おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

男性用トイレにおむつ台が少ない問題 85.1%が「少ない」と感じ増設を熱望

 男性の育児参加が当たり前になったこの頃。パパたちもやる気満々で育児に取り組んでいますが、その初歩の初歩でぶつかるのが「男性用トイレにおむつ台が少ない問題」。

 たとえあったとしても、手洗い場のオープンスペースに設置されているので子どもが女の子の場合は人目が気になる!ということもあり、個室設置への拡充要望の声もしばしばネットで目にすることがあります。育児をもっと頑張りたいのに頑張れない!と。

  •  この問題に取り組むことが、紙おむつブランド「パンパース」を展開するP&Gより2020年1月21日に発表されました。P&Gは赤ちゃんの健やかな成長のために、ママ・パパが自分らしい子育てをしてほしいという思いから「あなたらしい子育てが、いちばん。」プロジェクトを発足。その第1弾として、ママ・パパが赤ちゃんのためにしてあげたいこととして上位にあがっていた「お出かけ」を応援することが決定し、今後、全国の道の駅をはじめとして「誰でも使えるおむつ交換台の導入支援」を行っていくといいます。

     あわせて、外出先での育児を「家ソト育児」と位置づけ、0歳~3歳児のママ・パパ1000人を対象にした「家ソト育児調査」の結果を発表。家ソト育児のインフラ不足問題を明らかにしています。

    ■93.1%が「もっといろんな場所に子どもと行きたい」と願っているけど……

     調査では1000人の0歳~3歳児のママ・パパを対象に色々な質問を実施。その中でまず気になった結果が、全体の93.1%もの人が「もっといろんな場所に子どもと行きたい」と願っていること。

     しかし、実際はというと……子どもとの外出について62.0%が「不安を感じる」と答えています。

     実際に困った経験を聞くと「子どもを抱っこし続ける」(48.6%)、「子どもがぐずる」(46.7%)に次いで、「おむつ台で困った」(44.7%)と4割以上もの人が回答。

     「おむつ台で困った」理由には、「おむつ台が設置されていなかった」や「女子トイレの中にしかおむつ交換台がなかった」があげられ、おむつ台不足を感じている人が多いことが分かりました。

    ■「男性用トイレ」への設置数は85.1%が「少ない」と感じている

     そこで、現在のおむつ台設置数が足りているかどうか、さらに質問をしています。

     「女性トイレ」の設置数では全体で73.4%もの人が「適切」と回答している一方で、「男性用トイレ」については全体の14.9%しか「適切」だと回答していません。

     全体の85.1%もの人が男性用トイレにおむつ台が「少ないと思う」と答えているのです。

    ■育児に積極的なパパたち……でも家ソトでは7割が「妻の負担のほうが多い」

     男性用トイレにおむつ台が少ないということが、上記の結果で分かりました。その影響が現在どんなかたちで現れているのか?この調査ではパパ・ママそれぞれに「家ソト育児をパパが積極的に行っているか」も聞いています。

     質問に対する「行っている」を意味する選択肢、「そう思う」「ややそう思う」の回答をあわせると、まずパパ自身は約8割が「行っている」(79.0%)と認識。対しママから見たパパのソトでの育児ぶりも約8割が「行っている」(78.2%)と評価。

     ただし、家ソト育児での夫婦の負担割合を聞くと、負担が「半々」と答えたのは全体の2割(21.4%)にとどまり、7割は「妻の負担のほうが多い」(71.5%)と回答。

     パパは家ソトでも育児を行っているという認識だけれども、実際は妻の負担割合が多い。原因についてP&Gは「家ソトでの育児環境が整備されていないことが、パパの思いを実現できていない残念な結果につながっている」と考察しています。

     「家ソトでの育児環境が整備されていない」ものの一つとして、男性用トイレのおむつ台の不足がこれまでの流れで明らかになっていますが、他にも実は「男性も気軽に入ることのできるベビールーム」も不足しているようです。

     ベビールームとは、おむつ替えができる他に、授乳室があるなど、赤ちゃんをゆっくりおちついてケアすることができるスペース。場所によりけりですが、パパママともに利用することが可能な場所が多い一方で、男性が遠慮して入りにくい場所も存在しています。例えば、授乳室がベビールームの中でカーテンだけで仕切られている場所。ベビールーム自体が狭い場所というのも当てはまるかもしれません。

     このため、「男性も気軽に入ることのできるベビールームを今よりも増やしてほしいか」という質問にも、全体約8割が「増やしてほしい」(80.1%)と答えていました。

    ■外出先でおむつ台を設置してほしい場所は?

     ここまで熱望されている、外出先でのおむつ台ですが、設置してほしい場所を聞いてみると「公園」(61.7%)に次いで「駅・道の駅」(43.5%)への要望が高く、ママ・パパの7割(72.4%)が、公園、駅・道の駅、SA・PAなどの「公共施設」でおむつ台設置を望んでいることが分かりました。

     「公共施設」では近年、おむつ台の他、誰でも利用できる「多目的トイレ」の設置を充実させつつあります。公園については小さい規模では無いところが多い一方で、大きい公園では設置をすすめバリアフリー化も進んでいます。駅・道の駅、SA・PAでも設置されている場所ばかりを見かけるので、「設置してほしい場所」にこれらが今更あがるのは、少し疑問も感じます……が?

     先に紹介した、「おむつ台設置数が足りているか」という質問の中で、女性用トイレの設置数は全体で73.4%もの人が「適切」と答えていましたが、実はこの質問には「おむつ台を今後、増設してほしいか」という続く質問がありました。

     回答は、男性用トイレについて全体の86.3%の人が「増やしてほしい」と回答する一方、「適切」であるはずの女性用トイレも全体の52.6%、ママだけに絞ると60.4%という半数以上が「増やしてほしい」と回答。女性トイレのおむつ台は適切な数とは思うものの、実は十分とはいえないという本音も浮かび上がってきているのです。

     女性用トイレのおむつ台は、公共機関の場合、1か所のトイレにつき個室もしくはオープンスペースに1つはあるケースをよく目にします。ただし、人が混み合う時間で利用が重なった場合には、1つだけだと不足してしまうことも。

     おむつ替えをする時間は1度の利用で、5分前後。おむつの中身の状況(漏れ具合)によってはもっと、という場合もあるでしょう。そんなとき、人が混み合う時間にぶつかってしまうと、おむつ台の空き待ちでそれなりに待たされることもあります。 こうした状況から、設置数は普段は足りていても「増設してほしい」という願いにつながっていることが考えられます。これは女性用トイレに限ったことではなく、男性が育児参加することが当たり前になっている現代では、今後さらに男女問わずの問題になるかもしれません。

     今回、P&Gがスタートした「あなたらしい子育てが、いちばん。」プロジェクトでは、第1弾として「ママ・パパの赤ちゃんとのお出かけを応援」をテーマに、全国の公共施設や商業施設などへのおむつ交換台やベビーケアルームの設置を支援。

     また、公共施設にベビーケアルームmamaro(設置型授乳室)の設置を手掛けるTrim社ともパートナーシップ契約締結。mamaroは、授乳やおむつ交換などを行える、鍵のかかるパーソナルなベビールーム。一つ一つが独立していますので、男性でも気軽に利用できるのがメリットです。男女問わずのおむつ台不足、および男性も利用できるベビールーム拡充の一助となるべく、行われる試み。今後ニーズの多い施設への導入サポートが計画されています。


     なお、直近の計画では、群馬県の「道の駅川場田園プラザ」をはじめとする全国の道の駅などの公共施設に順次、誰でも使えるおむつ交換台の導入支援を実施。1月21日からは実際に設置がスタートしています。

    【調査概要】
    ■実施時期:2019.12/19(木)~12/23(月)
    ■調査手法:インターネット調査
    ■調査対象:紙おむつをしている0~3歳児の親1000人(男女各500人)
    ※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります。

    情報提供:プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社

    (宮崎美和子)

    あわせて読みたい関連記事
  • タオルが好きすぎる2歳児の完全装備 強すぎて笑うしかない
    インターネット, おもしろ

    タオルが好きすぎる2歳児の完全装備 強すぎて笑うしかない

  • 知らなかった……チャイルドシートに厚着のまま乗せるのは危険 日本小児救急医学会が注意喚起
    インターネット, 社会・物議

    知らなかった……チャイルドシートに厚着のまま乗せるのは危険 日本小児救急医学会が…

  • 31年の歴史に幕……講談社の幼児誌「げんき」が休刊を発表
    商品・物販, 経済

    31年の歴史に幕……講談社の幼児誌「げんき」が休刊を発表

  • チョコスプレーをひとつずつ食べる息子……夫婦のキレキレなやり取りに18万いいね
    インターネット, おもしろ

    チョコスプレーをひとつずつ食べる息子……夫婦のキレキレなやり取りに18万いいね

  • 「携帯見せてください」令和の子どもが遊ぶ“進化したお店屋さんごっこ”が話題
    インターネット, おもしろ

    「携帯見せてください」令和の子どもが遊ぶ“進化したお店屋さんごっこ”が話題

  • これは完璧に隠れているね……2歳児の“本気のかくれんぼ”が可愛すぎる
    インターネット, おもしろ

    これは完璧に隠れているね……2歳児の“本気のかくれんぼ”が可愛すぎる

  • あなたならどうする?3歳とのババ抜きで丸見えのジョーカーに母、葛藤
    インターネット, おもしろ

    あなたならどうする?3歳とのババ抜きで丸見えのジョーカーに母、葛藤

  • 大好きな粉薬が切れて泣く3歳児 悩んだ親が与えた食材に「健康的」
    インターネット, おもしろ

    大好きな粉薬が切れて泣く3歳児 悩んだ親が与えた食材に「健康的」

  • ヨーグルトの空き容器で特大タワーを制作 父と2人の息子が作った圧巻の光景に「もはや芸術」
    インターネット, おもしろ

    ヨーグルトの空き容器で特大タワーを制作 父と2人の息子が作った圧巻の光景に「もは…

  • ケーキの上は只今工事中!3歳のわが子に作った「工事現場ケーキ」が楽しそう
    インターネット, おもしろ

    ケーキの上は只今工事中!3歳のわが子に作った「工事現場ケーキ」が楽しそう

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 例のあの和菓子、都道府県別の呼び方
    社会, 雑学

    全国で呼び名はどう違う?「今川焼」が19エリア制覇 ニチレイが“勢力図”を公開

  • 楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始
    企業・サービス, 経済

    楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

  • Francfrancの「ビッグマックスープジャー」入り マクドナルド福袋2026が抽選受付スタート
    商品・物販, 経済

    Francfrancの「ビッグマックスープジャー」入り マクドナルド福袋2026…

  • チャコットが初の「ポケモン」コレクション発売へ 2026年1月23日スタート
    ゲーム, ホビー・グッズ

    チャコットが初の「ポケモン」コレクション発売へ 2026年1月23日スタート

  • 静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立
    企業・サービス, 経済

    静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対…

  • カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売
    商品・物販, 経済

    カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売

  • トピックス

    1. 運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      1995年から続く老舗CGI配布サイト「CGI RESCUE」が2026年3月末での終了を発表しまし…
    2. 違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      旧き良き銭湯が異次元の入浴空間に変身するイベント「脳汁銭湯」が、11月26日から12月7日まで東京・…
    3. この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      学生時代、入りたくても入れない「聖域」のような場所だった職員室。その風景を再現し、自由に探索できる展…

    編集部おすすめ

    1. 例のあの和菓子、都道府県別の呼び方

      全国で呼び名はどう違う?「今川焼」が19エリア制覇 ニチレイが“勢力図”を公開

      全国で呼び名が分かれる“中に具材を入れて焼いた円形の厚焼き和菓子”について、株式会社ニチレイフーズが47都道府県別に最も多く使われている呼称…
    2. セブン×ちいかわ「鬼辛カレー」を実食!全身が真っ赤に染まるのも納得の辛さ

      セブン×ちいかわ「鬼辛カレー」を実食!全身が真っ赤に染まるのも納得の辛さ

      セブン‐イレブンで12月2日から始まった「ちいかわと冬をたのしんじゃお!」キャンペーンで、作中に登場した「鬼辛カレー」が発売中。原作で話題の…
    3. 楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

      楽天モバイル、シニア向けに「オレオレ詐欺対策保険」を無料提供開始

      楽天モバイルと楽天損害保険は12月1日、「最強シニアプログラム」を強化し、オプションパック「15分かけ放題&安心パック」加入者を対象とした「…
    4. 静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立

      静岡新球団で何が起きているのか ハヤテ223とくふうHDがネーミングライツ巡り対立

      静岡県を拠点とし、プロ野球ウエスタン・リーグに参加している新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」を巡り、ネーミングライツ契約を含む資本業務提…
    5. 事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      アスクル株式会社は11月28日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害の復旧状況について第11報を公表しました。 事業所…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト