おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

雲海=雲の海だからサーフィンできるんじゃ……→「雲海サーフィン」に49歳男性が本気で挑戦!

 雲の上に乗ってみたい……そんなことを思ったことはありませんか?雲の上に乗るなんて実際できるはずもないことだけれど、違うアプローチなら?そんな事に本気で挑んだある男性がいます。その挑戦の様子がWEB動画として2018年1月15日、公開されました。

  •  三菱自動車が好奇心や探究心といった“探検マインド”を持つ行動派の人を対象に「自然現象への挑戦」をテーマにした様々なコンテンツを発信し「休むだけなんてもったいない」と思えるような週末の過ごし方を提案する「週末探検家」。2017年7月27日に公開した、雲海の出現をスポットごとに予測する「雲海出現NAVI」は、雲海を楽しむ多くの人から愛用されています。

     その「雲海出現NAVI」を利用すれば「雲の上でサーフィン」ができるのではないか……?と考えたのが、49歳のサラリーマン、糸井ひろしさん。都内から目的地である雲海スポット、鎌倉山(栃木県)に向かい、特製のサーフボードを装着し、パラモーター(モーターパラグライダー)で離陸。雲海に向かって飛行していきます。





     雲の表面をなぞるようにふわふわと飛び回る「雲海サーフィン」を終えた糸井さんは、手伝ってくれた人々とハイタッチ。感想を聞くと「すごい達成感があります。温度もそうですし、かなりきつい撮影だったんですけど、やり遂げて、辛くてもやってよかったなという充実感で溢れています。私自身が走らなくても飛べたり、専用のボードを履いたり、いろんな人のサポートがあってこそできた体験だったので、このプロジェクトに関われて本当によかったなと思います。世界初のプロ雲海サーファーになった気分です」と語っています。

     ちなみに、なぜ空でサーフィンをしようと思ったのかについては「雲海は『雲の海』なので、そこでサーフィンできるのではないかという企画です。雲海の真上を飛ぶって誰もやったことがないので、それを経験できたのが一番よかったです。雲海って、そばで見ると、ふわふわして実態がないのかと思っていたら、実際に飛んで見てみると、すごく立体感があって山のようになっていたのでとても驚きました」とのこと。雲の持つ質量を感じる経験もレアですね。

     さて、動画を見ると気持ちよさそうですが、それを実現するまでには長い道のりがありました。同時に公開されたメイキングムービーには、その様子が紹介されています。

     まず、パラモーターは離陸時、自分で走ってパラグライダーを風で広げないと揚力を生み出せず、飛ぶことができません。しかし今回の雲海サーフィンでは、足にサーフボードを装着しているために走ることは不可能。そのため、走らなくてもいいような滑走台を作って、そこを滑ることで助走の代わりにすることにしました。走るのと違い、滑走するレールを風上に向ける調整(これを「風に立てる」と言います)や、滑走台をみんなで押すタイミング調整、離陸するスピードや立ち上がるタイミングの調整など、通常のパラモーター(モーターパラグライダー)とは違った苦労も。


     また、通常のサーフィンに使われるサーフボードでは空中での取り扱いが難しいため、設計士のトニマザレロさんが特製のサーフボードを製作。サーフボードの分浮力が足りなくなるので、パラグライダーの大きさも調整する必要がありました。

     飛行中も通常とは違い「サーフィンをしている」感じで飛ばないといけないので、その姿勢も練習します。ずっと足元のサーフボードを見ていると操縦がおろそかになるので、姿勢とその感じを体に覚え込ませる必要があります。

     2017年4月から始まったこの挑戦。悪天候などにも見舞われ、合計50回近いテストの末、撮影に成功したのでした。

     実際、雲の上に乗ってみたいという人は、どれくらいいるのでしょうか。2017年12月27日〜2018年1月5日、インターネットを通じて20歳〜59歳の男性500名を対象に実施した調査結果によると、雲の上に乗ってみたいと思ったことがある人は全体の71%。20代では79%におよびます。それでも平均的に70%前後の人が「雲の上に乗ってみたい」と思ったことがあるんですね。


     そして「子供の頃、探検の夢を抱いたことがありますか?」という質問については、全体の78%が「ある」と回答。しかし実際に実現させたのは8%に過ぎないという結果が出ました。実現できていない理由のトップは「忙しいから(36%)」。日々の忙しさから、なかなか夢を実現させるのは難しいという現実が明らかになりました。


     大きな探検でなくても、ちょっとした休暇に、いつも気になってるけど行ったことのないところを「プチ探検」してみるのもいいですよね。そんな心の余裕を持つよう、心がけたいものです。

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 緑髪の子がこちらにやってくる
    インターネット, おもしろ

    ただのキャラ制作風景かと思いきや……次元の壁を超えてくるヤンチャ娘に仰天!

  • 高速指さばきに「さすが」の声
    インターネット, おもしろ

    新幹線の車窓で走らせる「指忍者」 高速指さばきに「さすが」の声

  • 松田詩野選手
    インターネット

    パリ五輪・サーフィン日本代表の松田詩野選手が意気込み語る「サーフィンの印象がすば…

  • 60分の動画を1.5倍速で観たら何分で終わる? 深水英一郎
    エンタメ, 音楽・映像

    動画は倍速派のせっかちさん向け情報 「動画の倍速視聴とその使いこなし方」(深水英…

  • インターネット, おもしろ

    ムーンウォークインコ? 警戒して後退りする姿に「どこまで行くねん!」

  • インターネット, おもしろ

    「美味しいなぁ……むにゃむにゃ……」夢の中でひまわりの種を食べているハムスターが…

  • インターネット, おもしろ

    フォークリフトの達人が「3分間で10円玉をペットボトルの中に何個入れる事が出来る…

  • インターネット, おもしろ

    万引き?サギ? 魚屋さんが犯行現場をスクープ撮影

  • インターネット, おもしろ

    まるでT.M.Revolutionのようなフクロウが発見される

  • エンタメ, 音楽・映像

    八村塁の動力源は40ボルトのバッテリー!?マキタ新WEB動画公開

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 例のあの和菓子、都道府県別の呼び方
    社会, 雑学

    全国で呼び名はどう違う?「今川焼」が19エリア制覇 ニチレイが“勢力図”を公開

  • 楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始
    企業・サービス, 経済

    楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

  • Francfrancの「ビッグマックスープジャー」入り マクドナルド福袋2026が抽選受付スタート
    商品・物販, 経済

    Francfrancの「ビッグマックスープジャー」入り マクドナルド福袋2026…

  • チャコットが初の「ポケモン」コレクション発売へ 2026年1月23日スタート
    ゲーム, ホビー・グッズ

    チャコットが初の「ポケモン」コレクション発売へ 2026年1月23日スタート

  • 静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立
    企業・サービス, 経済

    静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対…

  • カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売
    商品・物販, 経済

    カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売

  • トピックス

    1. 運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      1995年から続く老舗CGI配布サイト「CGI RESCUE」が2026年3月末での終了を発表しまし…
    2. 違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      旧き良き銭湯が異次元の入浴空間に変身するイベント「脳汁銭湯」が、11月26日から12月7日まで東京・…
    3. この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      学生時代、入りたくても入れない「聖域」のような場所だった職員室。その風景を再現し、自由に探索できる展…

    編集部おすすめ

    1. 例のあの和菓子、都道府県別の呼び方

      全国で呼び名はどう違う?「今川焼」が19エリア制覇 ニチレイが“勢力図”を公開

      全国で呼び名が分かれる“中に具材を入れて焼いた円形の厚焼き和菓子”について、株式会社ニチレイフーズが47都道府県別に最も多く使われている呼称…
    2. セブン×ちいかわ「鬼辛カレー」を実食!全身が真っ赤に染まるのも納得の辛さ

      セブン×ちいかわ「鬼辛カレー」を実食!全身が真っ赤に染まるのも納得の辛さ

      セブン‐イレブンで12月2日から始まった「ちいかわと冬をたのしんじゃお!」キャンペーンで、作中に登場した「鬼辛カレー」が発売中。原作で話題の…
    3. 楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

      楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

      楽天モバイルと楽天損害保険は12月1日、「最強シニアプログラム」を強化し、オプションパック「15分かけ放題&安心パック」加入者を対象とした「…
    4. 静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立

      静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立

      静岡県を拠点とし、プロ野球ウエスタン・リーグに参加している新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」を巡り、ネーミングライツ契約を含む資本業務提…
    5. 事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      アスクル株式会社は11月28日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害の復旧状況について第11報を公表しました。 事業所…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト