おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【ジブリグッズラボ】多くの人形でみせる「コマ撮りコレクション」の魅力

 三鷹の森ジブリ美術館の常設展示の中でも人気の高い、立体ゾートロープの「トトロぴょんぴょん」。直径約2メートルの円盤上にある347体の人形たちでアニメーションのような動きを見せるという、これまでにない精度と密度を持ったゾートロープは今でも多くの人に感動を与えてくれています。

  •  ゾートロープの歴史はとても古く19世紀に誕生。スリットを設けた円筒を回転させ、中に描かれている絵をスリットから覗くと絵が動いて見える仕組みになっています。
    これは人の網膜の残像現象(網膜に映った映像は消えるまでにほんの少し時間がかかる)を利用したもので、少しずつ動きの異なった連続性のある絵を見ると、絵が動いて見えるというアニメーションの原点でもあります。

     これが自宅でいつでも見られたらなぁ……と思ったことがある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?そんなコアなファンの切なる願いを叶えたグッズが、今回ご紹介する「コマ撮りコレクションシリーズ」です。

     コマ撮りコレクションは2006年に発売された「1/18ドンドコおどり」、2009年の「1/16吠えるトトロ」、2018年にはとなりのトトロ公開30周年記念として「1/18ドンドコおどり」(リメイク)と「1/10トコトコ小トトロ」の4種類が発売されました。




    ■ 1/18ドンドコおどり

     最初のコマ撮りコレクションは「ドンドコおどり」の名のとおり、トトロと小トトロが木の芽を空に向かって必死に伸びろ~伸びろ~と奮闘しているおなじみの名シーン。コマ撮りコレクションではこのシーンを18コマに分けてフィギュア化しています。材質はポリエステル樹脂、鉄、PVCを使用。単価は税別880円。専用のターンテーブルと鏡台は数量限定で各5000円。

     製品化にあたってのシーン選びはとても良かったと思います。一般的にもよく知られている有名なシーンであり、18体にコマ分けした時に必ず出てしまうであろう「似通ったシーン」の重複を表情などのデフォルメでカバーしてうまく差別化を図っています。

     造形に関しても毛並みの細かいディティールが入っており、単色塗りの単調さを凸凹による陰影によって解消していました。

     このお値段で、この完成度。しかも揃えるとコマ撮りアニメーションまで楽しめてしまうのであればお買い得以外のなにものでもありません。あえて重箱の隅をつつくのであればヒゲの材質が劣化しやすい点と、小物類の傘や木の芽が細く破損しやすい為、取り扱いにはかなり注意しないといけないという点ぐらいです。

     ただ後に発売されたリメイク版では、破損防止の観点からヒゲを本体と一体造形にすることによって改善されているのですが、立体感は確実に損なわれてしまうので好みが別れるところではあります。

     傘については傘の中棒と手元が2007年版では固定されていたのに対し任意での取り外しができるようにされたので、傘を付けるのか付けないのかというユーザーの選択肢が増えています。

    ■ 1/16吠えるトトロ

     次のコマ撮りコレクションは「吠えるトトロ」と題された、クスの木の上でサツキのために猫バスを呼ぶこれまた有名なシーン。

     こちらは劇中シーンでは登場しない中トトロも付いていて、16コマに分けてフィギュア化されています。今回も専用ターンテーブルが別売(5000円)であるのですが、前回の鏡面タイプのゾートロープとは違って真ん中には何も置かない仕様になっています。

     ではどうやってアニメーションを楽しむのか?というと、専用のうちわ(真ん中にスリットが入ったもの)のスリット部分から覗いてそれを上下に振るとトトロたちが動いて見える仕組みになっています。ちなみに筆者が持っているものは紛失したので、代替品です。

     前回はターンテーブルと鏡台で合計10000円と少々出費がかさむ仕様だったので、今回はたぶん、動いて見えるようにする為の装置として、お金をなるべくかけない作りで、且つ製品として販売するという最適解がこれだったのではないかと思います。

     やろうと思えばターンテーブルの外側にスリットを付けた枠をはめ込んで、スリット式のゾートロープも作れたのでしょうが、それではターンテーブルにせっかく並べたトトロ達が見えなくなってしまい飾った時の視認性が非常に悪いということもあるので、ここは敢えてスリットうちわという選択をされたのではないかと思います。

     材質は強い衝撃には弱かったポリエステル樹脂からPVCに変更。最近売れ線のゆびにんぎょうシリーズと同じ素材なので、ポリエステル樹脂に比べて飛躍的に落下などの衝撃による破損がなくなりました。やはりゾートロープで楽しむことができる以上、回転させて楽しむことも考慮すると材質にPVCを持ってきたのは大正解かと思います。

     外装は中の見えないボール紙のものからブリスターパックへと変更され、商品を出すのもしまうのも楽になりました。

     しかも商品をしまった状態でも中が見えるので、そのままディスプレイできるというのも利点ですね。以前は梱包材が発泡スチロールだったため、静電気でスチロールカスが商品に引っ付きやすかった点も考えると今回の変更は二重丸。


     こちらは単価が税別1050円と「ドンドコおどり」よりもお値段は多少上がりましたが、造形のグレードも比例して上がり、大きさもボリュームアップ。それによりダイナミックな動きにもより迫力が増して見応えもさらにアップしました。

     と、今年はコロナの影響もあってジブリ美術館へなかなか行かれないので、お家でゾートロープを楽しんでみました(笑)こちらはYouTubeに動画もアップしてあるので、お時間がありましたら動きを楽しんでみてください。

    (非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313

    あわせて読みたい関連記事
  • 「火垂るの墓」がNetflixで初の国内向け配信 7月15日より
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「火垂るの墓」がNetflixで初の国内向け配信 7月15日より

  • Mei (Victoria Chen), Tatsuo (Dai Tabuchi) and Satsuki (Ami Okumura Jones) in My Neighbour Totoro. (C) Manuel Harlan (C) RSC and Nippon TV
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    舞台「となりのトトロ」無期限ロングラン公演が開幕、ロンドン・ウェストエンドに新た…

  • ジブリ作品「海がきこえる」が初の全国リバイバル上映!7月4日より3週間限定
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    ジブリ作品「海がきこえる」が初の全国リバイバル上映!7月4日より3週間限定

  • 魔女の宅急便「おソノ」さんのマタニティフォト グーチョキパン店も完全再現
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    魔女の宅急便「おソノ」さんのマタニティフォト グーチョキパン店も完全再現

  • 模型作品かと思いきや!ラピュタ「ロボット兵」の食べられるジオラマ
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    模型作品かと思いきや!ラピュタ「ロボット兵」の食べられるジオラマ

  • ジブリの料理レシピ絵本シリーズ第3弾は「天空の城ラピュタ」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    ジブリの料理レシピ絵本「天空の城ラピュタ」が発売 「残業の日の肉だんご入りスープ…

  • 今にも動きそう!落ち葉アートで躍動感あるねこバスを表現
    インターネット, おもしろ

    今にも走りだしそう!落ち葉アートで躍動感あるねこバスを表現

  • 1/24スケール「バラクーダ号」を見つめる来場者
    インターネット, おもしろ

    宮崎アニメの模型作品がたくさん!「宮崎メカ模型クラブ」展示会に行ってきた

  • 画像提供:いずみ包(ぽお)さん(@poizm)
    エンタメ, 芸能人

    TVに映り込んだ「宮崎駿監督っぽい人」 ネットをざわつかせたジブリ芸人「いずみ包…

  • 床に点々と残る黒い足跡はススワタリの仕業?(はづきさん提供)
    インターネット, おもしろ

    我が家にススワタリが出現?床に残された足跡が物語る大惨事

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • らーめん缶 豚骨風らーめん
    商品・物販, 経済

    豚骨なのに豚なし!?動物性不使用の「豚骨風らーめん缶」今春登場

  • 週刊 勇者ライディーンをつくる
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    「勇者ライディーン」をつくる創刊 全高65センチ、発光&変形ギミック搭載

  • TVアニメ キービジュアル
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ねずみくんのチョッキ」アニメ化決定 津田健次郎・能登麻美子が複数役担当

  • (写真はイメージ/写真AC)
    イベント・キャンペーン, 経済

    JR東日本、駅そば巡りスタンプ企画 148店舗参加の「駅そばの達人2026」開催…

  • ラグナロクオンライン3
    ゲーム, ニュース・話題

    「ラグナロクオンライン3」日本展開決定 スマホ&PC対応、特定コンテンツはシーズ…

  • 書籍「ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間」(関口勇著)
    商品・物販, 経済

    廃墟とカオスを摂取せよ “異空間”偏愛本「ニッポンの異空間」発売

  • トピックス

    1. 2011年で時間が止まった町の“今” 福島県大熊町・双葉町内の「中間貯蔵施設」を巡る

      2011年で時間が止まった町の“今” 福島県大熊町・双葉町内の「中間貯蔵施設」を巡る

      2011年3月11日の東日本大震災の発生にともない起こった、福島第一原子力発電所の事故。15年が経過…
    2. プレステのチャーム付きビスケット発売 アラフォーゲーマーがレビューしてみる 

      プレステのチャーム付きビスケット発売 アラフォーゲーマーがレビューしてみる 

      2月16日、バンダイからゲームファン垂涎の食玩が登場しました。その名も「PlayStationミニチ…
    3. 甘いの?しょっぱいの?1日20食限定の「チョコレート味噌ラーメン」が唯一無二の体験だった

      甘いの?しょっぱいの?1日20食限定の「チョコレート味噌ラーメン」が唯一無二の体験だった

      都内に6店舗を構えるラーメン店グループ「ソラノイロ」は、2月11日から「そらのいろ 銀座本店」にて1…

    編集部おすすめ

    1. TVアニメ キービジュアル

      「ねずみくんのチョッキ」アニメ化決定 津田健次郎・能登麻美子が複数役担当

      株式会社ポプラ社は2月17日、ロングセラー絵本「ねずみくんの絵本」シリーズ(作:なかえよしを/絵:上野紀子)のテレビアニメ化を発表しました。…
    2. (写真はイメージ/写真AC)

      JR東日本、駅そば巡りスタンプ企画 148店舗参加の「駅そばの達人2026」開催

      JR東日本は、駅そばを味わいながらスタンプを集められるキャンペーン「駅そばの達人2026」を、2月19日から3月18日まで開催すると発表しま…
    3. ラグナロクオンライン3

      「ラグナロクオンライン3」日本展開決定 スマホ&PC対応、特定コンテンツはシーズン制

      ガンホー・オンライン・エンターテイメントは2月13日、スマートフォンおよびPC向けMMORPG「ラグナロクオンライン3(RO3)」の日本国内…
    4. 書籍「ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間」(関口勇著)

      廃墟とカオスを摂取せよ “異空間”偏愛本「ニッポンの異空間」発売

      廃墟や珍スポット、巨大工場など、なぜか心を惹きつけられる“不思議な場所”を厳選して紹介する書籍「ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間」(関…
    5. 描き下ろし記念ビジュアル

      河内遙「涙雨とセレナーデ」2027年TVアニメ化 描き下ろし記念ビジュアル公開

      河内遙さんの「涙雨とセレナーデ」が、2027年にテレビアニメ化されることが決定しました。単行本最終14巻の発売日にあわせて、2月13日に発表…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト
    支援