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α世代の半数超が1年以内に農業体験 スマホ時間に悩む親の選択肢に

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 スマートフォンやゲームに触れる時間が長くなりがちな子どもたち。その一方で、土に触れ、作物を育てる「農業体験」が、子育て世代の間で改めて注目されています。

 JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)が実施した「α世代の農業体験と教育効果に関する調査」(12月19日発表)によると、2010年以降に生まれた15歳以下のα世代の子どものうち、直近1年以内に農業体験をした割合は56.2%にのぼりました。2人に1人以上が、学校や地域、観光農園などを通じて農業に触れている計算になります。

  • ■ 子どもの生活で気になるのは「スマホやゲーム時間の長さ」

     調査は2025年10月31日から11月7日にかけてインターネットで行われ、α世代の子どもを持つ親1万人のほか、子ども本人も936人対象となりました。

     体験の広がりと同時に浮かび上がったのが、親たちの切実な悩みです。農業体験させたい親たちに子どもの生活で気になることを聞いた設問では、「スマホ・ゲームなどの時間が長い」が57.7%で最多となり、「室内で過ごす時間が長い」「運動不足になりやすい」といった声も続きました。外遊びや自然体験の不足を感じている家庭が少なくない実態が見えてきます。

    子どもの生活で気になること

     こうした背景もあってか、調査に参加した全ての親のうち75.7%が「今後、子どもに農業体験をさせたい」と回答しています。

     理由として最も多かったのは「食べ物ができる過程や大切さを理解してほしいから」で、「自然に触れさせたい」「食べ物を作る人に感謝してほしい」といった声も上位に並びます。日常生活の中ではなかなか実践しきれない食育や自然体験を、農業体験に託す親心がうかがえます。

    子どもに農業体験させたい理由TOP5

    ■ 農業体験の教育効果

     実際に体験させた親の評価は高くなっています。子どもに農業体験をさせた親の92.1%が「体験させて良かった」と答え、教育効果については83.5%が「子どもの成長を実感した」と回答しました。

    約8割の親が農業体験した子どもの成長を実感

     体験後の変化としては、「自分で野菜や植物を育てたいと思うようになった」「旬の食べ物に関心を持つようになった」「自然や環境に興味を持つようになった」といった行動や意識の変化が挙げられています。

     食事面でも変化が見られました。親が日頃、「子どもの食事で意識はしているものの実践できていないこと」として多く挙げたのが、「好き嫌いなく食べさせる」「栄養バランスの整った食事をとらせる」といった項目です。

     こうした中、農業体験を通じて、17.4%が「食べ物を残さず食べるようになった」、13.2%が「野菜の好き嫌いが少なくなった」と回答しており、食に対する行動や意識に一定の変化が現れています。

     土に触れ、自分で育てた作物を口にする経験が、子ども自身の食への向き合い方を変えるきっかけになっているようです。

    ■ 体験したα世代が持つ農業イメージ「社会の役に立つ」

     子ども本人の声も前向きです。農業体験をしたα世代867人に農業のイメージを聞くと、「社会の役に立つ」が91.3%でトップとなりました。

     一方で「きつそう」87.7%という印象は残るものの、「面白そう」68.3%、「楽しそう」61.1%、「やってみたい」55.6%といったポジティブな回答も多く、かつて語られがちだった“3K”のイメージだけでは語れない姿が浮かびます。

    農業体験をしたα世代の約4割が「将来農業をしてみたい」と回答

     体験後の感想では、「食べ物の大切さを学んだ」「農家さんや食べ物に感謝するようになった」「楽しかった」がいずれも9割前後に達し、「またやりたい」と答えた子どもも78.8%にのぼりました。将来についても、農業体験をした子どもの38.6%が「将来、農業をしてみたい」と答えています。

    ■ 農業体験は“人間力”を育てる要素が豊富

     こうした結果について、調査にコメントを寄せた教育評論家の尾木直樹氏(尾木ママ)は、「デジタルネイティブのα世代の子どもたちにとって、“本物に触れる”体験の価値はより一層高まっています」と指摘。自然を相手にする農業体験は、知識だけでなく感性や共感力といった“人間力”を育てる要素が豊富で、「子育てを手伝ってくれる」存在だと述べています。

     「本物に触れる」農業体験は、デジタル時代の子育てにおいて、親子双方を支える心強い選択肢の一つになりそうです。

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