イギリス空軍のエアロバティックチーム「レッドアローズ」は、2021年シーズンから3年間チームを率いる新編隊長(レッド1)に、トム・ボールド少佐が就任することを10月6日(現地時間)に発表。元ユーロファイター・タイフーンパイロットのボールド少佐は、早くも来シーズンに向けてのトレーニングを始めます。
ヨーロッパを代表するエアロバティックチーム、レッドアローズの新編隊長となるボールド少佐は、ウエストヨークシャー都市州ブラッドフォード出身の39歳。2005年にイギリス空軍に入隊しています。
戦闘機パイロットとなったボールド少佐は、ユーロファイター・タイフーンに乗り南米のフォークランド諸島を含む様々な場所に展開。マレーシアやUAEで実施された国際共同訓練にも参加しています。
ボールド少佐がレッドアローズに加わるのは、実はこれが初めてではありません。2015年~2017年シーズンに5番機、6番機、7番機パイロットとしてチームに在籍し、中国遠征を含む様々なエアショウで妙技を披露しています。
レッドアローズを離れ少佐に昇進すると、今度は第4(AC)飛行隊の飛行班長となり、ホークT.2の飛行教官として学生教育にあたっていたボールド少佐。編隊長としてレッドアローズに復帰する内示を受けた際「最初はなぜ自分が次期編隊長に?という感じでした。しかしすぐに責任の重大さを感じ、身震いがしました」と心境を語っています。
子供の頃にレッドアローズのショウを見て、パイロットを目指したというボールド少佐は「この特別な機会を得て、あらゆる年齢や背景を持つ多くの人々に忘れられないディスプレイをお見せしたいと思います。レッド1(編隊長)として最も大変なことは、過去56年にわたって積み重ねられた歴史と伝統を受け継いでいくことです」と、これからチームを率いるにあたっての抱負を述べています。
2021年からのレッドアローズが目指すものとして、ボールド少佐は「人々に刺激を与えること」だと語ります。「2021年のレッドアローズは、ディスプレイを見た皆さんがエキサイティングだと感じられるようにしたいですね――例えば、ダイナミックなフライトや世界レベルの高精度な編隊飛行、そして何より、優れたチームワークです。考えていることは色々ありますよ。新しい編隊の形や、諸々のアイデア……まだ全部お話しする訳にはいきませんけどね」
現編隊長のマーティン・パート少佐のもとで、来シーズンに向けてのトレーニングを始めるボールド少佐。「あと数日で始まるんですが、トレーニングはブロックごとに築き上げる方式で、徐々にルーティンが複雑になっていきます」と、トレーニングの方法についても語っています。
ボールド少佐によると、チームメンバーはそれぞれ、トレーニングの進捗状況をオンラインやSNSでフォローしてほしいと考えているとのこと。「私たちは圧倒的かつ信じられないほどのサポートを受けられて、本当に光栄だと感じています――それは私たちにとってファンタスティックなモチベーションとなっていて、レッドアローズとして皆さんにディスプレイを本当にすぐにでも見てもらいたいと思っているんです」とボールド少佐は、ディスプレイシーズンを待ちきれない様子です。
Meet the new Team Leader of the #RedArrows. Squadron Leader Tom Bould, who is originally from West #Yorkshire and flew frontline #RAF Typhoon jets, takes over as Red 1 for the 2021 display season. Learn more about Tom in this Q&A video. #Red1 pic.twitter.com/LDYYs17yky
— Red Arrows (@rafredarrows) October 6, 2020
<出典・引用>
レッドアローズ ニュースリリース
Image:Crown Copyright
(咲村珠樹)