港の岸壁に駐車された1台のキャンピングカー。そのまま釣りでも始めるのかとおもいきや、中から続々出てきたのはなんだか懐かし~いアーケードゲーム機ばかり。どうやら「移動ゲーセン」というものらしいのです……が?

 この「移動ゲーセン」を実行したのは、アーケードゲーム機コレクターのとむ@高知さん。遊べる状態のアーケードゲーム機を25台もコレクションしています。他にも雰囲気作りに、1000円から100円への両替機や100円から10円への両替機。さらに駄菓子屋などにあった冷蔵庫などの備品も動ける状態で所有。


 これまで収集にかかった費用はざっくり「50万以上100万以内」とのこと。収集の基本はネットオークションでの落札だそうですが、友人などから譲渡してもらったものも多いため、金額はある程度抑えられているそうです。だけどもナイショのナイショで、実は奥様には半分以下の金額で申告しているのだとか。ここだけの話ですよ。(小声)

 そのとむ@高知さん。この夏、クラウドファンディングで移動式の駄菓子屋ゲーセンのプロジェクトを目撃しました。バン型の車にアーケードゲーム機を載せた、移動式のゲームセンター。ちょっと駄菓子も販売したりして。マニアにとっては夢のある試み。ある意味ロマンですね。ところが、残念なことにこのプロジェクトは目標金額に届かず未達成。成立しませんでした。

 残念だなぁ……と思うとともに、過去にはプラモデルにも「移動販売 ゲームセンター」というものもあったよな。と思い出し、ひらめいたのが「あれ?? もしかして私の持ってるものでそれっぽくなるのでは」ということ。とむ@高知さん、たまたまゲーム機を載せるにはうってつけなキャンピングカーを11年前から所有しています。

 キャンピングカーは4人の子供が小さい頃には、連休の度に旅行に出かけるなど重宝したそうですが、それも今や上が20歳をすぎ、一番下も中学生。近頃では各自の予定が優先になってしまい、家族旅行はゴールデンウィークや年末年始ぐらいと活躍の機会が減っていました。ならば……と、早速内装の椅子やテーブルをかたづけ、コレクションしてきたアーケードゲーム機と関連機材をつみこみ、せめて写真の上だけでも実現させようと撮ったのが記事にある写真。友人3人に協力してもらって近所の釣りスポットに出向き、超短時間で再現シーンの撮影を行ってきたそうです。

 この時持ち込んだのは、

▼車内
・テーブル筐体 1台(ギャラガ S56年 稼働開始)
・たしたし城 (S63 稼働開始)
・ジャンケンマンフィーバー (S62 稼働開始)
・功夫老師 (S62年 稼働開始)
・リトルスラッガー (H3年 稼働開始)

▼車外
・テーブル筐体 2台(アルカノイド S61稼働開始、スペースインベーダーDX H6 稼働開始)
・日本一周旅行ゲーム(H24 稼働開始)
・ピカデリーサーカス2000 (H12 稼働開始)

と、車の内外合わせて9台。昭和の小さな駄菓子屋ゲーセンをイメージしたそうですが、「10円はじき系のゲームの当時物は、現在価格高騰でなかなかご縁がありません。(涙」とのことで、手持ちの筐体の都合上、種類は比較的新しめ。とはいえ雰囲気だけでも再現できるよう工夫されています。

 また、車内のゲーム機は、キャンピングカーの居住部のバッテリーからインバーターを介して使用。バッテリーは150Ahのものを2個積んであるため、本来なら今回の機械全部を稼働させても半日以上遊べるだけの電気量は確保できているそうです。発電機も所有しているそうなので、やろうと思えばさらに長時間の稼働も可能だとか。



 今回は撮影するだけだったので超短時間で行われていますが、一応稼働テストも行われ、キャンピングカーがあれば実行可能ということが確認されています。このため何らかの仲間の集まりが今後ある時には、実際に出動して稼働させることも考えているようです。

 現在とむ@高知さん宅にあるアーケードゲーム機は、車系大型筐体4台、テーブル筐体7台、アップライト筐体2台、エレメカ・メダルゲーム11台、プライズ機1台というラインアップ。集まりの参加者層によってゲーム機を入れ替えられるだけの豊富な数です。これ以上の収集は奥様に怒られてしまうかもしれませんが、既に集めた現在のゲーム機については、せめて「移動ゲーセン」として今後生かされるといいですね。町内会のお祭りなどでは特に重宝されそうです。

<記事化協力>
とむ@高知さん(@TOM_KOCHI)

(宮崎美和子)