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「のぼりべつクマ牧場」の歴代ボスの紹介がドキュメンタリー番組を作れるレベル

 北海道登別市にある「のぼりべつクマ牧場」の歴代ボスの紹介が「めちゃくちゃ面白い」と、ネット上で話題になっています。そこで、「のぼりべつクマ牧場」の広報さんに話を聞いてみました。

  •  事の発端は、ネットユーザーのざいつさん(@kyoso_kanso)が10月5日に自身のTwitterで「登別の熊牧場行ってきたんですが、歴代ボスの紹介がめちゃくちゃ面白かったので宣伝したい」とツイートし、歴代ボスの写真パネルの画像を投稿したことでした。

    https://twitter.com/kyoso_kanso/status/1180273187516342272

     このツイートは、2万件以上のリツイート、5万件以上のいいねが付き、コメント欄には「ドキュメンタリー作れる」「流れ星銀を思いだす」「マジで映画とれるレベル」など、そのストーリー性が面白いと話題になっています。

     紹介文を見てみると、10代目ボスのイッペイには、「いつも虎視眈々として、不意打ちの機会をねらい、後から陰険に争う戦法で、ボスになったものの小競り合いが絶えず、牧場は戦国の世と化した」と書かれており、その世界観はまさに「龍が如く」のようです。

     続いて、15代目ボスのブッチャーには「若い頃は暴れん坊だったが、ボスを意識する頃には『和』を重んじ、第一牧場をまとめあげた」という紹介文が。ブッチャーの成り上がりをドラマで見てみたくなります。

     かと思えば、4代目ボスのコボスは、「小柄ながら、陰険さによって政権をものにした」と、絵に描いたような悪役も登場してきます。

     特に人気だったのは17代目・19代目ボスの「サチオ」。母親とはぐれて野良猫にいじめられているところを保護されてきたというちょっと変わった経歴の持ち主。

     穏やかな性格で、自分からケンカを仕掛けることはなく、特に若いクマからの信頼が厚かったそうです。さらに、ボスの座から一度落ちてしまいましたが、周りのクマに推されて再びボスの座に返り咲くという史上初の偉業を成し遂げたとのこと。

     また、のぼりべつクマ牧場のホームページ内にある「歴代ボス紹介」では、サチオのこれまでについて「人工哺育などを経て、釧路市動物園へ一時的に保護収容。その後、釧路市動物園よりのぼりべつクマ牧場へ保護収容される」と紹介されていました。どうやら、本当にドキュメンタリー番組が作れそうな人生?熊生?を送っているようです。

     これらの歴代ボスの紹介について、広報さんにお話を伺ったところ、始まりは昭和47年、牧場内にあるヒグマ博物館(当時は、くま博物館)が開館された頃で、ヒグマ博物館の学芸員の方が作ったとのことです。

     さらに、「初代ボスから15代目まではヒグマ博物館の学芸員が、16代目以降は飼育係が考えていて、特に何か(ドキュメンタリー風な感じを)を意識して、文章を書いているわけではない」と教えてくれました。

     「お客さんに説明しながら牧場内を案内していると、紹介のパネルの前で立ち止まって、指をさして笑ったりする人もいます」と、嬉しそうに話す広報さん。クマに対する愛情が、飼育員さんからも、広報さんからも伝わってくる素敵な牧場でした。

    <記事化協力>
    のぼりべつクマ牧場
    ざいつさん(@kyoso_kanso)

    (佐藤圭亮)

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