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16式機動戦闘車がやってきた!「ニコニコ超会議2019」自衛隊ブース

 ニコニコ超会議では「2525中隊」のハッシュタグで知られる自衛隊ブース。2019年は陸上自衛隊駒門駐屯地(静岡県御殿場市)から最新の機甲科装備「16式機動戦闘車」が静態展示され、注目を集めていました。

  •  例年多くの人が訪れる自衛隊ブース。様々な装備品をはじめとする展示のほか、現役自衛官の生の声が聞けるのが魅力です。今回目玉と目されていた航空自衛隊の最新戦闘機、F-35Aの実物大模型(モックアップ)展示は諸般の事情によりキャンセルとなりましたが、その代わりに陸上自衛隊の16式機動戦闘車が幕張メッセにやってきました。

     展示された16式機動戦闘車は、駒門駐屯地に所在する機甲教育連隊・機動戦闘車中隊の車両。機甲教育連隊は2019年3月26日に戦車教導隊・偵察教導隊・第1機甲教育隊を再編して誕生したばかりで、機甲科隊員の教育に当たります。前身部隊の性格から、毎年8月に実施される「総合火力演習」でも中核となる予定です。


     俗に「装輪戦車」と呼ばれることもあるタイプの装備品だけに、舗装路では時速100km以上で走れるのが特長。戦車運搬車を使うことなく素早く部隊展開が可能です。運用としては、先にこの16式機動戦闘車が展開して相手に一撃を加え、後から展開する戦車部隊と連携するということを想定しています。

     ニコニコ超会議では初登場となるため、撮影する人が後を絶ちません。さらに第一空挺団が使用している国産の落下傘「13式空挺傘」も展示されており、記念撮影ができるようにもなっていました。


     このほかにも、海上自衛隊では掃海部隊のうち水中処分班が運用するEODボートと、機雷探査用の水中無人機OZZ-1(REMUS100)が展示されました。OZZ-1は水深100mまで潜って自律的に移動(平均20時間以上活動可能)し、搭載されたセンサーなどのデータを用いて機雷探査を行います。


     航空自衛隊コーナーでは、ブルーインパルスのパイロットヘルメットなども展示。現在ブルーインパルスは、使用するT-4練習機の改修のため展示飛行ができない状態にありますが、現在の航空幕僚監部広報室長は2010年~2012年途中までブルーインパルス(第11飛行隊)の隊長を務めた渡部琢也1佐。広報の先頭に立ちつつも、熱心なブルーインパルスファンからサインをねだられていました。




     海上自衛隊コーナーには、海上幕僚監部広報室長の戸井1佐(元潜水艦乗り)と一緒に、人事教育部長の柴田海将補が広報活動をしていました。将官と直接交流できる機会は、それほど多くありません。2019年は秋に観艦式が行われます。広報室長は「若い方がたくさんブースにいらっしゃるので、とてもありがたいですね」と話してくれました。


     陸上自衛隊は制服が刷新され、これまでのオリーブ色から紺色の服装に変わりました。ちょうど今は新旧の制服が入り混じるレアな機会でもあります。この紺色の新制服、遠くから見ると海上自衛隊の冬服(黒)と色がよく似ています。東部方面総監部に海上自衛隊から出向している方と並んでもらいました。前身頃はシングル(陸上自衛隊)とダブル(海上自衛隊)で異なるのですが、後ろからだと一瞬迷ってしまいそうです。

     時間によっては、砕氷艦しらせが帰り道の砕氷能力(船の重さで海氷を押し割る)を確保するために積んできた「南極の氷」も触ることができました。長年降り積もった雪が圧縮されて氷となっているので、触ると閉じ込められた空気の泡が弾ける感触がします。


     また、自衛隊の広報グッズもたくさん。ステッカーのほか、ふせん紙やノートといった実用的なものもあります。


     ブースでは1日3回、現役自衛官によるトークショーも行われました。海上自衛隊は話題の「海上自衛隊カレー」について、調理を担当する給養員の方を招いてトーク。航空自衛隊は、27日には女性搭乗員の活躍について、そして28日にはテストパイロットの仕事についてがテーマとなりました。JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんも航空自衛隊でテストパイロットを務めていましたね。そして陸上自衛隊は、何かの時にきっと役立つ「自衛隊ライフハック」について。

     自衛隊ファンにはたまらない、そして普段縁のない人でも「自衛隊」の新たな一面を知ることのできる自衛隊ブースは、今回も大勢の人で賑わっていました。

    (取材:咲村珠樹)

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