月日が経つのは早いもの。ついこの間までオリンピックが開幕したかと思うと、気づけばまもなくパラリンピックが開幕します。特に大人になると、時の流れを早く感じるような気がしますね。人の一生も、宇宙のスケールにすると短いものなのかもしれません。そんなことを思わせる動画が、3月7日からグリコの公式YouTubeチャンネルで公開されています。
「71.8秒のLIFE」と題されたこの動画、世界人口の平均寿命である71.8歳(2015年世界銀行による調査結果)を一人の人生に置き換えて1年あたり1秒、合計71.8秒で描いたミュージカル仕立ての作品。1秒で1歳ずつ年を取っていく主人公を、実年齢0歳〜71歳の女性72名が演じました。
人生の傍らには、いつもグリコの商品があります。父親からビスコをもらって笑顔になる少女時代、彼氏や友人たちとパピコとポッキーを分け合う20〜30代。仕事と子育てを両立しながら、ジャイアントコーンで一息いれる40代など、人生の様々な場面にグリコの定番商品が登場し、主人公のスマイルをそっと後押ししています。グリコはあなたの一生に寄り添い、笑顔にしていきますという「あなたが笑うと、世界は変わる。smile. Glico」のメッセージが最後に現れて、動画は終わります。
動画のモチーフとなった世界人口の平均寿命「71.8歳」。実は100年前の平均寿命は31歳でした。倍以上も延びた理由は、衛生環境や医療の向上(特に新生児死亡率の低下)もさることながら、食べ物の変化も大きいと考えられています。人生100年時代ともいわれる昨今ですが、そうして延びた分の寿命は、本人と周りの人の人生を豊かなものにしていく、という視点から「食べるものがあなたの健康をつくる。」というコピーと物語が生まれたんだそう。
動画に登場するキャストは、いずれも実年齢で0歳から71歳までの72名。揃いの衣装とウイッグをつけて、可能な限り外見を似せ、あたかも同一人物が年を取っているように見せています。各人の登場するカットは1秒ずつと非常に短いのですが、実はそれぞれ1時間以上もかけて丁寧に撮影しています。撮影は人形アニメーションのように、ある年齢の女性お撮影したら、今度は1歳年上の女性に交代して、人物とカメラの位置やアングルをほんの少しだけ移動。この工程をひたすら繰り返し、トータルの撮影時間は72時間以上にも及んだとか。
そして編集にもちょっとした気配りが。通常、このように細かいカットをつなぐ際には、カットのつなぎ目がわからないよう、キャストの位置などを正確に合わせて動きを滑らかにします。しかし今回は、1秒ごとに年齢が変化し、カットが変わっていることに気づいてもらえるよう、わざとカットのつなぎ目が判るように編集しています。通常とは逆の手法で編集することで、手作りの温もり溢れる映像とすることができたといいます。
お菓子は人生に寄り添い、笑顔にするもの。そんなことを改めて知ることのできる動画です。
画像・江崎グリコ株式会社
(咲村珠樹)