2015年7月号から集英社の「別冊マーガレット」で連載されている、咲坂伊緒さんの「思い、思われ、ふり、ふられ(略称:ふりふら)」。次回6月号(5月13日発売)で最終回を迎えることになりますが、それを前に映画化が決定しました。アニメか実写か……という選択肢の中で、まさかの両方。アニメと実写のW映画化が同時決定は史上初だといいます。
「ストロボ・エッジ」、「アオハライド」などで知られる咲坂伊緒さんの最新作、それが「思い、思われ、ふり、ふられ」です。第63回小学館漫画賞少女向けマンガ部門を受賞するなど、その繊細で瑞々しい物語が高く評価され、ジャンルを超えて今最も注目されています。電子版も含むシリーズ累計部数は2019年4月現在、既刊11巻で450万部を突破しています。
この大人気原作を映像化するにあたって、実写にするか、アニメーションにするか2つの選択肢がある中で、どちらか一方ではなく、今回は同時に両方の映像化をするべきだと確信を持てたことが、このプロジェクトのスタートとなったといいます。原作者の咲坂伊緒さんとも打合せを重ねていき、実写でできること、アニメーションでできること、それぞれ得意とすることが違い、それぞれ魅力があるということで、咲坂さんも両方の映像化を快諾。そして脚本づくりを一緒に行ったそうです。
この映像化について、咲坂さんからは「私が、キャラクターやひとつひとつのシーンに込めた思いやどうしてもいれてほしいポイントを双方の脚本家の方達、スタッフの皆さんと共有しながら脚本の成立に関わることができたのはとても貴重な機会でした。時には実写ならでは、アニメーションならではの見せ方の違いに感心することもありました」というコメントが届いています。アニメと実写、それぞれが得手としている表現で原作の魅力が映像化されるよう、アプローチされているということが伝わってきます。
物語は、4人の高校生男女の切なくすれ違う恋模様を瑞々しく描いた傑作青春ラブストーリー。そして最大の魅力は、4人全員が違った個性を持つ主人公であり、秘密や葛藤を抱えた彼らが恋愛や友情を通して、自分自身・他者と向き合いながら成長していく、というみずみずしいヒューマンドラマにあります。
実写化では旬の若手実力派キャストが演じることで、登場人物たちの抱える葛藤や悩み、そして成長していく姿をよりリアルに感じる物語として表現していくといいます。1人目のヒロイン、山本朱里を演じるのは浜辺美波さん。そして2人目のヒロインである市原由奈には福本莉子さんがキャスティングされています。朱里の血のつながらない弟であり、由奈が片想いする相手の山本理央を演じるのは「君の膵臓をたべたい」で、浜辺美波さんとともに繊細な演技を披露した北村匠海さん。由奈の幼馴染で、やがて理央や朱里の良き理解者となっていく乾和臣には、「仮面ライダービルド」でクローズ役を演じた赤楚衛二さんが配されました。監督を務めるのは、咲坂さんの「アオハライド」をはじめ、「僕等がいた 前篇・後篇」や「陽だまりの彼女」など、若者の繊細な物語を映像化してきた三木孝浩さんです。
また、アニメーションでは「劇場版 ソードアート・オンライン‐オーディナル・スケール‐」のA-1 Picturesが担当。思春期の特別な時間にある彼らの、ときめきや切なさといった細やかな感情や、ささやかな成長を、アニメならではの映像表現によって、よりドラマチックに描いていきます。
実写映画の方は、すでにオール神戸ロケでクランクアップしており、2020年8月公開予定。アニメーションは2020年5月公開予定となっています。
(C) 2020映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C) 咲坂伊緒/集英社
情報提供:2020映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会
(咲村珠樹)