで、世界を少しだけ優しいものに変えていけるのではないでしょうか。
電車で子供が泣き出して視線がつらそうなママさん、お疲れ様です。私は「子供の泣き声をきくと身体のなんらかの仕組みによっておっぱいが大きくなる」ときいたあの日から、子供が泣き出すと脳内で「バストアップタァァ〜イムッ!!!⤴⤴チャッチャラ〜⤴」というBGMが鳴りますのでお気遣いなく
— ハッピーなろうぜなるたぬき (@narunaru000427) 2017年7月24日
<記事化協力>
ハッピーなろうぜなるたぬきさん(@narunaru000427)
(看護師ライター・梓川みいな)