2018年2月13日(現地時間)、エアバスの小型ジェット旅客機A321LRがパリ〜ニューヨーク間の大西洋横断飛行に成功しました。A321LRはA321neoの長距離型(Long Range)で、最大7400kmの航続距離を持つモデルとして設計されましたが、今回の大西洋横断飛行でその航続性能を証明した形になります。
A321LRは最大離陸重量をA321neoの93.5トンから97トンに引き上げ、さらに3つ目の燃料タンクを追加して航続距離を増加させた長距離型。燃料タンクを追加した場合は最大206席、追加しない場合は最大240席となります。現行で同じくらいの席数を持つボーイング757-200よりも180km航続距離が長く、1席あたりの運航コストが24%低いということを売りにしています。ローンチカスタマーはアメリカの航空機リース大手、エアリース・コーポレーションです。
大西洋横断飛行を行なったのは、2018年1月31日に初飛行したA321LRの初号機。今回の大西洋横断に際し、機体にはエッフェル塔と自由の女神が描かれ、それを線でつなぐことで、パリとニューヨークを結ぶということを表しています。
パリ郊外のル・ブールジェ空港を午後に離陸したA321LRは、北大西洋航路を8時間半あまり飛行し、マンハッタンの夜景が迎えるニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に着陸しました。
7400kmという航続距離は、需要の多い2つの路線にA321LRが対応するということを示しています。ひとつは今回飛行したアメリカとヨーロッパを結ぶ路線、そしてアジア各地を結ぶ路線です。現在ボーイング757、767などが使われていますが、これらの機材がそろそろ世代交代を迎えるため、この市場を受け継ごうというわけです。すでに100機以上の注文を受けており、型式証明は2018年第二四半期、顧客への引き渡しは2018年後半を予定しています。
Image:(c) Airbus
(咲村珠樹)