1988年に放送された特撮ドラマ「世界忍者戦ジライヤ」。戸隠流忍術を使う主人公がジライヤスーツを託され、世紀の秘宝を狙う悪の忍者らと戦う物語です。その主人公・山地闘破を演じた筒井巧さんが、本当に戸隠流第三十五代宗家に指名されました。

 メタルヒーローシリーズ第7作として、1988年にテレビ朝日系で放送された「世界忍者戦ジライヤ」。主人公の山地闘破は、戸隠流第三十四代宗家である山地哲山の養子で、ジライヤスーツを哲山から託され「ジライヤ(磁雷矢)」を名乗って、世紀の秘宝“パコ”を狙う悪の忍者、妖魔一族らと戦いを繰り広げる……という物語でした。

 2015年には、同じく忍者をモチーフとしたスーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」忍びの34(第34話)「伝説の世界忍者、ジライヤ参上!」に、山地闘破がゲスト出演。この時には哲山から戸隠流を継承し、第三十五代宗家となっていました……が。作中でジライヤ(磁雷矢)こと山地闘破を演じていた筒井巧さんが、2019年12月5日付のブログで、戸隠流第三十五代宗家に指名されたという報告を行いました。

 実は、戸隠流第三十四代宗家の初見良昭さんは「世界忍者戦ジライヤ」に、実際と同じく戸隠流第三十四代宗家の山地哲山役で出演。そして武芸考証を行い、その過程で筒井さんに指導していたのです。

 この子弟関係は「ジライヤ」終了後も続き、初見さんは筒井さんに戸隠流を託すことにした、ということのようです。ドラマの設定がそのまま現実になるなんてことは、非常に珍しいことですし、筒井さんも真剣に戸隠流を修めていた、ということでしょうね。

 ちなみに初見さん、忍術指導は「世界忍者戦ジライヤ」が初めてではありません。古くは1964年のテレビアニメ「少年忍者風のフジ丸」の実写パートに“忍者おじさん”として出演していたほか、1967年の映画「007は二度死ぬ(You Only Live Twice)」などでも忍術指導をしたという、その世界では知る人ぞ知る人物。その道場「武神館」は世界中に広がり、門下生が古武術を学んでいます。

 海外の忍者ブームもあり、ドラマや映画などにも登場する機会も多い忍術。その流派のひとつで俳優さんが宗家を継承したというのは、おそらく海外でも話題となることでしょう。

<出典・引用>
筒井匠さん 公式ブログ
筒井匠さんTwitterアカウント(@Q1MK3lNwAE4ENnV)
※画像はTwitterアカウントのスクリーンショットです。

(咲村珠樹)