自衛隊と社会の窓口になっている各地の地方協力本部(地本)。自衛官志望者への募集広報から、退官者への再就職援護という「自衛官の始まりから終わりまで」の業務のほか、自衛隊を対外的に広報する役割を担っています。その中で、鹿児島県を担当する鹿児島地方協力本部公式Twitterが、開発を断念した「秘密兵器」の動画を公開し、話題になっています。

 鹿児島地方協力本部公式Twitter(@kagoshima_pco)は、普段から「おやっとさぁ」という挨拶や、語尾の「じゃっど」や「ごわす」など、鹿児島弁(主に薩摩弁)を駆使した地域色豊かなツイートで人気。地元への地域密着感や、郷土愛あふれる姿勢が評判のアカウントです。

 その鹿児島地本が2020年9月17日に投稿したのが、自衛官志望者の募集広報で運用することを目的に開発が進んでいた……という秘密兵器の動画。その名も、究極の癒し系自衛官募集システム「猫CIWS」です。

 CIWSとは、艦船に接近した航空機やミサイルの脅威を排除するために使用される「近接兵器システム(Close-In Weapon System)」の略称。海上自衛隊では20mmバルカン砲(M61)を使用した「ファランクス」や、短距離迎撃ミサイルRAMを使用した「SeaRAM」が導入されています。

 多くの場合、CIWSはシステムが起動すると全自動で迎撃する仕掛けになっているのですが、この「猫CIWS」はまず、猫がシステム内で配置につかなくてはいけません。

 そして、迫りくるミサイルに対してロックオン。高性能二眼センサーで、暗闇でも確実に捕捉します。

 目標が射程距離に入った途端、見事に「にゃっ!」と撃破!「にゃにゃにゃにゃっ」と、連射速度(?)もかなりのものです。これは有効なシステムなんじゃないの……?

 動画の最後に、開発中止に至った経緯が紹介されていました。まず、システム内が猫にとってイイ感じで居心地が良く、すぐ寝てしまうんだとか。また、気分がのらないと、いくらミサイルが接近しても配置につかない等々……ま、猫ですもんね。

 コンセプトは素晴らしかったものの、運用上の課題が見つかり、あえなく開発が断念された「猫CIWS」。これ、自衛隊における次世代装備の研究開発をしている防衛装備庁で、真剣に開発してくれないかなぁ……と思ってしまいました。

<出典・引用>
自衛隊鹿児島地方協力本部@公式でごわす(@kagoshima_pco)
※画像は自衛隊鹿児島地方協力本部@公式でごわす(@kagoshima_pco)のスクリーンショットです。

(咲村珠樹)