疲れがたまっているのに安眠できない、といった悩みを抱える人は少なくないはず。うまくリラックスすることが安眠の近道、という話もありますが、おやすみ前にチョコを食べる欧米の習慣「ナイトチョコレート」は心身をリラックスさせ効果的、という調査結果が発表され、実際に取り入れているホテルもあるようです。

 ストレスの多い現代社会では、より良い睡眠をいかにとるか、というのは大きなポイント。しかし、思ったように眠れていない人は意外に多いようです。

 江崎グリコが20代~60代の男女1万人を対象に実施した調査によると、全体の半数以上にあたる53.3%が「睡眠に関する悩みがある」と回答。うち20代は59.3%、30代は56.9%と、特に若い世代で悩みを抱えている人が多いようです。

 睡眠の質を上げるには、いかにリラックスした状態で横になれるか、というのがポイント。ぬるめのお風呂にゆっくり入るなどの方法もありますが、欧米では寝る前にチョコレートを食べて気分を落ち着かせる「ナイトチョコレート」という習慣があるそうです。

 この「ナイトチョコレート」、日本ではまだまだ馴染みが薄いようで、今回の調査で知っていると答えたのは全体の19.0%。年代別に見ると、20代では22.5%(うち実践経験9.5%)、30代で19.5%(うち実践経験7.3%)と、若い世代では多少認知度が上がっています。

 ナイトチョコレートを知っていると答えた人のうち、いつ頃知ったかを聞いてみると、60代の47.7%、50代の37.5%が「2年より前」と以前から知っている人が多いのに対し、若い世代では1年以内と答えた人が20代で51.3%、30代が45.0%を占め、最近のトレンドになりつつあることが分かります。


 さて、まだまだ馴染みの少ない「ナイトチョコレート」ですが、実際の効果はどうなんでしょう。実践している人と、実践していない人を対象にした調査によると、実践している人の91.0%が「リラックスでき、気持ちよく眠ることができる」、89.0%が「ぐっすり眠れた気がする」と回答。さらに「スッキリ目覚められる」という回答も86.0%あり、寝つきと目覚めに貢献していることが分かります。

 実践していない人に対し、ナイトチョコレートの文化を紹介すると、67.0%の人が魅力を感じると回答。お風呂にゆっくり入るというのに比べ、手軽に試せるリラックス法なのもあるかもしれませんね。

 世界各地の高級ホテルのみならず、日本国内の由緒あるホテルでもナイトチョコレートが枕元に置かれ、親しまれています。「フォーブス・トラベルガイド」2021年の格付けにおいて、ホテル部門で最高評価の5つ星を獲得したホテル、ザ・キャピトルホテル東急では、ターンダウン(寝やすい環境を整えるホテルのサービス)の一環として、ナイトチョコレートを実施。

 ナイトチョコレートについて、総支配人の末吉孝弘さんは「プライベートでもビジネスでもホテルを利用されるお客様は、お部屋ではリラックスしたいと思っていらっしゃるわけですから、ナイトチョコレートはリラックスしてお休みいただくには最適なサービスだと思っています。私自身、海外のホテルでターンダウンやナイトチョコレートのサービスを受け、心地よく眠れ、滞在中快適に過ごせたことから、お客様にも体験いただきたく導入しました。ターンダウンサービスは、心地よい環境でゆっくりお休みいただくためのおもてなしで、この際に、枕元にお水とチョコレートを置かせていただいています」とのこと。

 末吉さんによると、欧米のラグジュアリーホテルでは、夜ベッドサイドに甘いものを用意するのは常識なんだとか。甘いものを食べると幸せな気持ちになり、心身がリラックスするので、安眠しやすくなる……ということのようです。

 「心地良い睡眠は人それぞれですが、ナイトチョコレートが長い間続いているということは、それなりの良い効果があるからと考えられます」と語る末吉さん。「特別な日のものではなく、“ナイトチョコレート”として習慣化してみては」と最後に提案しています。

情報提供:江崎グリコ株式会社

(咲村珠樹)