「週刊少年ジャンプ」創刊50周年記念企画の一環として「おとなのジャンプ酒場」が、新宿・歌舞伎町に2019年7月11日から1年間の期間限定でオープン。そのグランドオープンに先立ち、7月9日に「オープン記念イベント&プレス向け内覧会」が開催されたので行ってきました!
「おとなのジャンプ酒場」は、300万部から500万部雑誌へと駆け上った1980年代のジャンプ作品をフィーチャーし、黄金期の歴史を詰め込んだ店内空間でオリジナルメニューを提供するというお店。あの頃のジャンプ読者なら、1度は訪れてみたい店舗となっています。
子供の頃から少年ジャンプと共に育ってきたと言っても過言ではない筆者。胸を躍らせながらお店が入っている建物に着き、エレベーターのドアが開くと、まず目に飛び込んできたのが、「キン肉マン」や「シティーハンター」が表紙になっている巨大な表紙ウォール、さらに進むと「ろくでなしBLUES」の主人公・前田太尊の巨大フィギュアがお出迎えしてくれます。
店内には、80年代のジャンプ7大ヒーロー(孫悟空「ドラゴンボール」、前田太尊「ろくでなしBLUES」、剣桃太郎「魁!!男塾」、キン肉マン「キン肉マン」、星矢「聖闘士星矢」、ケンシロウ「北斗の拳」、冴羽獠「シティーハンター」)揃い踏みの巨大壁画。
さらに、実際に手に取って読める80年代の少年ジャンプが並べられている本棚やフィギュアコレクション、マンガ家のお宝グッズ(取材時は「ろくでなしBLUES」の作者・森田まさのり先生に関連するグッズ)など、ファンにはたまらない世界が広がっています。
この日、開催された「オープン記念イベント」では、2017年から「少年ジャンプ」11代目編集長を務めている中野博之さんが登場。さらに、「北斗の拳」(武論尊/原哲夫・著)や「シティーハンター」(北条司・著)など、80年代を代表するビッグ作品を担当した「少年ジャンプ」5代目編集長の堀江信彦さん、「キャプテン翼」(高橋陽一・著)を担当し、日本中にサッカーブームを巻き起こした鈴木晴彦さん、「ろくでなしBLUES」(森田まさのり・著)など、数々のヒット作を担当した「少年ジャンプ」8代目編集長の茨木政彦さんも登場。
80年代当時、少年ジャンプ編集部の編集スタッフとして第一線で働いていた、レジェンド編集者たちを迎えてトークショーが行われました。
当時「北斗の拳」を担当していた堀江さんは、武論尊さんと石神井のお寿司屋さんで、泣きながら「北斗の拳」について語り合ったというエピソードを披露。一番好きだったキャラクターは、雲の「ジュウザ」と話し、「ジュウザが、後の『花の慶次』に繋がった」という裏話も明かしました。
さらに「シティーハンター」に登場するヒロインの槇村香は、その当時に生まれた堀江さんの長女の名前が由来と衝撃の事実も告白。しかし、茨木さんから「じゃあ、なんで殺したんですか」と突っ込まれ、タジタジに……。会場には笑いが起こっていました。
茨木さんは、担当していた「ろくでなしBLUES」がずっとストーリーなどで悩み、10週目くらいで打ち切りになりかけた時、読み切りで「中田小兵二」というキャラクターを出したら、それをきっかけに人気が上がったという話を披露していました。
また、当時はずっと仕事の話ばかりしていたと言う堀江さん。「銀座の高いクラブに行っても、ずっと漫画の話ばかりしていた」と話し、本宮ひろ志先生(ジャンプでは1968年の創刊時から「男一匹ガキ大将」などを連載)に「お前ら、バカか!」と、怒られた思い出を語っていました。
この他にも、いろいろなエピソードが飛び出していましたが、ここでは紹介できない話ばかり(某漫画家に「お前は、もう来なくていい。出禁だ」と言われ、マンションのドアの前で何時間も土下座していた話や、某漫画家に逃げられて、夜中の3時に探しに行った話など)で、ある意味、激レアなトークショーに……。取材に訪れていた記者たちも子供の頃に戻った様子で、レジェンド編集者3人のトークに釘付けになっていました。
トークショーが終わると、「おとなのジャンプ酒場」で提供されるオリジナルのコラボメニュー試食会が行われました。
ジャンプの名作をイメージしたコラボメニューは、キン肉塩レモンドライバーや北斗百裂タルタル拳、かめはめ油淋波など、全7種のソースが付いた「唐揚げ」、ハンバーグとチキンステーキの夢の合体ハンバーガー「マッスル・ドッキングバーガー」、富樫源次が苦しんだ男塾名物「油風呂」を再現した「富樫源次の大海老油風呂アヒージョ」、100tハンマーで殻を割って食べる「槇村香の100tハンマーコブサラダ」、ドラゴンボールをかたどった巨大ミートボール「ドラゴンミートボール」、北斗の拳のキャラクターである炎のシュレンをイメージした「炎のシュレンの炙り肉寿司」など、超豪華でユニークなものがたくさん登場。
「ドラゴンミートボール」の中にはゆで卵が丸ごと1個入っていたり、「炎のシュレンの炙り肉寿司」は店員さんがバーナーで肉寿司を炙って、シュレンの五車炎情拳を再現したりと、楽しい要素が満載。
そして、見た目だけでなく、味も最高。「マッスル・ドッキングバーガー」は、トマトソースとチキンステーキの相性がバツグンで、ハンバーグも肉汁たっぷりでジューシー!「屁のつっぱりは、いらんですよ」と、思わず言いそうになるくらい美味しかったです。
このメニューが堪能できる「おとなのジャンプ酒場」は、7月11日の17時からオープン予定です。みなさんも実際に足を運んで、たまには子供の頃の思い出に浸ってみるのも良いのではないでしょうか。
取材協力:株式会社集英社
(取材・撮影:佐藤圭亮)